Let them all rip.

如月といえばハニー。
如月は本来、寒さが増して、重ね着をする月なのに、脱いでしまうところが永井豪の業。
月曜日は冷たい雨。体調に比例し、授業も低調。継続して『王冠』からの展開。重要例文としてあげられている表現を一部身近なものに置き換えて、自分で英文を拵える作業。その後、完全にオリジナルな one sentence の産出まで引き上げることができれば言うことはないのだが、そこまでは現時点では無理。
ようやく帰りがけに小やみにはなったのだが、気圧が低下したためか左踝の火傷が終日ずきずきと痛みを訴えていた。早2ヵ月を過ぎた。今週くらいでもう皮膚科通いも最後にして、全快といきたいものだ。

火曜日の高2は、『ルール48』で扱われている項目から、同格のthat節を取りうる名詞か否かの識別を求める和文英訳をなぞる。金子氏の言葉を反芻する日。名詞 of –ingの活用はもちろん、その前のセクションで練習済みの項目が極めて上手く取り込まれており、汎用性の高い問題が使われていることを実感。とはいえ、問題を解くことや正答を得ることが学習の目的ではなく、解答や解説も含め、正しい英語が目の前にあるところから自分に何ができるのかを問うことから自分の学習が始まるのだ、と繰り返し刷り込み、刷り込み。
この後、長文まで行かない中文レベルでの「精読」素材を課して、日本語を活用した読解に進む予定。来週以降は『少年探偵百科事典ブラウン』のレビューに従って新たな2冊を選択読解する課題に入って、修学旅行に行くことになるでしょう。新幹線の車中では、担任の先生が『P単』のテストをしてくれるらしいので、頑張ってきて下さい。

高1の授業は、『王冠』の続き。
単文の処理とはいえ、読解の基本は作文と裏表。主語の選択から動詞の決定、「どどいつ」まで、語順に従ってthink aloud で解説し、追体験させるようなまどろっこしい展開。形容詞として働く名詞、副詞として働く名詞の例をいくつか観察。日本語との比較で、today, tomorrowとyesterday。

  • He died a year before his father.

という例文を軸足に、前後に拡張し、beforeの品詞の転換に伴う省略まで扱い、最後にはthese days とin those daysから、this week, last week, next yearなどでの前置詞に言及しておいた。指導がちょっと過保護だったな。次回は、「名詞は四角化で視覚化」の適用を惑わせる、下位ルールとしての「不定詞」と「動名詞」の整理。その後、教科書の読解に戻ります。

広島のU先生から、山口県の英語教育に関わる資料を送って頂く。深謝。私自身は、学会に何の貢献もできていないのですが、先達の足跡を確かめ、自分の研鑽に励もうと思います。

昼に、出版社の営業の方が来て、商談ならぬ談笑。
新年度の副教材のさらに補助教材の採択に向けて、最後のプッシュ、というのが普通の営業なのだろうが、私の担当するクラスの辞書は既に決まっていることがわかっているので、今更売り込む余地もなし。
私が三省堂の『大世紀英和』に関わっていたこともご存じなので、気にしてくれたのだろう、

  • センター試験の発音・アクセント問題で、『リスニングの極意』にある単語が出てましたね!

と言われて初めて気づいた。第2版の特集で扱った「カタカナ語」の見直しというのは、もうリスニング指導の常識の範疇でしょうから、出た・出ないで騒ぐことでもなし。正しい発音で英語として定着させることの方が余程大変です (同様の切り口で、『A王冠英和』の学習ページでも書きました)。ただ、『大世紀・改訂3版』では、この特集がなくなってしまって残念は残念です。『新世紀』時代から、十数年、いろいろな形でずーーっと関わってきて、今回初めて私はノータッチとなったのですから。よりよい辞書として今後も多くの英語学習者をサポートして欲しいと願うのみ。

先日、高校の先生から、授業での教材の扱いと生徒に求める予習の内容に関する問い合わせのメールをいただいたのだが、「自分の目の前の生徒を一番よく教えられるのは、その教室の教師である、あなたである」ということを忘れてはならないだろう。失敗したら、やり直すまで。生徒に説く、「思い切り間違えたら、思い切り学ぶのだ」ということを教師もまた覚悟して臨むしかないでしょう。万人に向く方法を求め始めると結局、最大公約数となってしまいますから。
辞書以外の新年度の副教材やテキストは見直しの時期。
入学時に購入させている『フォレスト』に代表される総合本は、営業が全く回ってこない某出版社に見本請求。今週中くらいに最終判断。
高2の「リーディング」と、ついにこの学年からカリキュラムに入った「ライティング」の橋渡しで、dictogloss用に、桐原書店の『Sonic Reading Stage 0』を考えています。教科書販売時に、CDしかもらえなかったらちょっと不安になるかも知れませんが。最後の最後でようやく、「ライティング」という科目を導入できたので、この現行課程が終わっても、「英語表現」には移行せず、学校設定科目で「ライティング」という科目は残そうというのが私案です。
高3の読解では、センター試験レベルに不安を持つ者を想定して、いいずな書店の『Change the World』を選定。難しい英文は、学級文庫にある学参やTEDのサイトを活用してもらって、難関大を受ける少数には自分のデータベースから適宜出力して課題学習の予定です。国体が終わったら、『英文版・高ため3部作』作成に着手しようと思います。

薬局で火傷で張り替える「高吸収ワンタッチパッド」を買って帰宅。サイズが小さくなったので治って来てはいるのだな、と自分を納得させる。
夕飯は大根と阿東牛。
ちょっとだけ良い酒で晩酌。

本日の晩酌: 獺祭・純米大吟醸・磨き三割九分・おりがらみ (山口県)
本日のBGM: Skin Deep (Nick Lowe)