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高2授業は、高3に向けての意識付けの講話から。
本題は関係副詞、前置詞+関係代名詞の活用として課題で与えていた、「図書館」の定義から、「本屋と図書館の違い」へ。まずは、自分で考えてから、学級文庫の英英辞典 (Oxford Wordpower, COBUILD, LDOCEなどなど) を横断的に見て、覚えられるものは覚えて、気の利いた者はアレンジして、自己修正。「図書館」を定義するのに、前置詞句を活用しようにも、”a building with a lot of books in it” では目的や機能が充分に表せないし、分詞で乗り切ろうとしても、”a building collecting …” では可笑しくて、せめて “a building containing …” と動詞の選択ができるくらいの語彙力がないと難しい。結局、関係詞を用いることで、その関係詞節中で主語+動詞を自由に扱えることの利点を充分に感じることが大切。このように、「この語を定義するには、関係副詞の whereを使う必要がありそうだな」という語を思いつけば、今時の英英辞典なら、高校生レベルの簡単な語彙で記述してくれるもの。
その後、「動物園と水族館の違い」、「動物園とサファリパークの違い」を経て、「花屋と植物園の違い」というパラレルなところに落としどころを作って終了。関係詞節中に出てくる名詞をさらに関係代名詞で補足すると冗長だったり語句のまとまりが曖昧になったりすることがあるので、トレーニングには丁度良いのではないかと。
「図書館」で “ a building where books are kept” 、「本屋」で “ a shop where books are sold” という最低限の型を覚えていれば、「動物園」では、 “an area where animals are kept” という骨子まではできるもの。問題は、そこからの肉付け。
「図書館」でCOBUILDの定義にあった、

  • a building where things such as books, newspapers, videos, and music are kept for people to read, use, or borrow

という具体例の示し方を応用して、「どんな動物か?」と自問自答し、”such as …” で具体例を列挙してみよう、という方向性は良いと思うが、動物園にいる動物の種は多すぎて端的な例示とはなりにくい。関係詞を使うのであれば、

  • animals which you will not usually see in your neighborhood [country]
  • such animals as you will not see in your neighborhood [country]

とか、

  • animals which you can hardly keep at home
  • such animals as you can hardly keep at home

など、否定の裏返しで絞り込むのも一つの手。そうやって脳みそで汗をかいてから、辞書の定義を見るからこそ、「気づき」があるのだろうと思う。以下、プロのお手並み拝見。

  • a large place where many types of wild animals are kept, usually in cages, so that people can see them (MED)
  • an area in which animals, especially wild animals, are kept so that people can go and look at them, or study them (Cambridge)
  • a place, usually in a city, where animals of many kinds are kept so that people can go to look at them (LDOCE)
  • a place where many kinds of wild animals are kept for the public to see and where they are studied, bred and protected (OALD)

関係副詞の部分は、自分たちで考えたものの方が当然、より具体的になるもの。本当に参考になるのは、so that … can や for … to … での用途・目的の記述部分。その日の学び、その日のうちに。
残り時間で、『少年探偵百科事典ブラウン』の課題の担当決めの democratic negotiation。往復で9時間もある、修学旅行の新幹線の中でしっかりと読んできて下さい。

高1は、教科書のレッスンに戻り、担当者決めと担当者会議。基本は私のこれまでのワークシートの構成に従って、

  1. Phrase reading (チャンクにわけた読み)
  2. Words & phrases (新出・既出にかかわらず理解に支障を来す可能性のある語句の確認)
  3. Tips for your study (文法事項・構文・表現・情報構造や論理構成などターゲットとなる学習事項)
  4. Read faster & better (べた打ちの状態でメモや書き込みの手助けなしでの読み)
  5. Questioning / Summary (内容理解確認のための英問、または、内容のまとめ・要約)
  6. Reflection (自分の取り組みを振り返って)

となっているので、各担当は、2, 3, 5で自分たち以外の他の生徒に向けて解説・プレゼンをし、活動を促したり、コントロールしたりするわけである。当然、音読指導もあるのでその練習もしっかりやっておく必要があるし、英問英答や要約文も予め作成しておく必要がある。ということで、ワークシートの裏面には、私がお膳立てして「チャンク毎に区切って、合いの手も入っている和訳」と「べた打ちでの和訳」の2段階を用意。教科書朗読の音源も全員が持ち下準備。思い起こせば、10年以上前の公立校勤務時代にはグループ毎にマイクロティーチングをさせたり、同じパートを2つのグループのコンペでディスカッション中心の授業をさせて、残りのグループにジャッジをさせる、というような授業をしていたことがあるが、そのレベルまではまだまだまだ届かないので、まずは地を這うところから加速できるところまで。今週残り3コマで準備完了。来週が各担当による解説・プレゼン。私は授業時のCD音出し担当です。

  • 速川和男 『にがてな英作文がメキメキ上達する 英訳したくなる日本語』 (日本英語教育協会、1985年)

を入手。ちょっと古い本だが、ラジオ 『百万人の英語』や雑誌『イングリッシュ・コンパニオン』で慣れ親しんだ速川氏の口調を懐かしく読み進めた。
帰宅して、『英語教育』 (大修館書店) 3月号を読む。むーん。来月号の特集は「発問」とか。さらに、むーん。
『週刊読書人』 2月19日号も読む。こちらを読んでいる方が楽しくては困るのだがなぁ…。
対談は、立松和平・黒古一夫 「書くことは生きること」。タイトルにちょっとどきっとした。これは、『立松和平全小説』(勉誠出版) 刊行にあたってのもの。

  • 結局共通して言えるのは、立松さんの小説にはほとんどインテリが出てこない。

という黒古氏の指摘が面白いと思った。他には、

  • 書き続けて確かに上手くなったのかもしれないけど、そのために捨てたものがたくさんあるなという感覚です。この時は誰に頼まれた訳でもなく書いているから、下手なりに一所懸命だし必然性があったわけです。

という行で、立松氏の声が熱を帯びたかのように感じた。

私の必然性は今、どこに?

バンクーバーでは、日本のスピードスケート陣が銀・銅のメダル獲得。
フィギュアのペアはフリー。2位になった中国のペアの演技が世界最高得点。やはりスケートは、滑ってなんぼの競技であることを実感。ただ、優勝したペアのSPといい、5 componentsの得点が相当高く出ているような印象を受けた。
明日は、男子フィギュアのSP。某局の男性アナは、「4回転での争いが必至」というようなことを言っていたが、各要素で得点を確保した上で、いかに最後までミスなく滑りきるか、トータルパッケージで捉えられた選手が上位に残るのではないだろうか。今日、ロシア代表ペアのKawaguchi選手が言っていたが、「クリーンに」滑りきることが前提条件なのだ。その意味で、SPから玉砕覚悟、一か八か、というようなメンタリティーでは心許ない。

本日のBGM: Two Vibrations (Original Love)