In the back of my head?

週明け月曜日は0限出校。
高2のお膳立て企画である、暗誦チェックも今日で最後。
これからは、ひな鳥が口を開けて餌を待つのではない、自分のものとしての、自分が主体の、自分のための学びを進めて下さい。中間テストまで残り3週間=21日間=504時間。中学校レベルの例文が全部で700です。せっかく全例文を1秒で反応できるように身に着けてもらっても、出題は、英語 IIで100題、ライティングで100題、の計200題。2/7の割合でしかテストしてあげられません。申し訳なく思いますが、試験時間の制約もあるので、しかたありません。そうそう、ライティングでは、『日本語から考える…』も範囲です。
中間以降は、いよいよ高2レベルへのアクセスです。「教科書レベルの読み」と「短作文の実作」が中心の授業で、「文法」は基本的に『やれでき』を自分で進めていく中で、『フォレスト』を繙き、解決しない部分を授業で質問&解説ということになろうかと思います。学級文庫に収録の書籍でほとんどの疑問点は解消しますので私が出る幕はほとんどないでしょう。とりわけ、中学レベルから教師向けまで、いろいろ揃えてある、Q&A集を活用することから始めて下さい。
正規の授業そのものは、家庭訪問週間ということで、短縮授業に。終わるのが早い早い。
高3の『L&R』の暗誦は低調。合格者は一人。
ダメ出され組は、明日の朝、再チェックですが、これで、Level 1 の6ユニットが終わるので、3年生もここらでお膳立て終了でしょうか。ここまでの指導は、言ってみれば、跳び箱の助走のようなもので、実際に跳ぶのはこれからです。ただ、助走で充分に加速ができていなければ、高さへの力の変換はできないので、踏切のタイミングを気にしすぎることなく、まずは走りきることに集中することが生き延びることとイコールと言えるでしょうか。
高1のオーラルは、「今月の歌」。
これまた久々の、“Here comes the sun” です。ビートルズの曲ですから、カバーバージョンもたくさんありますが、今回準備したのは、オリジナルに加えて、Dan Fogelbergのライブバージョンと森高千里の96年のアルバム “TAIYO” から2通り。森高のは良い出来だと思います。この40年前の曲にインスパイアされた楽曲は本当に多いので、他にもメロディアスなベースラインが特徴なあれやこれやも紹介する予定。おっと、英語の授業であることを忘れてはいけませんね。今日は、計3回歌を聴き、聞き取りの際の「べし・べからず」集のような取り組みで終了です。「名詞は四角化で視覚化」に続いて、「名詞の三分類」を追加したのを忘れてはいけませんね。

放課後は、本業。近い方の湖へ。
月曜日は大学生が休みなので、長い水域を使い放題。
風がかなり強かったので、新人での乗艇は見合わせ、救命具を着せカタマランに代わる代わる載せて、乗艇練習の見学。後部座席で新人が見ていようがお構いなしで、指導はいつも通り。1時間ほどでうねりも収まり良いコンディションに。レースで露呈したテクニカルな課題を確認してダウン。フィニッシュでのボディの弱さ、頭の位置の不安定さが気になったので、揚艇後、エルゴに座らせ、ジムボールを背中と後頭部で押すエクササイズをやって本日終了。生徒を駅に送っているところで、ポツポツと降ってきました。レースを挟み4日間練習が続いたので明日は、one day off。新人の乗艇は水曜日放課後に。木曜日の祝日・GWスタートからは、遠い方の湖で熊本向けで4X+編成の予定。

昨日の続きで、半世紀以上前の『高校英語研究』から。
特集「受験生の答案の検討」 (pp.7-18)。副題には、

  • 最もむつかしいところはどこだったか、平素の勉強はこんなところに注意せよ

とある。教官が実名で書いている大学もあれば、匿名で書いている大学も。
京都大学は匿名。「読みの深さが足りない」と嘆く。
以下抜粋する。

  • 英作文が低調なのは毎年のことで驚くに足りないが、挿入問題がこんなに振わなかったのは意外で、高校生の英語力の欠陥にふれたような気がした。念のため原文を引用しよう。
  • Fill each blank with a suitable word chosen from the following adjectives: ugly even angry foolish cheerful negative mournful affirmative
  • Can animals ever learn to understand our human language? Most pet-lovers would answer unhesitatingly in the ( ). But usually a dog learns the tone of voice, not the actual words. If you say to a dog, in a ( ) voice: ‘I am going to beat you,’ he will wag his tail. If you tell him, in a ( ) tone: ‘I’ve got a bone for you,’ he will put his tail between his legs. But all the same, dogs can be trained to do things to words of command, and clever dogs will obey the commands when hey cannot see the person speaking, and when the commands are given in an ( ) tone of voice.
  • 与えられた8つの形容詞から4つをえらんで文の筋が通るように挿入すればいいわけで、甚だ簡単なように思われるが、満点を得たものは少なく零点のものが多数あった。確率でいけば、出たらめにハメても一つや二つのまぐれ当たりがありそうなものだが、全部外れるとは不思議なくらいである。これをみても挿入や選択の問題に宝くじ式確率をアテにしては駄目だということがわかる。/ こうした問題は、まず正確に話しの筋をつかまなければならない。
  • 一言でいえば読みの深さが足りないのである。英語と見ればすぐ和訳を考える translation万能の勉強法は反省しなければいけない。訳よりもまずじっくりと論旨を考え、完全に内容を読みとる練習が必要だ。それはこの種の挿入問題ばかりではない、I の全訳問題でも、内容理解の不十分さを示す訳語が多く見られた。

大阪大学は柴田徹士教授の筆によるもの (pp. 11- 12)。 これも抜粋。

  • 「受験英語」という特別の英語があるわけではない。今年の入試答案には、「受験英語」という幻想にとらわれたために起ったと思われる欠点が多かった。受験を意識しないで、実力をつけるためにする、まともな勉強が必要である。
  • まず最初に、「単語を訳語だけでおぼえるな」という教訓がある。
  • 次に、「知識は正確に」ということ。ウロオボエの知識では、害の方が多い。
  • 最後に、「全文の大意をつかむように努力せよ」ということ。(中略) 単語や成句の知識がいくらあっても、試験官は尊敬しない。原文の大意をどれだけつかんでいるか---それだけを知りたいのである。単語の訳語だけを並べるのは、ナンセンスである。このことは和文英訳についても同じように当てはまることである。

「情報開示」、などという概念が一般に浸透し、権利の行使も認められる分野・領域が増えている昨今、京都大学、大阪大学の入学試験英語問題の出題・採点に関して、この50年前のように大学側が自ら情報を公開してくれることを期待するものである。

本日のBGM: Open (Mike Scott)