Horses of different colors

本業の週末再び。
2月期の強化合宿終了。
土曜日は午前の6km TTの後、雪交じりだったが、なんとか天気は持ちこたえてくれた。
日曜は放射冷却で車のフロントも、車内に残したペットボトルの中の水も凍っていたが、日中は陽射しに恵まれ、良いコンディションでトレーニングができた。
土曜日のTTは、1000mゴール付近のターンするブイを間違え、人より多く漕いだから、と言い訳をして最下位に。セッティングもバッチリと合い、万全の準備で臨んだだけに許し難いミス。その後のトレーニングメニューがきつくなったのは言わずもがな。
トレーニングの焦点は、艇速を感じて、ドライブとリカバリーのリズムを同調させること。
映像で世界チャンピオンの静かで強い漕ぎを見て学ぶ。
どこかにアクセントがあると、漕手本人はリズムが取りやすいと思っていても、艇がどこかで停滞し、急激な加速を与えられることになり、結果として摩擦抵抗がより大きくなり、スピードには乗れないという皮肉な結果となる。さんざん言い古されているが、まず腕肩リラックスでぶらさがり、「引いてきたスピードでハンズアウェイ」ということ。ハンズがラッシュして、艇速を追い越してしまえば、リカバリーでシートがトップに来るまでの時間を持て余してしまい、エントリー周りに歪みを生むことになる。艇速に合わせて、焦らずに、ゆったりとしたリズムでハンズを出し、スライドにブレーキをかけずに、流れに乗せてリカバリー。リズムやテンポを変えるには、大げさに、今までの自分が体験したことがない方向に一回振れないと上手くいかないもの。
大学チームの1年生はナチュラルでスムーズに漕げていたように思う。他のクルーでは、男子の2Xが元気があって良かった。
もうすぐ関東で大学生になる男子選手は、高校の女子選手のトレーニングのために2Xで整調。女子もうまく反応していた。今回この2人が一番距離を漕いでいたのではないだろうか。
日曜日の午後で合宿最後のモーション。自チームの選手はようやく、このセッティングで力が出るようになったのだろう、かなり高い強度で漕ぎ続けていた。この出力を普段の練習でも持続することが肝。

さて、
合宿中に新たに、とある英語教育関連のメーリングリストの一員に加えて頂き、そのご挨拶。『英文版・高ため三部作』の発想・趣旨に近いものを感じて、賛助会員での参加の許可をお願いしたところ、快く認めて頂いた。深謝。

私の考えている『英文版・高ため三部作』に関してははこちらのエントリーを参照されたし。→ http://d.hatena.ne.jp/tmrowing/20080627


週明け、月曜は高2の0限から。
週末の、「名詞句の限定表現変換養成ギプス」の確認をして、次のステージへ進む予定。
今週で、『百科事典少年探偵』の課題の第2ラウンドなので、ブックレビューに少し朱を入れる。まだまだ、「コロケーション」の抜きだし、英語「ならでは」の発想、というところに反応するアンテナの感度が弱く、チープな教科書ガイドのさらに劣化コピーのようなコメントを書き出す者がチラホラ。
語彙力がまだまだ弱く、文法も柱が細い、という段階でも「良いこと言ってるなと実感できる、良いことばとしての英語表現」へのアクセスをどう実現するか、昔の英語教育ではよく、

  • preなんとか、whileなんとか、postなんとか

というプロセスに分けて授業展開を詳述するのが好きだったように思うのだが、ほとんどの高校生は、

  • pre語彙・文法確立、while語彙・文法確立、post語彙・文法確立

という発達段階のうち、第1段階と第2段階までを右往左往しているのが現状ではないかと思う。どちらにしても、while-で何をやっているのかが「黒箱」であるところはよく似ている。シラバスとは名ばかりの「目次的」指導に、学習者はよく分からず、目を白黒、ということにも…。聞くこと、話すこと、読むこと、書くことを充実させることで、語彙や文法の必要性をより強く感じて、次の学習に取り組む士気を高め、確かな語彙と文法が身に付くまでのトレーニングが持続するというアプローチが、文法問題集の周回トラックに優る日が来るのかどうか。進学校・受験校でない高校での実践から学ぶべきはそのあたりの「黒箱」の中を生きるスキルではないかと思う。湖のような大量の水を前に、その水を飲み干すことを躊躇する者には、舟を与えて、漕ぐことで水を知らしめることもできよう。もっとも、そういう教師とはウマが合わないと言われてしまえばそれまでだが…。

予餞会の自分の担当を確認し、少しだけメンタルリハーサル。
流石に疲れたので、今日は早く休みます。
本日のBGM: Black & White World (demo version) / Elvis Costello & The Attractions