updateよりUpdike

tmrowing2012-03-27

夕べは晴天のおかげで「天体ショー」を楽しめました。
その分、放射冷却なのか、今朝の気温が氷点下ということで、冬の装いで出校。
今日は仮入学。
私は今回も受付係。
流石に、ヒートテックは着ませんでしたが、体育館はジェットヒーターがあるとはいえ、なかなかに厳しいコンディション。
半日で諸注意に、手続きに、物品購入で、あれもこれもお願いしております。
皆さん、ご協力有り難うございました。お疲れ様でした。
明日で、私の担当する春期課外は終了。
今回の新高2のハンドアウトは、新年度一年間の見取り図というか「ツアーパンフ」のような性格も持たせてあるので、新高3担当の方にもお渡ししてあります。向学心溢れる方なので、私の英語という言葉への切り口が、何か刺激になれば良いなと思います。
というわけで、最終日のハンドアウトはこちら。
2012_kagai_03_28.pdf 直
検索ワードで、『河野本』が目立っていましたので、今回の講座ではあまり活かせませんでしたが、一応紹介しておきましょう。
G大時代の恩師、河野一郎先生の著作です。(本日の写真を参照のこと)

  • 『翻訳上達法』 (講談社現代新書、1975年)
  • 『翻訳教室』 (講談社現代新書、1982年)
  • 『翻訳のおきて』 (DHC、1999年)
  • 『誤訳をしないための翻訳英和辞典』 (DHC、2002年)

文芸翻訳についての心得、指南書という趣ですが、基本は「読み」ですから、英語教師が読んでおく分には良い本だと思います。
河野先生の教えからどれほど多くを身につけられたか自信はありませんが、「教師だからこそ自分が読む文章、文体のバラエティーを拡げること」、というのはずっと意識して来ました。今日の写真で立てかけてある河野先生の本の下で寝ているのは、Delia Ephron。"Teenage Romance" は大学4年生の頃、河野先生の教職英語の特設講座でさわりの部分を読んで、興味を持ちすぐに購入したものです。当時は、彼女が後に "You've got mail" の脚本を書くなどとは思いもしていませんでした。
あと、読解には関係ないけれど、

  • 『絵で覚える英単語1600』 (旺文社、1963年)

なんていうのもあるにはあります。

新入生の物品販売では、教科書・副教材もあるのですが、新年度の英語の副教材で困ったことが起きました。

  • 清水かつぞー『英単語ピーナツほどおいしいものはない』 (南雲堂)

が改訂版しか流通していないのです。南雲堂にお電話をかけ、在庫を確認したのですが、時既に遅し。旧版は会社にも全く残っていないそうです。
昨年度までは、現行版 (今では旧版なのですが) を使っていました。馴染みのある教材と簡単に済ませるわけにはいきません。何と言っても、旧旧版のまだCDがついていない初版が出てすぐの1992年から足かけ約20年もの間、この教材を自分の勤務する高校で採用してきたのですから。(旧版採用当時のエピソードはこちら→ http://d.hatena.ne.jp/tmrowing/20070209)

今回の改訂には本当に参りました。今回の改訂版は、旧版と比べて、

  • 用紙が重たいので片手で扱いづらい
  • 光沢紙で表面がツルツルのために、ペンなどでの書き込みを受け付けにくい
  • 多色刷りで単語の網掛けにも色が付いているので、使う人のカスタマイズに向かない
  • カラー印刷対応で版組から新たにしたことによる誤植

さらには、ダウンロードできる音声ファイルには、日本語から英語という吹き込みがあるとか。
旧版の愛用者なら分かってくれると思うのですが、オリジナルの、不要なモノを極限まで削ったシンプルな良さが全くといって良いほど消えてしまっています。これでは改訂ではなく、改悪でしょう。余計なことはしなくていいんですよ。トホホ…。かつぞー先生からの手紙を読み返しましたよ。 (http://d.hatena.ne.jp/tmrowing/20091214)
以前、お世話になった編集のAさんも、この改訂にはいい顔をしていなかったとか。そりゃそうでしょうに。改訂版も売れてくれれば、増刷の折りに誤植も改まるのだろうけれど、今年度、目の前の生徒に対する指導をどうしようかね…。1学期のうちは『短単』を淡々と進めるからまだ良いのだけれど。

こちらが、CDのない頃の『オリジナルP単』。どうせなら、表彰台の順に並べるんだったな…。
本日のBGM: Gemini (James Iha)