ねだめ

久しぶりに5時過ぎまで寝ました。
10時過ぎに布団に入ったので、約7時間。日曜日、月曜日の二日分を取り戻せたでしょうか。
出校して、高2の夏期課外の準備。
今日はガイダンス。『表現ノート』の実物のコピーを教室に。(過去ログのアーカイブはこちら→http://d.hatena.ne.jp/tmrowing/200407
以前、1999年から2000年くらいの教え子の残してくれたノートと、2006年くらいの教え子の残してくれたノートが対照的なものだったこともあって、サンプルとして教室に置いておいたので、それも併せて、実感をともなった理解を促す。
この課題は、名前こそ『表現ノート』になっていますが、これまでの自分の実践を振り返ると、英語が得意な者はもちろん、英語に苦手意識を持つ学習者が英語という「ことば」と向き合い、付き合う契機ともなっています。私自身がどうやって英語と付き合い、自分のことばにしてきたかを再確認するものでもあります。私が学習者として、学校の授業で小テストを繰り返しやったり、過去問演習をゴリゴリやったりして英語ができるようになったという記憶や実感がほとんどないんですよね。結局、英語をやったから英語ができるようになったんじゃないかと。単に運が良かっただけとも言えますが…。
以下指導手順。

1. 英文のネタを用意する。日本語の文章からスタートの場合は、「英訳」を準備する。
学級文庫にある、「対訳もの」 (宮沢賢治や古今東西の名作選などなど) でも、進学クラスで定期購読している『朝日ウィークリー』でも、その気になれば対訳ものはすぐに手に入ります。前任校では、『ひらがなタイムス』を授業で紹介したら、クラスの数人で共同購入して興味関心のあるところだけをコピーして使っている者もいました。とにかく、唯一のルールは「自分が本心から興味関心の持てるトピック、話題、人物、出来事を選ぶ」ということ。そこさえ満たされていれば、何を扱っても構わないことになっています。当然、話題が偏り、レベルが揃わず、語彙構文のコントロールができません。がしかし、これがマイナスだけに終わらないのが、この課題のいいところ。

2. テーマ関連語彙のグロサリーを作成する。ポイントは、コロケーション。「語彙的連結」と「文法的連結」の両方が扱う対象です。
そして、日本語の直訳では得られそうもない、「英語ならでは、の発想」に基づく表現を拾う。

3. 次に要約です。原則、英語で。テーマ関連語彙は「コロケーション」で整理したのですから、そのテーマで何かまとまった話をする際に必要となるのは、「一文を支配するという意味での文法の運用力」と「その前に述べた文に新たな文を繋いで話しを展開する力」と「脇道に逸れたり、不必要な繰り返しを入れずに、全体を一本の筋にまとめる力」ですね。前任校では、選択科目の頃でさえ、1クラス30人くらいいましたから、「ネタ」の記事そのものを全員分読んでいる時間はないから、と生徒に言って、「要約」をする言い訳を拵えていました。現任校は少人数クラスなので、全部読んでもいいのですが、「合評会」もありますからね。

4. 今までの勤務校では最後のステップだったのが、「コメント」。感想や意見です。単純な、「ねえねえ、みんな、聞いて聞いて!」というレベルからスタートして構いません。続けていくうちに必ずや、「なぜ私は、このネタを選んだのか?」「何が自分にとって避けて通ることのできないリアルなものとして響いたのか?」「このネタは私が扱わずんばなるまい!」という記述に変わっていくので。これは必ず英語で。ただ、英語が何を言っているかわからないと困るので、日本語による補足をしても可、としてあります。

5. 基本は4週間に一回など定期合評会での生徒間での共有です。提出後は、「グロサリー」「要約」と「コメント」を私が読み、疑問が生じれば、「ネタ」に戻って素材文の英語そのものを確認し、英語の訂正などのフィードバックを与えます。

6. 現任校で追加したステップは、 “Qs” つまり、「疑問」です。これは、読解の時点、グロサリーの時点、要約の時点、コメントの時点とこの課題をこなしていく中で、自分の中に浮かんだ疑問を、文字通り「提示」するもの。合評会で他の生徒とその疑問を共有した上で、もし何か回答が得られればラッキーという程度のものです。教える側との温度差を確認する局面とも言えるでしょう。

ということで、4週間後、夏休み明けの合評会を楽しみに待とうと思います。

課外終了後、昼食をとり本業で湖へと移動。
本業では選手に、

  • お昼ご飯がコンビニ弁当だけではいけない。

とアスリートとしてのトレーニング効果と栄養の重要性の話しをし、トレーニング後は20分から30分以内のグリコーゲン補給、食事まで時間が空くような状況下ではサプルメントも使うよう指導し、アンチドーピングについてもいろいろと対策を立てているのに、自分の昼食はしばしばカップ麺とコンビニのおにぎりになるのが悩ましいところ。

いつものように、坂の前の交差点で選手を降ろし、艇庫まで1km少々のランニング。艇庫についたらすぐにストレッチをして、出艇準備。梅雨明け後、一番の気温という予感があり、1Xはインターハイの予選スタートとほぼ同じ時間に、ペットボトル3個を積み出艇。水上でのアップ後、メインメニューは3分オン2分オフ3セットx2ラウンド。レースペース、レーススピードの維持と回復力が狙いです。ラウンド間の休憩を使って、フェザーターンの確認ドリルを片手漕ぎで。
満水となっているため直線で2km以上とれるのが幸いしてかろうじてメニューの狙い通りのトレーニングがこなせました。このメニューにも少し慣れてきた感じで、1セット目の終わりと、2セット目の中盤まではRPの維持もでき、いい感じが出てきました。最後はへろへろでしたけど。
ダウンは腕漕ぎとスクエアワークを混ぜて3km。ここで、目を離すと、振り出しに戻るので、カタマランをずっ〜とつけて細かなミスも観察しつづけ、修正の指示。
揚艇後、船台に戻る最後の片道の感触を確認。

  • そうだろ。その前とどっちがいいか自分でも分かるんだから、けり出しの最初からその動きができたら、メニュー全部がもっとよくできると思わないか?だったら、そういう高い意識で、そういう精度の高い練習をしよう。

ということで選手を駅まで送り、4時半に学校に帰ってきました。結局、腕漕ぎにしろ分漕にしろ、艇速の遅い状態での技練でできるだけでは全く不十分で、高強度UTからRP↑まで、どのメニューでも最大の加速を求めることが重要、という当たり前のことを再確認したモーションでした。英語の授業で言えば、語彙や文法のドリルと統合的なタスク、そして実際の運用のシミュレーションの関係を思い浮かべた次第です。
学校では、実習のガイダンスなどで乗艇できなかった1年生が体育館でエルゴ・体幹をしているはずなので様子見。
かなり漕げるようになってきたので、身体もあちこちが悲鳴を上げ始めました。ペアストレッチ、PNFなどで身体の反応を見て、疲労の蓄積した箇所のケア。女子は男子と筋量が違うので肩鎖関節の奥の胸部の筋肉がしこりになっているのに気がつかないことが多々あります。他者にさわられるとくすぐったいというだけでケアが行き届かないと、そのさらに奥の肋骨の一番上で疲労骨折も時折見られる箇所です。あとは、背中の真ん中、肩胛骨と背骨の間のハリと痛みは疲労骨折の予兆でもあるので敏感になっておく必要があります。
なんだかんだいって、結局6時過ぎに帰宅。
明日は生徒が終日実習のためオフ。沖縄行きの1Xは休んでいられないので、エルゴです。
私は午前中の課外指導が終わればようやく半日のオフ。週末の強化合宿に備えて充電します。
夕飯はたらこパスタ大盛り。
大変美味しゅうございました。
妻の帰省に備えて、妻が普段聴くCDからiPodに曲を同期させて就寝。

本日のBGM: ドヴォルザーク・チェロ協奏曲ロ短調作品104より第2楽章 (Yo-Yo Ma)