女子会

ホームステイ引き受け二日目、で最終日。
私は、ちょこちょこと通訳をしているだけなのであっという間ですね。プログラム全体のスケジュールを見せてもらったら物凄く過密だったので、できるだけリラックスできるように、と遅くまで寝てもらって、妻が準備した柚子湯に入ってもらい1日のスタート。
朝ご飯は、純和風。ご飯と味噌汁と納豆と白菜の漬け物。納豆は初体験とのこと。せっかくだから、たっぷりと不思議がって下さい。
少し落ち着いたところで、良い空気を吸いに秋吉台まで。
「もともと海底だったところが隆起してできた台地」、という説明をしたのですが、すかさず、「どのくらい前のこと?」と聞かれて即答できず。展望台にある観光案内サービスの押しボタンに手を。大音量でのアナウンスにビックリ。三億年前だそうです。これには自分でもビックリ。
帰りにちょっと寄り道して弁天池に水を汲みに。
弁天様の説明は上手くできたのですが、なぜ、この地に、厳島神社の木と社があるのか、というのがあまり上手く伝えられず終い。
お昼過ぎに買い物も済ませて帰宅。
ちょうどそのころ、同じプログラムでデンマークから来たリッキーさんという女性をホームステイさせているHさん家族が合流。リッキーさんは英語も日本語も流暢。キッチンに集合した6名は皆女性。唯一の男子である私は、キッチンを取り巻いて見ているだけ。
妻がピザ、Hさんがサラダを担当。ピザは、トマトソースで2種類、チーズと玉葱でシンプルに1種類の計3種類。妻は前日からリンゴ酵母で種を仕込んでいましたが、年末年始はパンを作っていなかったので、酵母の働きには不安な様子でした。食べるだけの私に言われても、とは思いますが、生地にはほのかな甘み、リムは適度な表面のサクサク感と生地の弾力が出ていたので、出来としては良かったのではないでしょうか。
デンマークから来たリッキーさんは、豚バラ肉の塩漬けをトッピングしたトマトソースのピザを美味しそうに食べていました。さすが、豚肉王国出身。
最後は、ソフィアがパンケーキをみんなに作ってくれました。
アメリカ的なものではなく、どちらかというと「クレープ」に近いもの。
ジャムやチョコを巻いて食べます。砂糖をかなり入れるようで皆驚いていましたが、たくさん入れた方が確かに美味しいのですね。
大賑わいの昼食会も一段落し、明るいうちにキャンプ地となる廃校まで妻が送り届けることに。
私と娘は留守番なので、玄関を出たところで皆さんをお見送り。娘はソフィアさんに "hug" されたことで急に淋しくなったのか、泣いて追いかけようとしていました。
意外に近かったとのことで、帰宅した妻といつも通りに夕飯。キッチンにある食材でできるもの、ということで、トマトと卵でオムライスということに。
賑やかなお正月となり、妻と娘が喜んでいたのが何より。

録画しておいた箱根駅伝を観戦。
復路も東洋大の圧勝。
青山学院大が上位に入っていた。競技スポーツのコーチをする者として、どのような選手獲得、養成をしているのか、その取り組みに興味が湧いた。練習風景や、選手、監督のコメントが出ることはあっても、このTV局はとかく、「人間ドラマ」の演出の方に力を入れたがるように感じる。
出雲では優勝した東洋大が全日本大学では駒沢に苦杯という今シーズンの過去のデータをもとに、個々の選手のトラックの記録や、過去の戦績などを交えて実況や解説をするのが、その競技を担当するエキスパートの仕事だろうと思うのだが、陸上長距離で日本を代表する名ランナーであり、さらには指導者としても一流の筈の解説者も、この競技を担当するに当たって綿密に取材を重ねてきた筈のアナウンサーも、「情」に訴える言葉が多すぎる。ラジオの実況や解説じゃないのだから、「情」は説明なんかしたってダメでしょうに。
メディアで競技スポーツの番組や中継に携わる人には、そのスポーツの素晴らしさ、スポーツ選手の凄さを実感してもらう「言葉」を育てて欲しいと切に願う。今や、博報堂とか、電通とか、大手広告代理店が仕切っている大会運営やスポーツ中継がほとんどだろう。そういう時代だということはよく分かる。私が日本体育協会の上級コーチ研修を受講した時に、「コミュニケーションスキルズ」の講師を担当したのも、このような大手広告代理店出身の人だった。せっかく、異なるスポーツではあれ、トップレベルのコーチが一堂に会する機会なのだから、お互いの指導者としての取り組みや資質の対比、摺り合わせ、共鳴にこそ時間を割くべきだろうに、無駄な時間を紋切り型のワークショップに費やしたことが今でも残念である。優れたコーチが持つ人と関わる「言葉の力」は、優れた教師が持つそれと同様、この手の「広告代理店的コミュニケーションスキルズ」で類型化されるものとは異質のものだと思う。
TVというメディアの持つ力も、質も落ちている今、「見せる側」の思惑で物語を作ることが難しくなっていることに早く気づくべきだろう。

本日のBGM: サヨナラColor (竹中直人)