梅雨の晴れ間。快晴なり。
高2は生徒が書き出した動名詞慣用表現の例文をもとにホワイトボード上で指導。
例文を自分が生き直すことの意味を問う。
- It is no use writing to him.
での「彼」はどんな人なのか、という問いでの最初のレスポンスが、
- 人間的にどうかな?という人
という極めて漠然とした答えだったので、思考が漠然としないよう具体的に、2種類の可能性を答えよとさらに問いかけ、ようやく「手紙を読まない人」「返事を書かない人」という回答を得る。
- I couldn’t help laughing at her.
では、いったいどういう状況なのか?「彼女」はどういう人なのか?と問うて、cannot help –ingの成立する三条件 (by ミントン氏) を提示。
- There is no telling when the war will end.
では、the warを取り上げ、「その戦争ってどの戦争?」と問う。
などなど、慣用表現13項目を素材として、「一文主義」の弊害からいかに脱するかを説く。どの参考書・問題集でも取り上げられ、授業や家庭で演習を繰り返すのであるから、進学校の生徒なら、4択や整序作文の出題ではほぼ100%全問正解、和文英訳でも8割以上の正答率だろうが、ライティングの指導を十数年続けてきて、まとまった分量のライティングにおいてこれらの表現を適切な文脈で、的確に用いる生徒に出会うことは稀である。たとえば、 “canなどの助動詞の否定+help+ -ing” に関して言えば、cannot help の後にlaughingが続く例は、COCAではヒットしないが、過去形で could not help laughingであれば、6例ヒットする。次回は、COCAから取り出した、
- feel like ing / not feel like –ingで –ingに来る動詞のトップ10
- look forward to –ing で-ingに来る動詞のトップ10
などなどの、「ドクター・コーパス」もどきの予定。
残り時間で、”copygloss” もどき。予習をしてあっても無駄にならないという点で、これは我ながら良い教室内活動だと思う。自分のふとしたアイデアから生まれた活動が、優れた教師の下でタスク化されたものを借用し、自分流の解釈で独自の活動へと落とし込む。いや、貶めているのか?
高1は、buzz readingで気になる発音の全体練習。
- boycott / discriminate / follow(er)/ success/ increase
リズムといわゆるアクセントの位置、声を生むもととなる息、そして個々の音。”sit in” の出だしが、口にするのを憚られる音になりがちな生徒に、”success” を軸足として数回発音し、ターゲットへといういつもの練習。多少、唇の形に変化の兆しが出たがもう少し時間がかかる模様。
- 声を出しちゃダメですよ。
と指示して、辞書でその「憚られる」語を引き意味を確認。
残りはRosa Parks関連の映像を見て、少しはイメージを持ちましょう、という程度の授業。最後はキング牧師の演説が使われている課なので、先日、教室に預けていった、近江先生の『感動する英語』 (文藝春秋) を活用するように念を押す。次回は、brotherhoodの説明を少し加える予定。
高3はあれだけたくさん類題演習を印刷しておいたのだが、なんと、卒業アルバムのクラス写真の撮影日であった。ガックリ。仕方ありませんな…。
放課後は陸トレ。
女子はエルゴ40分漕。まったり行かないように、「ハンズまで1ピース」で低レートでも加速を徹底。ちょっとだけ模範を見せる。深くたたんだところからようやく動かせるようになってきた。いや、私がですよ。
男子は腰周り、脚周りのPNFを一通りやってストレッチ、イスを使った自重のスクワット。その後スタビライゼーション。この夏は全国大会に出られないので、身体作りからみっちりしっかり。
夏休みの各科での行事予定を勘案し、夏の合宿のスケジュール調整。体幹が少しまともになってきたら愛媛行きを考えますかね。
6月18日のエントリーにコメントをくれたohapuruさんからこんなメッセージが送られてきて頷くこと頻り。
毛利先生の本の記述は素晴らしいですね。感動しました。
毛利先生のような一昔前の英語学者や、私が最近改めて読んでいる由良君良先生のようなかつての英文学者の恐るべき優秀さを知ると、今がなんと不毛な時代なのかと思わないではいられません。
どんな「もどき」も、このような素晴らしい先哲・先達がいればこそ成り立つのでしょうね。
本日のBGM: ヤード (Tokyo No. 1 Soul Set)