Hang in there! あるいはACEの活躍

商業科2年は、記号付けと解説と音読と。指示語の照応・受け継ぎを四角から四角まで矢印で。名詞の数のチェックと「人」「もの」のチェックが出来ていれば、後は「意味」で決まる、ということを実感して下さい。日本語に訳して読んでいるだけでは不十分。that節のワニの口は板書して解説。まとまりの良いところまで進んでは、音読。遅々たる歩みでも、誤魔化さず確実に。なんてことはない音読の仕方ですが、今日やった、チャンクごとの切り出し方を変えて糊代のように伸び縮み・積み重ねするのが単純な「バックワード・ビルドアップ」よりも効果的な練習方法だと実感しています。そのうち慣れますから、きちんと取り組むことです。教科書の読みが早く終わって、仕込みで扱った語句がしっかりと記憶できるようなら、授業で紹介した “The War of the Worlds” のラジオドラマの抜粋とか、サイエンスものの記事から抜粋した「宇宙と生命体」の記事に進みたいんですけれどねぇ…。
進学クラスの高1は、教材や辞書の紹介をしながら1週間かけて「文字指導」です。
基本は Sassoon系のフォントで。
文字そのものについての「概論」を経て、今日は、姿勢・ペンの持ち方と実際に書く際の「ストローク」のコントロール。文字を書く前に「ストローク」だけを取り出して、自分の得手不得手、自分にとって書きやすい「基線」の位置、つまり

  • 書くべき文字・ストロークが自分の身体から前後左右どのくらい離れていると (または近いと) 書きやすいのか?

その距離を実感してもらいます。そのためにはまず姿勢です。ストロークが終われば、次は文字と繋げ方。 iとl の連続、iとlとtの連続で、一文字で一回のタテのストローク。文字の背の高さ、お尻の位置が揃っているか、自分でも確認してもらいます。hとbの連続で、一文字の中で二回タテのストロークを含む文字とカーブを含み文字の書き終わりのストロークが右へと出ない文字を書いて、間隔が適切かなどを見ています。”exit” と呼ばれる、その文字の書き終わりでの「出口」を意識させて文字と文字の間の適切な距離感を覚えることが狙い。言うほど簡単なことではありませんので、以前ソフトのSassoon Joinerを購入した時におまけで付いてきた “joining” のワークシートを使って、なぞりなぞり。筆記具は私の持っている「ペリカーノ」系の万年筆総動員で、「ペン書き」練習です。春期課題テストでの手書き文字を見た範囲で、「ペリカーノ」から書かせる生徒と、まずは「ペリカーノジュニア」で書かせる生徒と。1頁練習が終わったところで、交換。
ペンで書いた経験のない生徒には、ペン先の天地から教えます。「ジュニア」は人差し指、親指、中指の三本の指の位置が決まっていますから、それぞれの指を所定の位置に置かないとインクが出ません。持てたら持てたで、今度はペンを立てて書こうとしますね。ペン先がどうにかなってしまわないか、ハラハラドキドキで机間指導。

  • ペン先が滑らかに動き、インクが乗る。

ということを体験してもらいました。あと、ストロークが安定しない段階の生徒にとっては

  • ペン軸が細すぎるとコントロールが難しい。

一方、ペン軸にシリコンなどの「指に優しい素材」が巻かれた既製品もありますが、

  • その「指に優しい素材」が柔らかすぎると、ペン軸の保持・固定のために必要以上に力がいる。

ということも。
「もちかた君」などの補助器具も活用して、ストレスなく保持・固定できるポジションを見つけることが大切。上手く書けない生徒にはシャーペンを使わせないことからですね。三角鉛筆や「ペリカーノ・ジュニア」は市内の文具店でも取り扱いがあるので、告知しておきました。ただ価格が気になる人もいるでしょうから、GWに補助器具を貸し出せるように準備です。
今日の最後は、春期課題テストで「綴り字」を実際に書く問題で出題した単語を板書。「マジックe」の働きで、名前読みの徹底から、お手本に倣って、縦書き練習。週明けの授業で、春期課題テストの範囲の単語を書く練習と発音診断です。

進学クラス高2は「英語 II」で通しました。こういう融通が利くのがこのクラスの最大の利点ですね。
Part 2では、 “adult education” の定義の再検討。この課の主人公 Dawson氏のように、「学校に通っていなかった人」の分類整理から。自らの選択で通わなかった者と通えない外部の制約があった者とをどう表すか、事実を表す動詞の過去形と助動詞的表現とが使えるように。ニートや引きこもり、dropoutや中退などを説明する英語表現を探すには、どのようなキーワードで検索すればいいか知恵を出す。日本でのかつての「大検」や米国でのGEDの定義などを参考に。
定義から本文中の語を探した後で、「終身刑 (= a life sentence; life imprisonment)」の定義を英語で。

  • いくら、中学レベルの手持ちの英語で表せるように噛み砕け、と言われても、ご飯やおにぎりを口に入れ、噛んで砕いてアミラーゼ混ぜ混ぜで「でんぷん」を分解してしまうと、自分が食べたお米が「こしひかり」だったのか「あきたこまち」だったのか、分からなくなってきます。噛み砕けば噛み砕くほどいい、というわけではないのです。名詞なら名詞で、a thingとかsomething that SVとかだけで切り抜けるのではなく、どこかで「ラベル」を貼れるよう、使いこなせる名詞をきちんと整理しておくこと。

というガイダンスから、 “punishment” というラベルで定義説明。これは「時」?「場所」?と問うて、<前置詞+関係代名詞>の利点を説く。MEDの定義、

  • in which someone is sent to prison for the rest of their life

を参考に、

  • in which somebody will be kept in prison for many years, possibly until they [動詞]

で空所補充。
「表現と論理」で扱ったのは、次の5点。

  • tooとenough が不定詞と一緒に使われる表現を「公式」とか「構文」とか「慣用表現」とかで理解の先送りをしてはダメ。それぞれの語義が本当に実感できているかをこそ問うべし。まず手始めに、enoughの英英辞典の定義、 “as much as you need” は腑に落ちるものか?
  • early の二つの意味。「早い」とか「早くに」といった訳語で充分な区別ができるものなのか?政村先生の「図絵」ではどうなっているか?
  • getは「手に入れる」か?get throughは「通過する」か?ではget my children through schoolは?イメージや比喩は、それを補う「適切なことば」があって初めて生きるのです。
  • exceptと except forの使い分けに、何か目安はあるのか?三省堂の英和辞典は優れた解説。あとは金子稔先生に聞け!
  • andのペアは奥が深い。天秤ばかりへの乗せ方がまずいと、先へと運んでいる内にこぼれるものです。いつでも戻ってやり直しが利くように心の準備を。慣れれば「二通りの解釈」を頭の中に置いたまま進んでいけます。

フレーズ順送り訳で日→英の復元を音読で。山・谷の要所を確認したところで「作問」を宿題にして今週はおしまい。「進度遅っ!」って感じでしょうね。
英語科主任経由で「進度表」も提出完了。7種類あるので、日本語を書くだけで疲れます。英語の方が楽かも。

昼食はいそいそとカップ麺。FBにアップした写真に反応があってビックリ。麺ではなく、"men"に食いついたということでしょうね。

放課後は新入部員とエルゴ。
たいして漕いでもいないのに早くも筋肉痛。
私がです。
週末は県大会。久々に出漕しないことになりましたが、新入部員のレース見学で引率です。天気が気になるところ。
帰宅後は、「フィギュアスケート国別対抗戦」の観戦。
日本での開催ですが、浅田選手、羽生選手は欠場。小塚選手のコンディションが心配。
高橋選手は、SPの点数はちょっと盛られ気味ですが、フリーとともに自分のプログラムとして消化吸収が出来たことがよく分かる演技。キスクラも、今大会はチームで得点を待つわけですが、高橋選手の得点を待つ上では、他の国の選手が集まり、彼のパフォーマンスを讃えていたことに感動。本当に素晴らしい演技に対して、単純明快に応える素晴らしいアスリートであり、表現者たちです。私も画面の前で騒ぎすぎて妻に窘められました。

本日の晩酌: 獺祭・純米大吟醸・磨き三割九分・槽場汲み・無濾過生原酒 (山口県)
本日のBGM: 境 / 界 / 線 (堂島孝平)