Retrospection

土曜日は振り替え出校日。
テスト真っ只中なので、本業はお休み。
自分に関わる試験は終了。高1、高2の答案を受領。
出来具合以上に、伸び具合を見たいものです。

邪気にさらされたからではないだろうが、背中の違和感が大きくなってきたので、帰宅途中でマッサージに。担当は女性の方。足の冷えと足裏の固さを指摘される。今まで、調子が悪い時に自分で行ってきて、人にも勧めてきた「足湯」「脚湯」ができない影響がこれほど大きいとは思わなかった。左の肩胛骨周りはオイルマッサージで随分と改善。一枚剥がれた感じですかね。最後はちょっと寝てしまい、「自分のいびきで目が覚め」る、オバQ状態。ハーブティーをいただきながら、施術してのフィードバックを受ける。火傷の予後も、そろそろ、走れるようになってきたので、良い方向に向かっていきそうな予感はあります。切らしていたサプリメントを買って帰宅。毒素が出るのを待ちます。

ここで告知です。
昨年より明らかにしていた、「大学入試ライティング問題再現答案プロジェクト」に協力して下さる方を募集します。

これは、受験産業等、web上、商業誌上で示される速報的な大学入試ライティング問題の模範解答の不備を補うべく、「英語教室の教師と生徒による」、「英語教室の教師と生徒のために」企画された、「英語教室の教師と生徒のもの」、としての再現答案アーカイブの構築を目指すものです。当面は、高等学校や予備校・塾に勤務する英語教師の方にご協力を呼びかけます。大まかな流れは以下のようになります。

  • ご自身の受け持つ受験生に、実際に受験したライティング問題の再現答案を書いてもらう。
  • 再現答案のうち、合格者の答案を集めて、大学・学部ごとにアーカイブ化する。
  • 再現答案アーカイブには氏名・イニシャル・出身校・担当教師などの個人情報に関わる情報は示さない。
  • アーカイブは一定の手続きを経て、無料で誰もが閲覧でき、その後の指導や学習に利用することができるよう保存・管理・公開する。

将来的に、英文としての適否・評価・助言などを加えていくこともできるかとは思いますが、このアーカイブから、書籍化したり、商品化したりということは一切考えておりません。母語話者に限らず、プロの英文ライターの方、日英語双方に堪能な方のご協力が得られればさらに心強いと考えております。


ご質問のある方、さらには、趣旨に賛同しご協力いただける方は、tmrowingまでメールでご連絡をお願い致します。その際には、氏名・勤務校を合わせてお願い致します。ご面倒とは思いますが、過日このブログのコメント欄で「なりすまし」があったばかりで、まだ当事者からの本人への謝罪等解決には至っておりませんので、コメント欄ではなく、メールにて慎重に扱わせて頂きます。

先日のスピードスケートの清水選手引退に関わる記事がどの程度の扱いか気になって、職員室で朝日新聞を久しぶりに眺めてみたのだが、あまりの小ささにびっくり。例えば、競泳の北島康介選手が引退した時、これほどの扱いで終わるだろうか、と率直に思った。これでは、スポーツの南北問題ならぬ、冬夏問題だろう。
ついでに、バンクーバー五輪に関わる、朝日新聞の3月2日の特集ページを見ていたら、浅田真央選手のインタビューを坂上武司記者が構成し直したものが出ていた。その中で気になった部分を引く。

  • トリプルアクセルに関しては、もうすこしGOE (出来映えの評価) の加点があっても良かったのにな、と思いました。今の採点方式で一番気になるのは、GOEの基準です。どんなジャンプを跳んだらプラス3になるのか、プラス1になるのか。フィギュアはタイムがはっきりと出るものではなく、人が採点して決めるものなので、その基準がよくわからなくなる。日本に帰って、もう一度ジャッジの方々に聞いてみたいです。
  • 新採点方式になってから、ジャンプの難度という意味では一段一段落ちていると感じています。今季、プルシェンコ選手 (ロシア) が復帰してから、男子でまた4回転が見られるようになったのはいいことだと思っています。
  • 来期に向け、苦手なサルコーやルッツも少しずつ練習はしていきたい。今季は入れなかった2連続3回転も。次の五輪までにいろんなことに挑戦して、また試合でできるようになればいいなと思います。

朝日新聞で、長期にわたって浅田選手を取材、連載をしてきた一つの総括とも言える特集となっている。その点は高く評価したい。浅田選手も、五輪の結果をきちんと受け止め正直に話してくれたと思う。
では、なぜ浅田選手も含めてジャンプの難度は上げられなかったのか?浅田選手自身、ルッツだけではなく、連続の3回転はなぜ回避せざるを得なかったのか?それはDGやロングエッジなどジャッジの「基準」の揺れに翻弄されたからではなかったのか?
日本スケート連盟、とりわけフィギュアスケートの関係者は、五輪を戦った選手に、帰国後「ジャッジの方々に聞いてみたい」と言わせてしまってはダメだろう。それをも含めて事前に対策を立てて五輪にいくのが連盟など統括競技団体のトップのマネジメントであろう。日本からも五輪の舞台で活躍するジャッジがいるのであるから、五輪に臨む段階で摺り合わせが不足していたのではないか、ファンとしてはそう邪推したくなろうというものだ。
この特集の一番大きな見出しは「この涙 挑む力」。
次の見出しは「考えに『揺れ』出て / 最後の最後でミス / 準備してたのに」、そして「私生活充実させ / ヨナ選手に勝って / ソチで金メダルを」というもの。これがこの特集で読ませたいと準備された「物語」なのだろう。むーん。読み返しては、むーんサルト。

大新聞でなければ情報を多くの人に読んでもらえない時代の終わりはもうすぐそこまできているだろう。多くのマスメディア媒体がtwitterでの情報発信、リンクによる誘導を行っていることでもそれは明らかだ。
『Sprtiva』 (集英社) の3/25号を読む。特集で、浅田選手の五輪での写真 (pp. 8-13) は、郄須力氏によるもの。未公開写真として、これまでの足跡を辿るような構成で、フォートキシモト氏、中村博之氏のものが使われている。スポーツに限らず、映像は時として、というよりしばしばキャプションよりも雄弁である。(詳しくは、今橋映子 『フォト・リテラシー 報道写真と読む倫理』 (中公新書、2008年) 、阿部公彦 「即興と額縁」、(高橋康也編 『声と身体の場所』 岩波書店、2002年、収録) などを参照されたし。)
その意味では、p. 21 の写真で切り取られた瞬間の、両拳を突き上げるキム・ヨナ選手の「身体」が彼女の滑走時の「身体」とどのように異なるのか、誰かに触れて欲しかった気がする。あの時、それまで彼女が演技では見せたことのない「身体」が現れたように思うからだ。身体論ということであれば、三浦雅士氏や島崎徹氏あたりのコメントを是非とも聞いてみたいものだ。
さて、雑誌で時間をかけ、テーマを絞り込んで書かれたコラムは署名つき。
スポーツを愛する者として、こういうコラムを読む中から、自分で信頼のおける書き手を見つけ、そして読者の一人として、新たな「コラム」「記事」「雑誌」を買い、支えていくことが必要である。コマーシャリズムとか新自由主義的資本主義とか、ラベルを貼ってしたり顔で現状を肯定し、追従し、後出しじゃんけんで理屈をつけるのはもう止めにしたい。
「寄らば大樹…」で陰から声を上げるとか、「虎の威を借る」某のように、安全な処に身を置いたのでは、聞く人の心はおろか耳にも、そのことばは響かないだろう。自分の目で見て、自前の考察で、自らがケツを拭ける「発信」のできる人が正当に評価され、そしてその人の発する情報も高く評価されていく時代の到来を待ちたいと思う。

O先生から、授業参観のコメントをメールでいただきました。授業では、無理を言って欠席者の代わりに、グループ活動に参加していただいたので、通常の参観とはまた違った印象を受けたかと思います。紋切り型の言い方ですが、忌憚のない意見が大事です。甘言ではなく諫言。お互いにダメ出しができないような内輪の馴れ合いではなく、切磋琢磨に繋がれば本望。
久保野雅史先生の特別講義と久保野りえ先生の「第2回山口県英語教育フォーラム」での講演とをHDDに取り込みDVD作成の準備。まずはご両人に送り、自己評価をフィードバックしてもらえたら喜びます。
それを受けて、次のステップは校内の「長州英語指導研究会」会員で研修ですかね。今回の私の授業や久保野先生の授業は、一般公開する余裕はありませんでしたが、現任校の非常勤の先生にも見てもらえたことには意義がありました。私も非常勤をやっていましたからわかります。自分の授業ではない以上、そのコマ1時間分のペイは出ないのですから。それにもかかわらず足を運んでくれた方々に本当に感謝します。その思いを無駄にしないるためにも、新年度に向け、自分の授業の質を高めるだけでなく、同僚との実践の共有をこれまで以上にしっかりと行います。
日曜日は寒の戻り。家で採点。
高1、高2あわせて4種類のgradingは全て終了。残すは、scoring。得点への換算です。
これでようやく、本が読める。
まずは、自前の考察を揺すぶり覚ますために、

  • Generalized Phrase Structure Grammar (1985)

の読み直し。Gazdarの講演を聞いてからもう、25年経つのだなぁ。梶田先生や郡司先生の切れ味鋭い質問が思い出される。自分もそのあたりの年齢にとうに達しているのだから、ちゃんと考えないと。
『英語青年』の百周年記念号を読み返す。
月末の旧友との再会に備えて、良い酒を注文。

本日のBGM: Things to try (Terry Reid)