よいよい

自チームの選手は実習があるために、この国体の直前で2日間トレーニングできず。心身ともに回復にあたってくれるといいのですが。
私も正業の実作で、普通科3年の再入門講座。いわゆる完了形と進行形。
助動詞としてのhaveとbeの働きを整理しても、結局は規則変化動詞の-ed形の綴り字と発音で躓いたままの生徒が多いので、実例からグループ化。中学校の先生は本当に時間が掛けられなくて歯がゆいだろうけれど、文法事項の導入時だけではなく、継続して反復しながら、学習者が一覧を頭の中に整理できるように援助して欲しいと思う。
旧来の「規則変化」に関する指導や教材が、発音の/d/, /t/, /id/ (便宜上の表記です) の実例をグループ化し、綴り字の –edに関しては、それとは別にグループ化というか規則化して指導しているような気がしています。同じ、/d/ という発音だけが-ed形の印として機能する動詞の中にも、いろいろな綴り字の「規則」が混じっている。(過去ログ参照→ http://d.hatena.ne.jp/tmrowing/20080602)
私の授業では、startやwant、hope, plan, learnなどが出てきたところで、それぞれの類型は?と全体に問い、ペアやグループで調べの作業を経て、彼らの「発見」を取り上げ、「共通点」の観察を促している。askなど馴染みのある動詞は、発音はhopeと同じく /t/ だけを付加する点で「同じ仲間」と言えるが、綴り字では-edを付加しなければならないという点で「違っている」ことを指摘。decideは発音だけ考えれば、/id/を付加する点で、startなどの仲間と言えるが、綴り字で、最後のeに上から重ねてedを付加する点では、意外にもhopeと同じ仲間とも言えるのだ、と一度、意図的に混乱する生徒も出るように進めている。その後、枠組みだけ表で板書し、動詞の実例を表の中に書き込んで行き、発音練習をしたあとで、それぞれの縦の列、横の列 (行) は何を表していたのか、という解説と共にスカスカの一覧表を「完成」。今後、授業で「規則変化」する動詞が出てきて、悩んだらこの表に戻り、必要に応じて拡充していけばいい、というスタンスです。この一覧表の簡略版は『エースクラウン英和』 (三省堂) の学習頁にさりげなく入れてありますのでご覧下さい。
再入門の高校生の全員にスイッチを入れることは難しいけれども、スイッチを入れようと思った時に、足場となるような教材、頭の働かせ方を高校卒業までに整備していこうと思います。
商業科1年は「四角化」でどどいつの「時」と「場所」。時間と空間ですね。特に、英語の前置詞は日本語を頼りに意味を考えると、形容詞や動詞のような「感覚」がしてしまいますから、その部分に関しては、「これは身につけるまでには時間がかかるからそれまでは思い切り間違えなさい」、というアプローチです。

  • 私の家の近くに
  • near my house

なんていうのは、nearは「近い」っていう意味なんだ、という「理解」をしている生徒は、形容詞のcloseとの識別でたいていの場合苦労します。

  • 角を曲がったところに
  • around the corner

では、英語の前置詞aroundのどこを見ても、「曲がる」という動詞は見いだせません。さらには、

  • 川を渡ったところに
  • across the river

などでは、なまじcrossという、かなり基本的な動詞が英語に存在するために、識別に苦労する生徒が多いように感じています。
私の授業では、「動詞の時制が決まればとじかっこ」というのが合い言葉になっていますが、この前置詞には波線を下に引かせることで、常に意識させ、「『とじかっこ』は付かないからね」ということをしつこく言い続けます。この両方を来る日も来る日も続けていくことで、後々の学習での自力での軌道修正が可能な、安全弁、抑止力として働いてくれることを願って、かなり早い時期からしつこく作業させています。
「どどいつ」としての副詞句を押さえてから、前置詞句による名詞の後置修飾「崖の上のポニョ」シリーズをやって国体前の授業は終了です。
進学クラス3年のライティングは、センター試験の模試素材を使い回して、グラフ、図表を説明するための「数量表現」「増減」「比率」に関わる定型表現と比較に関わる文法事項の整理。
比較級を用いた表現を指導する際の留意点は、中学校の既習事項として済ませたり、問題演習を数多くこなさせることではなく、日本語での「より」という表現を英語のthanに単純に対応させている生徒は、比較級そのものの表す意味や概念を身につけていない可能性があり、「より○○だ」という日本語のまとまりを英語の比較級と対応させている生徒は、thanを上手に使いこなせない可能性がある、という「疑いの目」で生徒の理解や表現活動を観察することです。
受験を控えた高3の生徒には、no sooner thanとas soon asを使って、比較の概念と、原級によるいわゆる同等比較の整理をしています。
高2のライティングは、定義。
恒例の「動物園とサファリパーク」、「植物園と花屋」などのシリーズです。
進学クラス高1の多読は、「続けたら振り返る」ということで、読んだ文章の中から動詞の時制のバリエーションを抜き出す課題と、副詞節を導く接続詞を含む文を抜き出し、主節と従節の順序を確認する課題。ノートに集められた用例が充実していることを期待します。

さて、いよいよ国体。2007年に山口に来てからの日々を振り返り感傷に浸る暇もなく、事前の準備で大童です。今週も連日、放課後に会場まで高速を使って駆けつけ、リガーの取付やら乗艇指導やら。明日から公式配艇練習で本業に専念です。他の都道府県も続々と集まってきます。
更新はしばらく出来ませんので、「山口県英語教育フォーラム」の過去ログなど、検索してお楽しみ下さい。

本日のBGM: カーニバル (Bo Gumbos)