空回りする僕の舌

tmrowing2010-06-01

授業は、高3、高2、高3の3コマ連続。
高3の一コマ目は、『L&R』の対面リピートから。オンライン処理を意識して、チャンク毎に。できるだけ長いチャンクで保持させるよう、ペアで工夫をすることが大切。残り時間を見計らって、『Upgrade』の比較の範囲の演習。4択は1問15秒ペースを要求。
高2は定義活動の佳境。お互いの定義を摺り合わせているはずなのに、「水族館」の出来が今2つくらいだったので、「学級文庫」にある、学研の図解で示す『アンカー』の大辞典の解説を読み上げさせ、LDOCE にある動物園の定義を引き合いに出して “public” という形容詞と “the public” という名詞を指摘してから、定義のカスタマイズ。それを踏まえて、「サファリパーク」の肝へ。“an enclosed area of land” などというフレーズは、辞書の定義を引き写せば造作もないのだけれど、“Enclosed by what?” とさらに問うて、自分の思考がそこに関わっているかを確認させる。『グラセン和英』で「放し飼い」を引かせ、その対応する英語の “pasture” や “grazing” をさらに「学級文庫」の英英辞典で調べるという、「学習ストラテジー」を示唆。というようなまどろっこしい展開です。私も含め、まだまだお互いの思惑が噛み合っていませんね。
高3の2コマ目は、比較の肝である、日本語との相違点。受験演習で問題を解くことに躍起になると構文とか、慣用表現とか、どんどん覚える事項が増えて、棒暗記になり英語のセンスが欠落していくのを防ぐのが狙い。日本語の「より」と英語の「比較級」は対応していないという話しから。浅田舞・真央姉妹と高橋大輔の身長を例にとり、日本語では「高い」という形容詞は比較級といえるような活用形を持たないことを指摘。英語の、原級・比較級・最上級という活用形との最大の際を解説。巷の教材にありがちな、3人の絵を描いて身長に言及し、(?) tall-taller-tallest などという破壊力のある説明に耳を貸してはいけないという助言から、実際に私が板書し、AさんからCさんまで、それぞれ165cm 、170cm、 180cmの図解。AとB、BとC、AとCそれぞれの比較で差を示す「物差しのby」を説明。それでも、当然、Aさんが the shortestでCさんが the tallestになります。とはいえ、これも母集団が決まっているから。その右側に210cmの巨人の絵を描いて、by far the tallestの解説に繋げました。
比較級では、比較は「相対的」なものだから、better といわれた時に、本当にgoodなものかどうかはわからない、という話し。例えば、交通事故で心肺停止の状態になった人が、ICUで意識不明の状態に移行しても、それはbetterなのだという実感を持てることが大切。これまた、まどろっこしさを感じながらの演習です。それを踏まえて、『綿貫本』から抜粋した問題演習を補足。入試問題への対応以上に、英語の力をつける良問と「肝」を捉えた絶妙な解説。絶版にするのが惜しい本ですね。

一息ついて、昼からは教務部長と2人で中学校へ。教頭先生、校長先生にご挨拶し暫し歓談。会場となる体育館には、中3の生徒に加えて、中2の生徒と、その保護者の方々と合わせて約100名。校舎からは、1年生なのでしょう、授業の終礼と思しき挨拶がしっかりと響いていました。私は特別進学コースの説明。与えられた時間は10分。進学実績の数値よりも、「一人ひとりの本物の学び」という点と、スタッフの素晴らしさ、入学選考での作問の配慮、そして募集定員の増加について話しをしてきました。生徒だけでなく、保護者の方も、顔が上がりこちらを見る目が変わるポイントがあるのですね。送迎のスクールバスがこの中学校の卒業生で満員になることを願っています。
学校に戻り、インターハイの申し込みの書類に目を通す。いろいろと複雑なのだなぁ。その前に、週末の中国大会があるので、それに向けて選手と1年生ひとりを連れて湖へ。快晴でコンディションに恵まれたのは良いのですが、気温は既に26℃を越えていました。
1Xの出艇を手伝ったあとで、1年生と2Xを出す。片手漕ぎのフェザーリングの技練に続いて約30分乗艇。揚艇後、カタマランに乗り換え。最後のスタ練だけしっかりと指導。広島で相まみえる選手たちの名前を挙げ、スタートで自分が求めるスピードとテンポ、リズムのイメージを鮮明にした上で、レストを挟んで5本+10本+10本を8セット。最後は良いスピードとリズムが出ましたが、とことん追い込むまでにはもう一歩でしたかね。
1年生を自宅近くまで送り、選手を駅まで送って、帰路。
遅めの夕食をとって早めに就寝。

本日のBGM: 午前3時のオプ (Flipper’s Guitar)