seven days to go

金曜日の高1進学クラスは、模試の英文で精読ガイダンスの最終コマ。
最後に、私の教材研究で使っている手書きのノートのコピーを配布。
<how to 原形>の名詞句のワニの口と<how S+V>の名詞節のワニの口の図示。もし、ワニのお腹の中が難しい語句や構造でお手上げの時は「どのように〜するのか、ということ」ととりあえず「ことがら」の手がかりを残して先へと進みましょう、という解説。
修飾語句の構造で、<形容詞 + 名詞1 and 名詞2>となったときに、形容詞はandを越えて名詞2の修飾をするのかどうか、単純な並列か、因数分解か、という部分は時間をかけて。そのうち、関係代名詞の先行詞を確認する時にも同じような姿勢が問われるので、種まき種まき。
高2のライティングは、後置修飾祭り。
高3のライティングは、意見文・論説文の続き。
この日は、夏期講習テキストではなく、某大手予備校講師が執筆している市販されている参考書の模範解答と解説を引き合いに出して、本論でのサポートでは、主観的形容の言いっぱなしは厳禁、理由付けに意見を述べない、ということをしつこく説く。最近の予備校講師系学参では、「字数稼ぎのために結論部分に主張を繰り返すな」と親切な解説をしてくれているのだけれど、その前に、主張の立論が主張として「立っていない」、理由付けが主観的形容の垂れ流しや、更なる意見で、理由付けになっていないことをまず、振り返るべきだろう。受験生が実際に書ける範囲の言語材料で書いたとしても充分、論理性を保った英文になるのだから。
最近、竹岡広信氏の数研出版の英作文テキストが改訂になった。自由英作文の出題部分は全面改訂ということで、期待しているのだが、PR誌『Chart Network』 (No. 65) でのtrailer的記事を読む限りでは、このブログ (http://d.hatena.ne.jp/tmrowing/20071007) で指摘していた、

  • 「大都市で暮らすより小さな町で暮らすほうがより快適だ」という意見に対するあなたの意見を50語前後の英語で述べなさい。

という滋賀大の出題に対して、本質的な改善には至っていないように思えた。このPR誌で竹岡氏は、

  • 「ふつうの英作文」が得意な生徒は、「自由英作文」も得意です。 (p.3)

と言ってくれているのだが、市販教材ではクリティカルシンキングのかなり手前で課題が多いことをこそ、指摘して欲しいものである。

土曜日の課外講座は高1進学クラス。
午前中3時間でみっちりと、<to+原形> と<-ing形>。
実例をもとに頭の働かせ方を整理するのが目的。
<to+ 原形>では、

  • それ自体をワニの口で四角化
  • 四角化した名詞を大きな固まりにする
  • それ自体をワニの口にもしないし、その前の四角化した名詞とも結びつかない
  • 文型の中での形合わせ

という定番に加えて、

  • 足跡確認

での

  • シンデレラの足とインソール

というあたりが私の指導の少し修正されてきた部分か。
それぞれ用例や英文をディクテーションで導入。生徒は書き取り、意味と構造を確認してから音読。
ワニの口は、

  • To see is to believe.
  • I want to buy a new car.
  • It is not easy to master a foreign language.

あたりから。後置修飾は、something hot to drinkやsomething warm to wearは入学時の<名詞句チェック>でやっているので、

  • homework to finish by Monday
  • the first woman to climb Mt. Fuji
  • a friend to help you
  • a friend to turn to

までで、格と足跡を確認。時はto原形だけでは基本的に担当できないことも説明した後、

  • the best way to practice English pronunciation

の用例をディクテーションで追加。

  • 足跡が綺麗に四角化した名詞だけで収まらないパターンもあるよ。シンデレラのお話のように、「ぴったりとはまる足を持った女性」を連れてこようにも、足跡はぶかぶかなので、「どどいつ」の副詞句を作るための前置詞を足の周りに補わないと落ち着かない。

ということで、「インソール」という説明をしました。ここでの頭の働かせ方は、今後出てくるだろう関係副詞の複線でもあるので、繰り返し実例で押さえていこうと思う。
その後、

  • We went to the station to meet our uncle.

では、音読で、「深海魚とか足首にならないように」と英語の音に集中。
意味と構造の確認で、この場合には、to原形は直前の名詞と強く結びつかない、ということを徹底。大富豪で親戚の送迎用に特別な駅でも持っていれば別だけれど、と余談。

  • I am happy to meet you.

では、原因を遡るという例外的な頭の働かせ方。<不定詞の toはもともと→だから、これからのこと、不確定なことを表す>という単純化では上手くいかない部分です。
最後の文型の中での形あわせは、「動詞」の匂いを覚えておきましょうという話し。

  • to原形が苦手なのではなくて、その前にくる動詞の意味に習熟していないことの方が多いのですよ。

と、tell, ask, want, help, getを板書。用例探しの旅。
その後、seemをやって休憩。
仕切り直しの後は<-ing形>。
分詞構文として用いるものは、時にせよ、付帯状況にせよ物語文の多読がもう少し進んでくれば実例との出会いが増えるのだから、

  • 文へのイントロ、文のフォロー

とだけ予告しておいて、今回はパス。先送り。
今日は、

  • それ自体がワニの口
  • 名詞との強い結びつきでその名詞を中心とした大きな固まりを作る
  • 関脇の付き人、つまりいわゆる<進行形>

という枠組みの提示。
こちらも、それぞれ、用例や英文のディクテーションから、意味と構造を確認して、音読。

  • I like reading.
  • I remember seeing him at the party last week.
  • I am good at playing tennis.
  • The fever kept me from sleeping well.

までを上記の手順で押さえておいて、板書したのは、

1. My hobby is collecting stamps.
2. My Bobby is collecting stamps.

意味と構造の両方から確認できないとダメ。あれ?っと思った時に別の頭の働かせ方ができるか、語彙の難しさに惑わされないこと。
今日の目玉は動名詞なので、現在分詞の前置修飾と後置修飾はさらっと、

  • Barking dogs seldom bite.
  • The old man sitting under that tree is my grandpa.

をディクテーション。確認の板書では、最初の例文、でbarkingにあたる部分を下線のみにして、

  • ここにくるのはいわゆる形容詞。「大きい」とか「小さい」とか「白い」とか「黒い」とか、本質的な特徴や性質。

二例目の英文では、sittingの部分はsitだけ書いておき、全文を見せて、

  • とじカッコつけるのはどこ?そう、「be動詞、時制が決まればとじカッコ。とじカッコの付くbe動詞の形は5つ。これは暗記、is ,am, are, was , were。」、で isの前。

といつもの手順。

  • 「1つの文に動詞は1つ、二つ目以降は形合わせ」、だから、sitのままではだめだし、sitsでとじかっこをつけるのもだめ、で-ing。

「その前の母音の発音は文字の名前読みをしない目印」はもう指導済みなので、sittingを色を変えて板書し、

  • ここが大きな名詞の固まりになっていることがわかるように、四角のあと、sittingの前に、始まりのカッコ「 ( 」を書けばはっきりするね。この日のために四月からずっと「とじカッコ」を徹底してきたわけです。入学当初は、「こいつ、何でとじかっこだけ書かせるんだ?」と思っていた人は、その疑問がここで解消したでしょうか?

と表情を確認。すかさず、sittingの下にスロットのように類例、

  • running
  • barking
  • digging a hole

を書き出す。多読教材にはレベルの異なる複数冊の『アルプスの少女ハイジ』と、日本昔話を英訳したシリーズで『花咲じいさん』の話しも含まれているので、一つひとつ意味を確認しながら大笑いした後で、

  • この名詞の後にくる内容は、さっきの「大小」「白黒」みたいな形容詞と同じ働きか?

と問う。

  • 名詞の前に行くには、ひとことで言える「本物の形容詞っぽさ」が必要。『花咲じいさん』はまさに、そういう人なわけでしょ?そうなったら、英語でも名詞の前に行ける。でも、普通は一言で言えないような内容を付け加えるから、後ろ。こっちが普通の位置。

休憩を挟んで、動名詞の課題。

  • Love is walking hand in hand.

のシリーズ (過去ログ参照→ http://d.hatena.ne.jp/tmrowing/20071102, http://d.hatena.ne.jp/tmrowing/20071113) から、自分の心にヒットした用例をホワイトボードに抜き出していく。両面が心に響く珠玉の用例で埋まったところで、次のステップへ。続きは週明けの授業で。
床屋に行って、スッキリしてから、来週の山口県英語教育フォーラムの運営委員会。
忙しい中集まってくれた委員の方、本当に有り難うございます。
本番まで後少し、バタバタ、あたふたしますが、まあ、楽しんでいきましょう。
昨年から、この運営委員会形式をスタートさせたのですが、当日までの準備、当日の流れ、配付資料などの確認が終わった後の、授業や英語教育にまつわる四方山話が本当に面白いのですね。自分が生徒だとして、こういう先生に英語を教わると、本当に授業が分かり、楽しくなるのだろうなぁ、という気持ちになるし、こういう人が同僚だったら、心強くて頼もしいだろうなぁ。
帰宅したら、もうNHK杯の時間。
グルジアの舌を噛みそうな名前の選手は、今季からブライアン・オーサーがコーチ。体を絞って来たのか、ストロークの伸びとテイクオフのスピードが上がった気がする。レオノワはモロゾフがコーチ。フリーは特に安藤美紀的な振り付けに見えた。
今季初戦の浅田真央選手はようやく自分のリズムを取り戻した感じ。ショートプログラムでパンクした3+は回避し、フリーでは2+として、確実に今できるものの精度を高めるという演技構成。ジャンプはまだロングエッジを取られたり、ランディングで止まり気味見えるのは、回転不足なのか、課題が残ったけれども、サルコウが跳べて本当によかった。バックアウトでの体重移動など、漕がないのに本当に伸びやかに滑れるのはフィジカルなコンディションも戻ってきたということなのだろう。美しさがこの競技の重要な要素であること、姿勢とは静止したポーズのことだけではないのだということがよくわかる。最後のスピンからスパイラルへと移行していくところなど、うっとりしない観客はいるだろうかと思った。
鈴木明子選手はミスがなければ優勝という最終滑走。オープニングは3Lz単独、2+と3Tのコンボも高さ充分、ランディングもスムーズに決まり、身体のキレ、スケート技術など、この時期とは思えないパフォーマンスで前半を終え、ほぼ優勝は手中にしたかに見えた、後半のジャンプでミスの連鎖。このレベルの選手でも、いやこのレベルで戦っているからこそのメンタルの問題なのだろう。コンボの予定でのミスをリカバリーするのは容易ではない。ザヤックルール抵触、の不安が頭をかすめたりすれば、スケーティングにも影響が出るし、ジャンプの入りで必要以上にタメてしまいリズムを崩し、テイクオフのスピードを落とし、結果高さと幅の不足に繋がったりする。スコアでシングルのルッツになっているところなどはカナダ大会ではロングエッジを取られていたところ。ルッツのミスを引きずるとフリップでミスになりやすい、という一般論が今回は出てしまった。カナダ大会では取られなかったフリップのロングエッジである。アテンションでなく、ロングエッジ。
今大会の優勝で、GPファイナル出場は確定だろうから、この後どのように修正し、よりよいプログラムへと消化、昇華していくのかに期待。
録画しておいた男子SPそして、大会後のEXを楽しみにしつつ、気持ちよく就寝。

本日のBGM: There she goes (The La’s)