♪たとえ嵐でも、くちびるに歌を♪

tmrowing2009-07-22

雨上がりの朝。
川面には厚化粧のように靄がかかり、濁流の吐息だけが耳に届いた。
ランニングがてら覗きに行くと、堰も姿を現しており、平和の訪れを記すかのよう。安堵。

何も無かったかのように、いつも通りの時間に出校。
ただ、交通規制があちこちであるようで、細道からの合流の度に渋滞。所要時間おおよそ50分。
今日は、昨日中止となった夏期課外補習のスタート。月末のYゼミのマーク模試の受験票も配布。終業式に生徒が提出していた、「夏休みの取り組み計画表」に朱を入れる。この時期に『赤本』とか『過去問』とか言っている場合じゃない人がほとんど。授業でやったことを100%身に着けられていない自己の評価をまずきちんと為すべし。
午後は「就職・進路日直」。三学年担任団の輪番です。交通網が乱れているせいだろう、求人票も届かなかったし、ゴドーも含めて誰も一度も訪ねてこなかった。

と思っていたら、進路主任が情報商業科の生徒をつれて相談に来た。

  • 日商簿記1級を取ったので、推薦で大学受験を考えたい。ついては、今まであまり力を入れてこなかった英語が選考にあるので何とかしたい。今から何をどうすればいいだろうか?

ということで、志望校の推薦の過去問冊子も持参の上アドバイスを請われては、私の全力を出さないわけにはいかないでしょう。
まず、『やれでき』のネット書店Aでの記述を紹介して、著者の福田哲哉先生は学会で英語による発表を続けつつ、某予備校の東大コースを担当するくらいに生徒を引っ張っていける素晴らしい英語教師でありながら、この参考書では、ハッタリをかましたり、ギミックに逃げることなく基礎からの積み上げ・発展を披露していることの持つ意味を知らしめる。その後、具体的な指針を。

  • 2週間で一冊終えて、現時点での「英語の仕組み」をどの程度自分がわかっていて、どの分野の知識・理解が欠落しているのか見取り図を作ること。
  • その後の2週間では、弱点分野に集中的・徹底的に取り組み、8月中に文法の基礎を作る。
  • 9月には、英文を読みながら、語彙の徹底を図る段階に入るので、『やれでき』をやっている段階でも怪しい語句が出てきたら辞書を引き、辞書の方に日付を書き込んでおく。今後、繰り返し遭遇する語句は、この書き込みを見たときに、「この間引いたヤツだよ」と気付くか、辞書を引く前に書き込みを思い出して、意味が浮かんでくるか、といった遅々としてはいるが確実な発達段階を辿れる下準備をする。

2学期に入って読解に移行する段階では、授業とのギャップがかなりあるので、三友社の『英語長文読解ポイント15 標準コース』 (安藤富雄編著) あたりから入ろうかと思っている。先日、三友社に問い合わせて確認したのだが、CDやカセット音源がないのが自学自習教材にできない最大のネックなのだな。もっとも教室に限って言うなら私が自分で読めばいいわけだから、生徒用にも自分で吹き込めばいいだけなんだけどね。

この生徒のように、必ずしも進学に対して恵まれた環境にいるわけではない生徒の中に、進学コースに在籍している生徒よりも、自分の進路実現に対して真っ直ぐで、貪欲な生徒がいることをよく理解しておかねばならない。

今回の豪雨による災害では、幾人かの方々からお見舞いの言葉を頂いた。深謝。

本日のBGM: だいじょうぶ (長いお別れ Special Edition) / 柳原陽一郎