”with sounds of a thousand waves”

田邉先生のブログで、先生の投げかけた接尾辞・接頭辞、"-phil-"が扱われていて、紡がれる糸はPhiladelphia まで伸びていた。
Philadelphiaといえば、1993年の映画のタイトル、そしてその映画の舞台でもある。トム・ハンクスとデンゼル・ワシントン主演。この映画を見た私の個人的評価では、なんと言っても、ワシントンの印象の方が強かった。

  • Will you explain this to me like I'm a six-year-old, Mr. Wheeler, because I just don't get it.

と言う台詞は何度も繰り返し見て、重ねて喋る練習をしたり、音声を消して自分で喋ったりしたのを覚えている。6歳が、the age of reason と言っていたのは誰だったか。そうそう、この映画のテーマ曲 “Streets of Philadelphia” をBruce Springsteenがあの声で歌っている。Philadelphiaという言葉、この名前に込められた願いが漣のように響いてくる (この曲に関しては、過去ログでも一度扱った、http://d.hatena.ne.jp/tmrowing/20080220)
英語圏での実生活体験のない私にとっての「常時英心」とは、このような映画や音楽を自分で生き直すことであったのだなとあらためて思う、今日この頃である。
授業は、高3一コマのみ。
今は高2の教室に移された学級文庫で、十数冊の辞書を横断し、ホワイトボードに、no sooner than と unlessの用例を全て書き出しておくこと、と言う課題を出していたので、それを元に解説。no sooner thanに関しては、”He came sooner than I had expected.” を板書し、soonerはいったい何と何を「比較」しているのか、を問う。これなら生徒もすぐわかる。では、no soonerでは?

  • 公式に頼るのではなく、soonerという比較級は何と何を比較するものなのか、という「比較」の概念をしっかり確認したら、やはり、soonということばの肝を自分のものにすることだ。

と私が普段言っていることがようやく腑に落ちた模様。過去ログ (http://d.hatena.ne.jp/tmrowing/20080527, http://d.hatena.ne.jp/tmrowing/20080529) もよく読んでおくように指示。本当は、『英語青年』の阿部先生の記述がいいのだけれど、そのレベルまではまだまだ手が届かないのでね。as soon as の方が普段遣いには適していることも忘れずに指摘して、次へ。
unlessに関しては、「唯一の例外」を確認するために、日本語で文脈を作ることを示唆。
真ん中に、unless その左に、四角ととじかっこ、その右に四角ととじかっこを書いて、

  • 英語は日本では絶対に身に付かない、唯一の例外は、自ら学ぶ時。
  • 職場には絶対に電話してくるな、唯一の例外は、身内に不幸があった時。

などの、文脈を当てはめていく作業。迷ったら、ホワイトボードにあるお手本を参照。役に立ちますね。これで、20個も文脈を自作すれば、実感として「唯一の例外」がわかろうというもの。この活動は、以前、接続詞becauseの誤用を正すためによく使っていたのだが、as long as でも、even thoughでも英語の副詞節の語順と論理を練習するには適した活動だろうと思う。自分でも高3の受験演習で「今さら」感、というのは少しあったのだが、やはりHere & Nowで地に足の着いたことやらないとね。そう思わせてくれたのは、山岡大基先生のサイトで書評に上がっていた、

  • 前田和彦 『授業の「つかみ」は最初の5分 パートII 英文法編』 (燃焼社、2008年)

を読んだおかげ。買ったその日に一気に読了。自分が「ライティング」の実践でやってきたことの原点を振り返らせてくれました。でも居心地の良い原点で安心してはダメ。 自分のいるべき場所へと加速します。山岡先生、有り難うございました。

午後からはPTA総会。体育館が会場となるので、エルゴトレーニングができず、自主練で、40分〜60分のランニング。総会後、学級懇談の終わるのを待って、本業の選手たちの保護者の方々にもご挨拶。
その後、職員会議。職員室に戻ると、
『英語青年』の1964年3月号が届いていた。この号でのお目当ては、

  • 対談: 英作文の当面する問題 小沢準作・山田和男

山田先生のようなスタンスで英文修業に当たれたらなぁ。いやいや、仮定法ではいけませんね。襟を正します。

思いの外早く終わったので、商店街へ。Scotland Mart で裾上げしたパンツを受け取りオーナー夫妻と少しお話。宗川さんのオーダー会の盛況ぶりを聞く。次回も楽しみにしています。
いつものお店に寄って中古・新古のCDを購入。
帰宅すると、ヤフオクで落札した、

  • 岩田一男 『英作文の基本文型・新版』 (三省堂、1965年)

が届いていた。旺文社で古瀬氏との共著で出しているものと基本文・例文の比較ができればと思う。
夕飯は生姜を利かせたチャンポンともらいものの韓国海苔を活かしたじゃこ入りチャーハンでシンプルに。残り少なかった獺の祭りも終了。

明日は、放課後レース会場の湖へ。いよいよインターハイ予選の準備です。

本日のBGM: Seascape (Jenka)