”Love doesn’t fall out of a magazine.”

商業科2年は、「仕込み」のA, Bを個人でのリハーサル、対面リピートまで。対面リピートは、3つセットで連続で行うというもの。仕込みシートは、縦半分に折って、表裏で日→英が行ったり来たりドリルできるように作ってあるので、日本語側を自分に向くように、顎の下に持つけれども、3つ連続で思い出せない時に、1度だけ日本語側を「チラ見」してよいというルール。「単語」のAは2分で、「連語」のBは3分で、何ペアできるか。上位者が飽きないようにお膳立て。
Bの仕込みで2例追加。

  • (「人」を) お見舞いに病院に行く visit + 人 + in the hospital
  • 退院する leave the hospital

その後は、「強勢」、「発音と綴り字」で、基礎の徹底。去年もほぼ同じことを、私がやっているんですけれどね。定着には時間だけではなく、身につけようという意識が必要ですから。
進学クラスは高1の英語I と高2は2コマかけてリーディング。
高1は、自動詞・他動詞、目的語関連を私の定番教材で。

  • 田舎に住む   live in the country
  • 田舎の友人を訪ねる visit a friend of mine in the country

での in the countryの働きの違いも考慮に入れています。比較の対象として、

  • call a friend of mine in the country

という表現を考えた時に、「田舎で、友人に電話をかける」という解釈が可能となること

  • stay at a hotel by the river

で、 “stay by the river” という部分をわざわざ抜き出すことは稀で、やはり “a hotel by the river” というまとまりを取り出すのは、「自分がこれまでに生きてきた中でストックしてきた意味の整合性」によるもの、という話し。

  • イモを掘る、地面を掘る、穴を掘る
  • お湯を沸かす、味噌汁を温める
  • (窓) ガラスを割る、骨を折る
  • 傘を畳む、腕を組む、紙を折る

など、結びつきの実例での日英比較です。
用語で誤魔化さない、「衒学」で煙に巻かないということには配慮します。

  • 目的語をとらない動詞が自動詞
  • 目的語をとる動詞が他動詞

とかやっていると、

  • では、「目的語」って何?

ということになりますから。
「動詞」の意味というものを、もっと本気で自分のものにしましょう、実感が持てるまで実例を生き直しましょうというような話しで終了。

そう考えると、高2のスモールトークで、「接頭辞」の話しをしたのは必然だったのですね。
本当に毎年、高2から高3でしています。

高2は、継続して、Senior Swanの練習問題でトレーニング。文脈からの類推。「L版」の活躍するところでもあります。開拓社はここだけ作り直して発売してくれないかな。

放課後は、近い方の湖へ。
私以上に熱い指導者が一人。
勉強させてもらいました。

明けて、水曜日は飛び石4コマ。
高3ライティングは、「ナラティブ」の続き。時制の統一、使い分け。GWTのこの課題も、今ならもっと良いものに書き換えられるのになぁ…。
商業科2年は、始まりのチャイムから私の入室まで「『仕込みのB』で対面リピート」の指示をしてあったので、入室後、タイマーを2分にセットして、チェック欄に記入。
その後、「発音と綴り字」のセクションで、begin, swimの –ing形で前時に学んだことの確認。runningやcuttingをカタカナ読みしないことを徹底。
今日は、そこから、「音のつながり」。舌先の調音点の保持とスライドでの先取り。

  • stayed in the hospital, think about that
  • went to the hospital, for the first time

今日扱った「音」は、決して「喉」ではコントロールできないものです。
最後は私が最も尊敬するK先生からの私信を読み上げ、送られてきた「中学校1年生」の英語のプロダクトを見せながら、「英語」ということばを学ぶ上で、本当に大切なことを授業で伝えました。誇張でなく涙が出そうでした。

進学クラスの高1は、「目的語」感覚の続き。
ここでも同じく「中1作品」を見せ、手紙を読み上げました。

  • 英語の「音」が入っていること。
  • 英語の語順・意味順が入っていること。
  • 限定詞の働きがわかっていること。

が中学校1年生の作品で十分に伝わってくる、感動の一時でした。

進学クラス2年は7限。今日も引き続きリーディングで「多義語」の識別。
英英辞典的な定義で語義を確認しておいて、例文を「L版」でスライドさせながら、読み、どこで判断できるか、を問う。「文脈」とひとことで片づけるのではなく、何を読み、どのように頭を働かせるか、頭と心のストレッチです。
missという動詞、tillという接続詞の「肝」について実感を伴った理解が出来たことでしょう。

放課後は、体育館で「エルゴ」の指示をしてあったので、7限後にもう終わった頃だろうと覗きに行ったら、中途半端な練習をしていたので喝!「ひたすら」「ひたむき」を死語にしないことです。

さて、
連休あたりに実施した模試の出題で編集部に疑義を呈していたのだが、今日、英語の編集責任者から回答を得た。英語の表現問題に関しては、作問時にも複数の英語ネイティブに見せているとのことだが、今回私の指摘を合わせて改めて英語ネイティブに確認したところ、全面的に私の指摘の通り「英語としては不自然な表現」という回答だった。私の語感がおかしくなっていた訳ではないので一安心。どこかのいい加減な英語教材の批判とは違って、今回は「模試」作成者を非難とか糾弾するために、疑問点を指摘しているわけではないので、これからの改善が図られることが大事。ただ、そろそろ「結果」が返却されてくるわけだが、今回のこの設問での配点分が、「得点」、「偏差値」を左右するので、その分は割り引いて結果を受け止めることが必要。
今回、編集部には私と同様の疑問点の指摘はなかった模様。
責任者とは電話でおはなしさせて頂いたのだが、

2学期以降は、やはり現実の大学入試の出題形式や難易度に近づけざるを得ないだろうということは私にも分かる。ただ、高校3年で初めて「ライティング」という科目の履修が始まる学校では、1学期が終わる頃に、ようやく目鼻が立ってきて授業でやったことが試せるようになるので、夏休みくらいまでの模試は、様々な出題形式で、ライティング・英作文の発達段階に配慮した出題が望まれる。例えば、和文英訳であれば、ひところの上智大で見られたような多肢選択での「適訳選択」にするとか、和文の対話文の数ターンをまとめて要約する英文の空所補充にするとか、解答の語数指定も、小問によって少し細かく設定するとか、といった工夫はまだ施してよい時期だと考えている。だからこそ、解答として示す英語の「質」は十分に吟味して欲しい。

と要望を伝えておいた。
全国で相当数の「進学校」が受験する模試である。そういった高校では、「模試」をそれなりに重視しているのだろうとは思う。ただ、今回のように、どのような問題で、どのような英語を求められているのか、「表現」系の出題と、その解答にはもう少し目配りをしておくことが必要だろうと思う。2学期以降、「合格可能性判定」などというものが全く当てにならなくなってしまうのだから。
該当する設問と解答例に関して、気になる方は私までメールを下さいな。

帰宅したら、頑張って入手した、

  • 新島通弘 『誤訳から正訳へ 合格英作文の書き方---大学受験・答案添削210例---』 (英協、1966年)

が届いていた。ずいぶんヤケが目立つけれども、中味は良好。「お題」となる和文は長くても3文程度だが、よく練られていると思う。流石に時代がかった表現や、国民性のstereotypesなどは見られるが、日本人学習者の悩み所迷い所に配慮した教材になっていると思う。
新課程の「英語表現 I」でこのレベルを卒業し、越えていける教科書はどの程度あるだろうか。まずは、現在地に立たなければ、目的地に近づくことはできない。

本日のBGM: temporary beauty (Graham Parker)