”You’d think I’d be happy, but ....”

大飯原発再稼働を「決定」したのは、内閣総理大臣。政権与党の党首。過日の選挙での民意の果実が、いつのまにか別の実にすげ替えられ、またすげ替えられ、今回の「責任」の示し方となった。
消費税増税での三党合意もまさかの調印。茶番か?
再稼働反対で、首相官邸前に1万1千人の市民が集結したことは、どの新聞もTVニュースも触れていなかったのに、一夜明けて、再稼働決定の後では、400人が集まったことをTVのニュースで伝えるような媒体を果たして「報道」と呼べるのか。いつも同じ物言いだが、太鼓を持つのはミュージシャンに任せた方がよい。
内田樹さんが、久々にいいことを書いていたので、リンクを。
http://blog.tatsuru.com/2012/06/14_1241.php
頑張っているのは東京新聞だけなのか?そうではないと信じたい。
今求められているのは、野田首相が示した類の日和見や詭弁などではない。「小市民の賢さ」である。愚かなリーダーを選ばないこと、リーダーを注視、監視すること。今までにないことをやり遂げることに意味を見いだすリーダーが始末に負えないこと、そんなリーダーによって引き起こされた過ちは取り返しがつかないことを、第二次大戦から後だけでも、学園紛争、バブル経済崩壊、湾岸戦争、小泉政権、そして福島第一の事故で学んだのではなかったのか。公教育に携わる者として忘れないようにしたい。日本や世界でリーダーとなる「人材」を養成するためではない、市民としての平和・豊かさ・権利・尊厳を見直し、守るためにこそ、教壇に立ちたいと思う。
もし、今、「リーダシップ」を求めるのだとしたら、次のようなリーダーを見ならうことから始めてはどうだろうか?長野県上伊那郡中川村の村長のことば。
http://www.vill.nakagawa.nagano.jp/index.php?f=hp&ci=10685&i=11049

そして、自分の実作。
土曜日課外は高2、高1と90分ずつ。
高2は、教科書本文を読んで、内容理解を問う質問の英文作成。

  • Why did he begin to be interested in …?

という生徒の作ってきた質問をたたき台にして、

  • Why did he become interested in …?
  • What made him interested in …?
  • What about … inspired him?

などを通過。他にも、

  • What about his parents influenced his way of life?

など、<名詞+前置詞+名詞>から疑問詞を取り出すのは練習が必要。

  • What wasn’t he quite satisfied with in his life?

では、in his lifeに「どの時期か」何の限定もないので、漠然としてしまうことと、否定の部分が程度表現と絡むため、一読・一聴ではわかりにくいので、本文の内容をくみ取りつつ、

  • Why did he feel something was missing in his life although he …?

とalthoughで導かれる節中に、「世間ではpositiveで高評価される」内容を持ってくる出口を助言。

  • What did he join … for?

では、Why?ではなくWhat for? の利便性を明示的に解説。

  • for money / for fame / for more time with his family / for peace of mind

など、<for + 名詞句>がどれだけ思いつくか、このような「副詞」感覚を鍛えておくことが大切。

英語を英語で言い換えるだけではなく、何を答えてもらうのか、本文そのままで答えられるもの、本文の内容から推測するものなどなど、まずは知恵を出し合って、悩みどころでは悩んでおいて下さい。まとめではありませんが、論理展開の「型」と接続詞の使い方、疑問詞を使う際の留意点などを解説してから、サイドリーダーで背景を補充。
高1は「万次郎」の音読。
子音の発音でダメ出しの連続。仕切り直しで、2年の教室の「学級文庫」から『原岡本』を持ってきて、ドリル。発音の基本は、「意識と観察力と正しい練習方法の問題」と言ってしまえばそれまでなのだけれど、何を正しいと思うか、という信念の段階で間違えている教師に教わってしまうと取り返しがつかなくなるから怖い。我が身を振り返る。教育に携わる者にまず求められるのは、この「畏れ」だと思う。敬虔に経験を積みましょう。
午後は湖へ。
大学チームのコーチと来週の国体予選での打ち合わせ。ブロック突破に向けて それぞれの持ち場でみな全力を出しています。
さて、
授業のためではなく、自分のために読んでいるブログ「常時英心」で興味深い記事がありました。http://d.hatena.ne.jp/A30/20120616/1339823552 
obverseとobserverの関係等々、知らない事ばかり。まだまだ修業が必要です。いくら昨日、マニフェストの卓袱台返しのような三党合意をしたからといって、UG先生が引いていた、"The party was the obverse of a successful evening." っていう英文は、partyに二重の意味を持たせた引用、というわけではないのだろうなあ…。
このUG先生とその門下生のブログ「常時英心」は、進学クラスの高2以上の生徒には読むように薦めています。「はてな」ユーザーは、コメント履歴の機能を使えば、いつ、どのようなコメントをどの「はてな」ブログで残したかが管理できるので、私も、時々コメントを残しています。
先日、「馬乗りになる」というお題で、「自分の守備範囲にある語をネットで検索するのは容易でも、その逆は大変」という旨のコメントを寄せたのですが、新たな記事でこの時私の頭の中に浮かんでいた “mount” が取り上げられていました。
http://d.hatena.ne.jp/A30/20120616/1339777911
mountという動詞を「何かをきちんと始める」というような意味で使えるのは面白いですね。
類似の表現では、

  • settle, get down to など、平面の対象に自分が重力方向に移動し固定・定着するもの。
  • establish, found のように、対象を固定・安定させたり、根付かせたりするもの。
  • (begin to) tackle, handle のように、人の動作として「がっぷりと組む」「手で取り扱う」もの。
  • launch, float など「船を水に浮かべるように、ゴールへと向かう軌道に乗せる」比喩。

などが思いつきますが、mountはどのような「イメージ」なのでしょうか。この場合は、「動きのあるものに乗っかる」ような感じなのでしょうか?でも、それに乗っかっている自分がそれを動かす訳ですよね?まさに「馬に乗る」ですかね?
ここまで書いてきて、過去ログを思い出しました。
http://d.hatena.ne.jp/tmrowing/20100107

本日のBGM: It’s lonely at the top (Randy Newman)