「充ち満ちる」がマイブームになり、花粉が充ち満ちてきたのか、鼻をかんでばかり。
杏里のあの曲も、CCBのあの曲も、日本のポップスや歌謡曲の中では私の最も嫌いなタイプの作品なのだが、♪鼻水が止まらない♪、♪誰か、鼻水止めて♪。
追試指導に関わる教員以外、多くの方が代休を取られていた日に営業に来てしまった出版社の方と長話。入り口付近に貼られていた「合格速報」を見て少々驚きのご様子。過分な評価は要りませんが、実態を知ってもらうことは大事。
営業の方は、公立私立いろいろな学校を回られていますから、いろいろな情報をお持ちです。
- ほうっ、流石ですね。
というところもあれば、
- ええっ、そうなんですか?!
というところも。
私 (たち) も気を付けないと。印象に残った言葉は、
- 子を持つ親としては、教えている先生方が、自分の学校の教育に自信を持っていないことが分かるような言動はちょっとどうかな、と。
御意。これに懲りず、またお越し下さい。
追試は第一回目が終了。礼を言うくらいなら平時に頑張れ!
空き時間に、「文字指導」関連の資料に目を通す。
小学校外国語活動の実施の影響もあり、ネット上で検索しただけでも、いろいろな「文字指導」が報告されているのだが、
- 読む文字と書く文字の「書体」「フォント」の差異とその影響
を論じたものがない。黒板やホワイトボードへの教師の板書や文字カード、単語カードの貼り付け、活動で用いるハンドアウトやワークシートへの印刷など、初学者が「文字を読む」活動のバリエーションや段階性、系統性には配慮があるものの、「文字そのもの」「書体」「フォント」にあまりに無頓着なままの議論や調査研究が目立つ。
たとえば、最近のものでは、かなりしっかりした枠組みでの調査研究である、
- 外国語活動の効果的な指導に関する実証的研究 (和歌山県教育研究センター学びの丘研究紀要、2009年)和歌山県教育センター紀要.pdf
は、
- 中村典夫「小学校英語における文字導入の問題点」 (2006年)shougakueigo_nakamura-1.pdf
での「多角的語彙習得モデル」も踏まえて指導方法が検討されているようであるが、「ペンマンシップ」として導入されているのは、
単語を「なぞる」ことや、「単語さがしゲーム」を通して、文字の形や単語に慣れ親しむ活動
と位置づけられた活動であり、そのなぞり書きや、ゲームで用いられる「書体」や「フォント」には何の注記もない。中学校での英語指導との「連携」や「連関」を真摯に考えるのであれば、「慣れ親しむ」段階における「文字そのもの」を議論するべきだろうと思う。小学校でたっぷり文字に「慣れ親し」ませておいて、実際に手で書く指導を丁寧に行うのは中学校になってから、では何も解決しないどころか、「読む文字」と「書く文字」のギャップが開くばかりである。
先日の「公開研究会」でも指摘したが、市販されている国産の教材のほとんどが、「文字そのもの」に対する考察が甘い、そしてさらには「書くこと」の考察も甘いのである。
私の手元にある「日本語」を書く資料を参考までに。
- 大谷四郎 『日本文字の描き方』(ダヴィッド社、1959年)
- 横山浩之監修、大森修編『グレーゾーンの子どもに対応した作文ワーク 中級・上級』(明治図書、2004年)
- 下村昇『ひらがな・カタカナの教え方』(高文研、2006年)
- 富澤敏彦『教師のためのきれいな字を書く六度法1週間レッスン』 (旬報社、2011年)
英語関連で唯一、入門期に使用可能な国産教材として高く評価しているのが、
- 手島良 『スラすら・読み書き・英単語』 (NHK出版、1997年)
であるが、これも絶版の模様。小学校外国語活動が必修になったにもかかわらず、この現状というのは絶望的ですらある。
語学教育研究所が開いている春期講習会で手島良先生が、
- II. 「フォニックスを意識した新語の導入」 (http://www.irlt.or.jp/modules/eguide/event.php?eid=133)
を担当される。今回は「綴りと発音の規則の具体的な活用法」がメインのようであり、「文字を書く指導」と直接繋がらないかも知れないが、文字指導に興味関心のある方は、講座修了後の質疑応答など手島先生の「引き出し」から多くを引き出して欲しいと思う。私は自分の学校の春季課外講座を担当するので参加が適わないのがとても残念。
年度末の喧噪。
教師の年輪がまた一周。
職員会議を終え、りんたろうさんと電話で生業話、世間話。
吉本隆明の訃報。
次女の呟きは台湾やフィリピンから届く果実ではなく、
硬い殻から生まれた牛皮のような独白だった。
産んだのはお母さんなのにね。
合掌。
松岡正剛氏の『千夜千冊』の「第89夜」に手向けの言葉が添えられていた。
http://1000ya.isis.ne.jp/0089-2.html
吉本氏も、松岡氏も熱心に読まなかった私には、今ひとつピンと来ない。
『考える人』とか『現代思想』は特集を組むのだろうな。
鶴見俊輔氏は何かコメントを表したのだろうか?
たびたびの鼻はかみ捨て。
本日の晩酌: 勝駒・純米・生・五百万石50%精米 (富山県)
本日のBGM: all this useless beauty (Elvis Costello)