懸命

鳥取から帰還。
結果から言えば、無事では済みませんでした。
今回は、自チームの少年男子1Xもあり、成年チーム監督としての重責もありと大いなるプレッシャーの中、事前合宿がスタート。ふるさと選手は少ないモーションでも練習で徐々に調子を上げ、自チームの1Xはこれまでにない「絶好調」ともいえる動きと艇速で合宿を終えました。現地までの移動で一番心配された私の運転も、鳥取までの7時間を一人でこなし、公式配艇練習も、今回は規格艇の自艇参加なので、まずますの仕上がりを見せ、あとは本番を残すのみという準備段階でしたが、その当日のレースが大荒れ。いや、レース展開がということではなく、湖が。
前日の会議で、当日の荒天が予想されるため、レース開始を1時間半繰り上げ、レースNo.1 のスタートを7:30にするという大きな変更で臨んだのですが、レースNo.2の少年男子1Xで一番岸寄りのレーンを漕いでいた自チームの代表選手がスタート後200m位で沈。バランス感覚は県の選手のうちでも一番良く、オールが手から外れたくらいでは平気でもう一度ハンドルを取って漕ぎ出せる彼がなぜ?と問えば、風に煽られレーン外へ斜行、軌道修正、方向転換を図った時に、クラッチからオールが外れたとのこと。自チームでは必ず、離岸の前にクラッチを手で締めてから乗艇するので、クラッチのゲートピンが緩いということは考えにくいのだが、外れてしまったのだから確認が不十分だったのでしょう。私が船台で最終確認していれば済むことですから私のミスです。荒天で波が高いため、選手は救助艇で救出、艇も回収され、途中棄権となりました。この救助による中断から、さらに風が強くなり、スタート地点から300mあたりは波頭が高く、スタートにつけられる状態ではなくなり、撤収となりました。波をかぶり浸水する艇が続出、大会本部からの帰艇の指示も全艇に徹底しておらず、各県とも他種目の艇でレースアップをしていたクルーの中には、浸水がひどくなり転覆ではなく、そのまま沈没していくものもあり、救助艇で選手を救出し艇の回収。かくいう、本県も、少年女子4X+が沈。選手に怪我などなかったのは何よりでしたが、波がひどく艇の回収が大変でした。普通に考えれば「レース中止」なのですが、国体の代表決定があるので、この時点ではレース再開をどうするかの判断は示されていなかったため、とにかく回収してこよう、ということでレースに出場しないサポート陣数名を私が率いて、スタート地点までてくてくと。すでに揚艇されていた4X+を担いで陸路を1000m、リギング場まで帰ってきました。今でも肩に鬱血したアザができています。本県の艇は大きな損傷はなく、トップボールの交換とラダーの調整程度で済みましたが、他県の艇ではハルの破損もあったように聞いています。
大会本部で競漕委員会が緊急招集。非常に苦しい、厳しい決定がなされました。

  • 来週再レース。2回戦はなく、1レースのみで代表決定。

本県だけでなく、成年チームはいわゆる「ふるさと選手」を起用しているクルーがあります。私も含めて地元の選手や監督は7時間かけてまた車で移動すれば済みますが、ふるさと選手は、航空券の手配を急遽行う必要があります。社会人、実業団選手に再レースでさらに所属チームを離れて日程を空けてもらうのは理解とか協力ということだけでは済まないので、週明けに会社とチームに「無理なお願い」をしなければなりません。大学生だから簡単とか、教員だから簡単というわけではありませんが、社会人、実業団の選手はやはり背負っているものが違うのです。本県チームのコーチングスタッフも、そのような選手たちの「想い」に応えられるよう、来週に向け、最大限の努力でサポートしたいと思います。
ちなみに、再レースは、レースNo.3から、成年男子2Xの対抗戦は行わないことになりました。1Xのレースで沈をした自チームの高校生は、レース自体は成立、2回戦は行わないことが決定したので、その1本の着順で代表決定。本選出場はなくなりました。全国でも順位がつく可能性の高い、鳥取、広島の代表とどこまで戦えるかでインターハイも占えると思っていたので、大いなる落胆です。県の代表として、充分な成果をあげられず申し訳なく思っています。
という文字通り「波乱」を経て、雨の中、山口まで持って帰る艇とオールのトラックとバスへの積み込みをコーチングスタッフと高校生で行い、撤収。ふるさと選手は、鳥取空港からの便が満席でとれなかったため、米子空港から夜の便で帰ることになっていたので、スタッフの一人に車で米子まで送ってもらいました。有り難うございました。
私の車は高校生4人とスタッフの一人で帰路。約6時間で最後のSA、美東に着。ここで待ち合わせたバスに乗せ替え遠い方の湖へ帰ってもらいました。私は、美祢ICを降りたところから、猛ダッシュで、地元の水域へUターン。艇庫で1Xのローロックを付け替え、明日の放課後から乗艇練習が再開できるよう、リギングし直し。普段の艇のメンテナンスが不十分で100%満足ではないものの、なんとか高い強度でトレーニングできるレベルでは調整ができました。ここで日没ギリギリ。ふるさと選手も、飛行機に乗り込んだ頃でしょうか。
湖を後にして9時前にようやく帰宅。
自家製の梅酒がいい感じになってきたということで、シャワーを浴びてソーダ割りでお疲れ様。
早めに寝て、明け方に授業の準備をします。
本日のBGM: もういちど (junk fujiyama)