「ありがとうございました」

国体県予選並びに、県強化合宿終了。

大雨が心配された前日までの天気は一転。
雨が上がり、気温も上がり、蒸し暑いくらい。風も日曜の午後に少し出たくらいで、恵まれたレーンコンディションの中、充実したレースとトレーニングができました。今回は、成年のふるさと選手も招集してのクルーの最終選考です。クルー詳細は7月の中国ブロックで明らかになるでしょう。
レース・選考を終え、必要書類の確認の記入。これがなかなかに大変です。
今回も、国体の県合宿は、Oコーチの個別指導。
自チームの選手も、少年男子1Xで中国ブロックに臨むので、Oコーチにカタマランでつけてもらいましたが、彼が指導されたのは、

  • 頭を真っ直ぐに。顎をあげるな。

という点のみ。彼の今の課題はテクニカルな部分ではないところなのですね。今回の県男子選手でもっとも非力でエルゴが回らない彼が、成年でもっともパワーのある選手に対して身体の使い方のお手本とされているところを見て、あらためてそう感じました。
2日間を通して、今回は私の本業の “Rowing” の神髄に触れることのできた瞬間が多々ありました。選手たちの良いパフォーマンス、劇的な変化・進化、ひたむきな努力など、このスポーツをやっていて良かったな、と思えるものを見せてもらいました。
今回得た、気づきのひとつは、

  • 骨盤ははじめから後ろに向けておきなさい。

これに関連して、「何かをしないように」というコーチや先輩からの「抑制する」指示や情報が、多くの「誤った反射」を生み、それが染みついているということを示すような選手の反応も実感しました。
もうひとつの気づきは、

  • フィニッシュで腿・腹・尻が締まっていれば重心は残っているから、リカバリーで起きあがる必要がない

というもの。これは、究極に的を射たテクニックの記述。神髄、核心を付いた技術とも言えるので、「的肉」とでも名付けようかな。

最後のモーションでは、自チームの1Xには、高強度UTで18kmを求めて、誰よりも先に岸を蹴らせました。頑張ってよく漕いだと思います。あれこれ細かいことを考えるより、背中を思い切りトップキャンバスに叩きつけるべく骨盤を振り切り、殿筋を締め、腹を締め、加速しながらリリースするつもりで長い距離を高い強度で漕ぎ続けるうちに、フィニッシュでのグリップの位置が適正なところに落ち着いて来るのがよく分かるモーションでした。
揚艇後、バッチリ決まったセッティングをそのまま残して撤収の積もりだったので、工具箱を車から降ろさずに今日の練習を始めたはずなのですが、習慣とは恐ろしいもの、選手は他校の選手に工具を借りて、ローロックも、リガーも全部外してくれていました。脱力。怒る気力も湧きませんでした。ピンの内外傾など完全復旧は諦めて、再度ネジ止めだけして今日は終了。また次回に一からリギングするのは私なんですけど…。気を取り直して、バナナを与え、クーラーバッグに保冷剤として入れてあった、板氷をアイシング用に細かく割り、たすき掛けでメンテナンス。
選手を自宅近くで降ろして、雨がしとしと降る中、帰路につく。
妻と娘に挨拶、レースと合宿の報告。娘はレースって分かってるんだか。
今日は川の字で就寝です。

本日のBGM: おなじ話し (ハンバート ハンバート)