金の井戸、銀の井戸

月曜日は、ぱっとしない天気。
それでも、1年生の授業も始まり、新鮮な雰囲気は出てきました。
午後からすでに雨交じりの空。しとしと降り出す中、放課後は湖へ。
アップを終え艇を出す頃には本降り。ゴアを二枚重ねでカタマランへ。
正味1時間。ミドル以降の加速維持とフィニッシュでのフェザー処理を徹底。いやぁ、これでもか、というくらいしつこくやりました。基本はSR22でとにかく最大スピード。ランを拾って、加速を継ぎ足すべし。
揚艇後、ストレッチもそこそこに、帰路。駅までの車中は選手が身体を冷やさないようにエアコンをマックスで。燃費が悪いのだなぁ、本当に。
駅で選手を降ろしてから、学校に戻り、学校週番。巡回して、施錠確認などなど。日誌を記入提出して帰宅。
夏の研修会で事務局とメールのやりとり。たまには、「リーディング」とかで呼んで欲しい気もするのだけれど、例によって「ライティング」関連です。日程次第ではなんとかできそうな感じ。仕事を頼まれているうちが花というのはよく分かるのだが、納得のいかない仕事を引き受けてもまた悔いを残すことになるのでね。5月くらいには告知できるのではないでしょうか。
秋の「山口県英語教育フォーラム」も今年で第3回。今年の千葉国体が終わる10月にならないと私の身動きがとれないので、日程も秋以降での開催となります。こちらも連休明けくらいに大枠はお知らせできるかと。

明けて、本日、火曜日の授業は、1,2,3限の3コマ。進学クラスの3年、2年、3年です。
高3は、『L&R デュアルトレーニング』で、手順通りに終わったLessonの暗誦チェックに向けての対面リピート。基本語の発音、アクセントで怪しい者がチラホラ。普通は音源を聞いた段階で、また少なくとも、チャンク訳を使っての頭出しトレーニングの時に、不明ならば確認しておくべきでしょう。呪文にしてはダメ。こちらの教材も、長沼先生からのメッセージの入ったメールを読み上げ、生徒の意識を喚起。
高2は、『コーパス口頭英作文』の新たな範囲の音読から。次回は、ここも含めて、計150例文からのチェックです。残り時間で、『日本語から考える…』から、「広がり」と「深み」を考えるヒントとなるように出席番号順に音読。先週末に柳瀬先生に送って頂いた、生徒用のハンドアウトを参照させ、各自の課題を考えてもらう。高2は0限で、暗誦の出直し組のチェックをしていましたから、トータルで、0,1,2,3限の4時間で本日の授業終了。ちょっと、早退したくなりました。でも放課後の本業まで、自分の研究活動に当てられる貴重な時間。そう考えると、結構、豊かな一日ですね。
このところ、ずっと「和文英訳」について考えているので、その延長線上での考察。さらには、静岡大の三浦孝先生から送って頂いた、現在進行中のプロジェクトに関わる資料に目を通す。議事録も確認。私は、賛助会員ということで、まだほとんど貢献できていないのだが、エポックな試みだけに、何とかお役に立ちたいと思う。

放課後の本業は、エルゴトレーニング。
週末にレースを控えた選手の方は、アップに続いて、start-spurtの練習。出力がmaxまで上がったところで、ダンパー全閉、ジャケットでさらに覆って、one shotのトレーニング。自分の体に信号をしっかりと送って、加速の感覚をしっかりと刷り込んでから、500mRP↑。課題を確認してダウンとストレッチ。ネコとライオン、V字腹筋で終了。
1年生の女子にエルゴ教室。筋は良いのではないでしょうか。「姿勢」を確認してエルゴメニューは終了。スタビライゼーションをいくつか。まずは私がお手本を見せ、実際にやってもらう。筋トレの前に、自重でも姿勢が維持できるようになることが先決。V字腹筋とトランクツイスト、ヒップレイズ (ペルビスリフト)。背筋では、ローマンベンチを使って鉛直に垂れたところから、水平になるまで上体を起こし、その際の殿筋の収縮をペアで確認させる。ゆるゆる、ふにゃふにゃではダメ。この競技で大事なのは、腹と尻だということを実感してもらう。残り時間で、ストレッチ。今日は、ネコとライオンを覚えて帰ってもらいました。

帰宅後は、高3の生徒に抜粋して紹介した、

  • 木田元 『闇屋になりそこねた哲学者』 (晶文社、2003年)

を再読。生徒には、語学学習や高等教育に臨む心構えのところだけを読んでもらったのだが、自分の興味関心はというと、「翻訳について」 (pp. 165-173)、「読書会のこと」 (pp.178-184) など。「読むこと」と向き合ってきた人の言葉には耳を傾ける価値がある。懐古に耽るのではなく、今を生きるための先哲の言葉を噛みしめる。
そればかりでは、気が重くなるので、息抜きに、

  • イビチャ・オシム 『考えよ!なぜ日本人はリスクを冒さないのか?』 (角川One テーマ21、2010年)

をパラパラと。原文は英語で書かれたのだろうか?それともドイツ語?翻訳者の名前はない。心配。案の定、イディオムと思しきところは直訳なのだろう、それ自体が「寓意」のようで意味がよく分からない。基本語と思しき語も文脈に応じたこなれた日本語にはなっていない。今や、雑誌の機能を担わされつつある新書に多くを求めるのは酷なのだろうと自分に言い聞かせる。それでも、面白い記述というか、ところどころで、エピソードから引き出される教訓・警句は感じられたのでよしとしよう。
ロナウド対安田のエピソード (pp.33-36) から、

  • これは推測にすぎないが、確かな推測である。この出来事は誰も完全無欠なスーパーマンとして崇拝してはならないことを物語っている。情報がありすぎるのはよくない。情報過多になると相手をあまりに過大評価して、それがやがて恐怖となり、自分自身への自信喪失につながる。自らを怖がってしまうのだ。/「まだ情報が足りない」「もっと情報を欲しい」と感じて、さらなる情報を求めて、お節介なことに自ら相手を巨大化してしまうのである。そして、次に、それほど重要ではない情報まで気にかけ始める。

中村と本田のエピソード (pp.132-135) から、

  • 古い井戸に水があるのに新しい井戸を掘るのはやめた方がいい。

私の井戸にはまだ水があるだろうか。

本日のBGM: Drops falling (Jenka)