春分

半日の休みは雷鳴に豪雨と暴風。一夜明けて、連休だったことに改めて気づく。
今日は午後から広島へ。
日本英語教育史学会の例会に参加。二年ぶりですかね。
広島駅を降りたら、物凄い人、人、人。って、いっても暴れている群衆じゃないですよ。カープの応援に行く人たちでしょうかね。
研究発表は二本。(概要はHISETのサイトをご覧下さい。→ http://hiset.jp/monthly.htm)

会場で事務局のS氏、会場校のU氏にご挨拶。敬愛するK氏と近況を少し。
私が座った席の丁度すぐ前の席が、ELECでもお世話になっているS先生だったので、ご挨拶。
発表の江利川先生に、ブログで紹介して頂いた御礼と参考書談義。
今回のどちらも「入試」というか「受験英語」というものの見直しという捉え方もできる。受験参考書の実物を拝見できたのは、本当に有り難かった。
私はこの学会の会員ではないのだが、この例会に参加すると、初心に返るというか、謙虚な気持ちになれる。英学200年の中での、自分の位置づけなど本当に小さなものであり、まだ何も知らないに等しいのだということを実感する。それと同時に、日本の英語教育の大いなる流れを受け継ぎ、次の世代へ手渡していくという仕事に、自分一人の存在は小さくはあるが、連なっているという自負も感じることができる。
今日、江利川先生が言っていた、

  • 生徒、受験生は指導要領に従って英語を学んでいるだけではない。日本にいて英語を学び英語を教えるということがどういうことなのか、今一度考えよう

という (ような) ことばに大きく頷いた。
広島駅までのバスの中で、T先生門下の大学院生の方といろいろな話し。
最後まで「熱」を感じる、いい例会だったのではないか、と思います。
今回は、本業の強化合宿直前という日程だったので、懇親会の参加を泣く泣く諦めました。きっと、私がこれを書いている今頃、楽しく杯を上げていることでしょう。
妻への土産に、「川通り餅」を買って、帰りの新幹線。
車中で、例会に行く前に立ち寄った古書店で仕入れた本に目を通す。

  • 巻下吉夫 『日本語から見た英語表現 英語述部の意味的考察を中心として』 (研究社出版、1984年)

今の私の関心のストライクゾーンのど真ん中にストレート!という感じでダイレクトに響くものであった。この春の間にどの程度消化吸収できるかわからないが、一皮剥けそうな予感はある。根拠はないのだけれどね…。
明日は、本業の強化合宿のために遠い方の湖へ。リギングをまずは徹底的に見直し、ベストのセッティングで力を出すことから。
以下、告知です。

週刊英日バイリンガルニュース、『朝日ウィークリー』の3月28日号 (「辞書特集」のようです) で、「和英辞典の活用」に関して、拙稿を寄せました。職場で購読されている方、お目通しいただけると喜びます。(新規購読ご希望の方は、こちらから→ https://33.asahi.com/apply/w/brandSelect.php?cmpncd=6a9941w&afltfg=1&sfg=0 、または、お住まいの近くのASAにお問い合わせを。)

「ライティング問題再現答案プロジェクト」に協力して頂ける方を募集しています。

これは、受験産業等、web上、商業誌上で示される速報的な大学入試ライティング問題の模範解答の不備を補うべく、「英語教室の教師と生徒に よる」、「英語教室の教師と生徒のために」企画された、「英語教室の教師と生徒のもの」、としての再現答案アーカイブの構築を目指すものです。当面は、高 等学校や予備校・塾に勤務する英語教師の方にご協力を呼びかけます。大まかな流れは以下のようになります。

• ご自身の受け持つ受験生に、実際に受験したライティング問題の再現答案を書いてもらう。

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• 再現答案アーカイブには氏名・イニシャル・出身校・担当教師などの個人情報に関わる情報は示さない。

• アーカイブは一定の手続きを経て、無料で誰もが閲覧でき、その後の指導や学習に利用することができるよう保存・管理・公開する。

将来的に、英文としての適否・評価・助言などを加えていくこともできるかとは思いますが、このアーカイブから、書籍化したり、商品化したりと いうことは一切考えておりません。母語話者に限らず、プロの英文ライターの方、日英語双方に堪能な方のご協力が得られればさらに心強いと考えております。

ご協力頂ける方、ご質問のある方、詳しく知りたい方は、左のアンテナの「プロフィール」から、メールでtmrowingまでお問い合わせ下さい。


本日のBGM: 春の予感 (南沙織)