”You’ll catch flies.”

朝5:30に走ろうと思って外に出てビックリ。
なんと、庭先の妻の車の上にうっすらとではあるが、雪が積もっていた。桜も慌てたことだろう。
今日は仮入学。朝から出校。私は駐車場の案内係。
入部の決まっている新入生と保護者にご挨拶。
午後は、特別進学コースの校舎棟改修に伴う、教員の準備室の引っ越し、レイアウトなどをわさわさと。大職員室以外に、机が一つ使えることになるので、英語科準備室のない私にはありがたい変化。図書係とも連携でき、新書の有効な保管場所としてこちらの棟を使えそうなので、「学級文庫」から「図書室」へと変貌を遂げるか?大きくなりすぎると小回りが利かなくなり、却って使いづらくなることもあるので、様子を見ながら。
今年度の進度表記入を済ませ、出席簿を整理し、どうにか指導要録を書き上げて、年度末の教務関連はほぼ終了。新学年の名票や引き継ぎなどは来週以降。部活動も選抜の時期で山口を離れている先生もいるので、4月になってからになるか。
新年度の英語の教材の手配で一件手違いがあり、春休み中の課題にできなかったものが出て、構想が狂う。次善策を思案中。
春期課外は明日で終了。教材の補足で今年の入試で出題された、基本動詞の語法問題を概観。

  • It was a long day and he was tired, so Jim decided to turn in after watching the evening news.

で inを答えさせる問題が、早大で出ていた。学部は人間科学。turn in = go to bed は早慶入試ではもはや定番の句動詞か。
早大と言えば、気になる出題が法学部。
文法的に正しくないものを一つだけ選ばせる出題で、leaveの文型にも関わる、

  • Don’t leave the door ( ).

という文の空所に入れると「文法的に正しくない」選択肢を、opened と想定しているようだ。残りの「文法的に正しい」と想定されているであろう選択肢は、ajar, closed, open, half-open となっていて、主として、限定用法で用いられるhalf-openedは選択肢には入れずに、ajarを入れている。この語が受容語彙であれ、発信語彙であれ守備範囲にある受験生はどのくらいいると考えているのだろうか。(ちなみに、『クラウン受験英語辞典』(三省堂)では扱われています。)
この設問はまだ目をつぶるとして、次はどうだろうか?

  • I ( ) Chinese for five years.

で、
A. had been studying
B. had studied
C. have been studying
D. studied
E. studying
のうちで、Eを答えさせるのは、21世紀に生きる若人の英語の文法力を問う出題になっているのだろうか?いや、明らかに、Eの studyingでは述語動詞と成り得ないので「文法的に正しくない」のはわかっている。では、A, BやDはこの文単独で、いったいどういう意味になるのか?時制の指導で用いる例文が自然なものとなるように中学校、高校の英語の先生がどれほど苦心しているかを知っているだけに、首を傾げる出題である。
先日のエントリーで、私の春期課外講習で「演習」をしている旨を書いたが、私は生徒に以下のような学習・整理を求めている。

A. ①〜④のうち最適なものを選び英文を完成せよ。
1. I found it difficult to [ ] what she was saying. 
① make for ② make off ③ make out ④ make over

という設問に対して、
1. I found it difficult to [ make out ] what she was saying. のように正解を確認した後で、

   「彼女の言っていることを理解するのは難しいとわかった。」 という意味(和訳)と照らし合わせて、
<make out → 疑問・否定の文脈で、「理解する」> と問われている基本動詞の句動詞を確認し、
cf. figure out → 輪郭線を描いてはっきりさせる →『理解する・わかる (= see)』 ※理解=映像
という類例との識別をし、残りの偽選択肢をそれぞれ吟味し、整理。
① make for 「〜の方へと進む」、「〜の役に立つ」
   →用例・参照問題
② make off 「逃げる」「奪い去る」
   →用例・参照問題
④ make over 「外見・用途を新たにする;変更する」「財産などを譲渡する」
   →用例・参照問題
※今後の模試や教材・問題集での発展補足のためのスペースをとっておく

B. 下線部と同意の表現を①〜④より選べ。

28. I can't put up with your dirty jokes any longer; I have had it.
① am full of ② am satisfied with ③ am upset with ④ am sick and tired of

という設問(※このブログの表記では下線部が出ないので、ボールドの斜字体)では、

  「君の汚い(下劣な)冗談には我慢ならない、もうたくさん(うんざり;あきあき)だ。」
と定訳に加えて、自分が普段使う日本語での補足をし、

have had 〜 = be sick and tired of 〜 = be fed up with 〜 = have (had) enough of 〜
  完了時制に注意
※ 同意表現は「食べ過ぎた後のむかつき;吐き気」という発想。
※ 動詞feedは「えさを与える、食べさせる」 → 受け身で、「溢れるほど食わされる」という比喩。日本語の「食傷」と比較せよ。

と類例との比較・識別をし、

① am full of → 一杯である
② am satisfied with → 〜に満足している (= be happy with〜)
③ am upset with ( aboutまたは over) → 〜に取り乱した;気分を害した;怒っている
と偽選択肢の吟味という流れ。

教科書で教えるにせよ、入試問題を扱うにせよ、英語は英語である。

本日のBGM: At My Front Door (Harry Nilsson)