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インカレ、OX盾終了。
金曜日の敗者復活戦の終盤で雷雨となり、レーススケジュールがずれ込むなど、波乱を予感させる展開。土曜日の昼に戸田入り。旧交を温める余裕はあまりなく、山口県選手の参加する種目の視察。
下級生で上り調子の選手もいれば、上級生で苦戦を強いられている選手も。高校時代活躍し華々しい実績を残したにもかかわらず、伝統校ではなく、新興チームに進んで競技を続けている選手には、個人的に拍手を送りたいと思う。それぞれの所属チームでタイトルを目指している姿は、月並みで紋切り型の極みではあるが感動的。インカレは、インターハイと違い、地区の予選がないため、準決勝や、順位決定戦でさえ、1位と最下位のスピードの違い、タイム差が大きい。敗者復活戦であれば尚更。見るからにセッティング、リギングの問題で漕げていないクルーもある。努力を無駄にさせないためにも、自主性に任せるだけでなく、指導者の養成、正しい指導技術の普及・徹底といったことを大学チーム関係者は本気で考えるべきである。
結果を見れば、N大8+の前人未踏6連覇達成。W大4X+の10連覇を阻止したM大。OX盾のN社の安定感。というのが話題の中心かと思うのだが、印象に残ったのは、T国際大の活躍だった。選手層が確実に厚くなり、個々の選手の技術の精度も高い。チーム力の向上のためにスタッフ、選手がどれだけのエネルギーを注ぎ込んだか、想像に難くない。勉強させられました。W大の連覇は、母校G大に止めて欲しかったけれど、全てを受け入れて次のステージに向かって欲しいと思う。全日本選手権、そして山口国体で再会しましょう!
羽田で滑走路に障害物ということで、しばらく離陸を見合わせていたので、20分ほど遅れて山口着。
コーヒーを飲んで、新しい道路を運転し帰宅。
「学習英文法シンポジウム」は再来週となった。
引き続き、

  • 田中茂範、佐藤芳明、阿部一 『英語感覚が身につく実戦的指導 コアとチャンクの活用法』 (大修館書店、2006年)
  • 田中茂範、佐藤芳明 『レキシカルグラマーへの招待 新しい教育英文法の可能性』 (開拓社、2009年)
  • 阿部一、持田哲郎 『実践コミュニケーション英文法』 (松柏社、2005年)
  • 阿部一 『ダイナミック英文法 生きた英語を使いこなすコツと感覚』 (研究社、1998年)

を初読、再読。コアとチャンクの進化・発展・洗練を辿ってみる。
今回の往復の機内では、『リップヴァンウインクル』 の注釈を熟読し、『英文法の問題点』の記述を噛みしめていたので、今日の最後は松浪先生とキーン先生の言葉を引いて締めくくる。

Dennisはとても生まじめな男だと思う。彼は文学の教授である。その彼が近ごろでは、日本人の学生に英語で英文学を教えることが苦痛だという。むしろ英語を教える方が気が楽だという。日本人の学生が英語ができない、というよりも、英語のわかり方、あるいは感覚があやしいからであろう。従って、学生に英語で文学を教えるよりも、英語の表現とはこうしたものだということを解らせる方が先行しなければならない、と思っているのであろう。 (松浪有 「序に代えて」より抜粋)

I don’t like to think that language, in which all our sense of meaning is embodied, behaves in meaningless inexplicable ways. Also we do need short cuts for learning a foreign language. The trouble with ‘rules’ is that generally speaking their short cuts are too short, and instead of arriving at your destination you find that you don’t know where you are. (中略) It may be said that this is too difficult an idea for Japanese students, exhausted by entrance examinations and attendance at too many lectures. Well it is a difficult idea. But leaning English is difficult. What makes it more difficult is to pretend that it is easier than it is. One aim of my book is to show that English is difficult, so I have avoided any idea that learning English can be that common Japanese dream of ‘tanoshii eigo kaiwa’. (Dennis Keene, ‘Forward’ より抜粋)

本日のBGM: Leaders (The Rumours)