奈良の堪忍、駿河の堪忍、いや「きょう」は都です

国公立大学の個別試験、前期日程もスタート。
私の実作、土曜日課外は、高1のみ午前中3時間。
前時に、whether / if 節のところで、宿題として指示していた、「例文収集の旅」、

  • mind + if 節
  • appreciate it + if 節

をホワイトボードの両面にこれでもかと列挙してもらい、比較検討。最近の辞書であれば、コーパスからのコンコーダンスラインを吟味した上で収録されているはずの例文を、学級文庫にある複数の辞書で更に積み重ねて「型」の比較検討をするのが狙い。 “… mind if …?” という問いに答える際の気の遣い方は週明けにまとめて。
この例外的なパターンを知っておけば、それ以外の原理原則に適ったものは処理が容易いというもの。続いて、where / when を押さえて、whyへ。
「受験の公式」と言われたりすることのある、

  • that is why 節

での、thatにも、why節にも実感が持てるような「使い処」で確認。ここは、四角化とワニの口の真骨頂でもある。
最後は、how muchとかhow oftenとか how soonとか、単独ではないことも多いので一筋縄では行かない how節を。

  • I was so drunk last night that I don’t know how I came home.

という私の話しなどを引き合いに出して、「道のり」「道筋」のイメージを持ってもらい、”the way” との言い換えを導入。
このようにして、名詞節のバリエーションを一通り経験し、どのように生き直すかを、あれやこれや。
ここからは、「動詞」に焦点を当てて、「ことがら」を目的語にとる動詞の用例収集の旅。
ハンドアウトを配布し、「自分ひとりでまかなえる行為」を表す動詞と、「原則として他者の存在を必要とする行為」を表す動詞に分けて、グループ作業。前回のグループ作業の反省ができているか、しつこく問うてもいます。大枠というか、基本の型は『グラセン和英』の巻末の文型一覧や、綿貫先生のハンドブックを見れば分かるわけですが、

  • 側によると息遣いが聞こえる。
  • その人の顔が見える
  • 触って体温が感じられる
  • 斬れば血が滲む

ような用例は精選された一覧表の中には、なかなか見つかりません。
参考資料として、学級文庫に収録中の辞書類や書籍以外に、日本語教育の参考書から、

  • 坂本正 『学習者の発想による日本語表現文型例文集―初級後半から中級にかけて』 (凡人社、1996年)

を紹介。「大学入試」に頻出するデータなどではなく、自分たちが普段使っている日本語の典型例を踏まえて、英語の用例を見る目を作ろう、というのが私の目論見。生徒がどう使うか、そもそも使うか使わないかの選択からして全くの自由。
英語の参考書としては、

  • 砂川諭 『正しい英文を書くための英語の動詞100―例文からパターンを習得する』 (ボーダーインク 、2006)

をレファレンスとして与え、さらに、

  • 日向清人、狩野みき 『100%使いこなすための 知られざる基本英単語のルール』 (DHC、2011年)

を紹介。日本の教材には珍しく、 “hate it when節” の用例があったので引用しようとは思っていたのだが、他にも基本動詞の典型例が「文脈」の中で上手にまとめられているので活用して下さい。

最後に、『原義・基本義から考える前置詞・副詞』の私家版ハンドブックを印刷して配布。インターネットが手軽に使えるようになり、検索エンジンが進化し、オンラインコーパスも充実しているので、授業で使うハンドブックはもう役目を終えたと思っていましたが、生徒が巷のトンデモ本に引っ掛かっても困るし、Lindstrombergの『EPE』改訂版も出たので、作り直すには良い機会だと思いました。これから半年ほど、授業で旧版を使いながら、飛躍のあるところ、矛盾するところ、使い勝手の悪いところを修正したり、入れ替えたり、補充したり、削ったりして改訂していこうと思います。

さて、このブログをご覧の方々へのお知らせです。

このブログのコメント欄を凍結する契機となったのは、迷惑コメントに対応し、承認制に切り替えた後でなされた卑劣極まりない「なりすまし」コメントだったのですが、コメント欄凍結以降では、はてなブログの「ブログ内検索」の機能を悪用し、「検索ワード」を模して、私に対する毒を吐く輩がおり迷惑していました。
いつも決まったipアドレスからのアクセスでしたので、相手側のプロバイダーを特定し照会したり、その他ネット犯罪に関する様々な部署と相談協議を続けてきたのですが、今にいたって芳しい結果に結びついてはいません。行政や司法的な手段に訴える前にできることとして、しばらくの間、夜間、つまり私が寝ている間は、プライベートモードにしてブログそのものへのアクセスができないようにすることになりました。今回の件に何ら関係のない皆さんが、このブログにアクセスできなくなることは極めて不本意ではありますが、システム的に特定の個人のアクセスを制限できないので、何卒ご容赦下さいますようお願いいたします。

本日の晩酌: 花巴・弓絃葉・純米・山田錦70%精米・無濾過生・無加圧直汲・23BY (奈良県)
玉川・純米吟醸・手つけず原酒・雄町 60%精米・無濾過生・23BY (京都府)
本日のBGM: Sleep of the just (Elvis Costello)