”Half a boy and half a man”

夜半から暴風雨。大げさじゃなく、台風のような強さだった。咲きかけた桜が心配。
悪天候にかこつけて早朝ジョギングはスキップ。明日はちゃんと走りますから。
今日は、ELEC同友会の「教科書著者によるワークショップ」。春の恒例イベントとなった感あり。私は手伝いに行けませんでしたが、講師の顔ぶれが顔ぶれですから、盛況だったことでしょう。ちなみに、今回の「ライティング」の講師は工藤洋路先生(東京外国語大学)でした。講師の皆さん、運営委員の皆さん、ご苦労様です。
一日かけて、春期課外の高1(新高2)で扱う予定の、基本動詞の意味論と語法のハンドアウトを作成、印刷。入試の語法問題の差し替えをどうするかは思案中。
『海難記』を読んだら、18日のエントリーで仲俣さんが、ニック・ロウの新作(でもベスト盤)を取り上げていた。同世代だからかなぁ。パイドに並んでチケットを買った学生時代が懐かしいです。結局、85年の来日公演は中止になったのだけれど…。
さて、
いろいろな資料をひっくり返していたら、2004年の12月にFTCで発表した時の資料「英文法・語法 〜生徒の疑問に答える前に〜」が出てきた。引っ越し万歳!
何が嬉しいって、ずっと引っかかっていた疑問文のメモ書きが見つかって棘が抜けたというか、喉に引っかかってた骨が取れたというか、スッキリ!

  • 何を食べた人が死んだのですか?
  • 何をした人が逮捕されたのですか?

の二つ。
他にも、いろいろな書き込みをしていて、SwanのELT Journalからの抜粋メモ書きも発見。

  • Teachers usually feel (or rather, are made to feel) guilty about something: translating, or explaining grammar, or standing in front of the class and behaving like teachers, or engaging in some other activity that is temporarily out of favour. Currently teachers feel guilty about not being communicative.

他には、

  • This river is dangerous to fish in in the rainy season.

での「ワープロソフトがWORDの方は、おそらく文法チェックで赤波線が出ると思います。」などというのが微笑ましい。ここでの fishの語義の補足とイラストさらには、go –ingの動詞タイプ分けなどは良い出来だなぁ。頑張ってたじゃん、この頃のtmrowingは!そうそう、no more than 関連の比較と否定へのこだわりもしっかり見せていました。定番の「no sooner than は何と何を比較しているのか?」という問いかけもあります。
プレゼンの後のTopics of discussionとして、三つの大きな項目を立てていました。
I. 教師自らがどう学ぶか?
これには、

  • A. (教師用の)参考書・(生徒用の)学習参考書のリスト、B. 辞書のリスト、C.文法・語法の解説書のリスト、D.英語学の知見がまとめられた書籍のリスト、E.コーパス、F.自らの読書・作文

という小項目。
II. 生徒にどう教えるか・いつ教えるか・どのくらい教えるか?
ここでは、

  • 明示的指導とfocus on formに関して

などなど、Ellisのcontrolled vs. automatic, explicit vs. implicitのマトリクスとか、Andersonに影響されていたことが見え見えですが、

  • FonFって、ちょっとナイーブで、坂道を自転車で登る時に、「絶対に地面に足つけないぞ!!」っていう意地みたいな感じがあって、「それ、自転車降りて押して登った方が速くない?」ってくらいまどろっこしい。

などと、ちょっとはskepticalなところもちらつかせていました。
当時流行っていたと思しき、ギター侍の調子で、

  • 「L1もL2も形態素の習得順序は決まっている、だから明示的指導には効果がないっ!!」っていうじゃな〜い。でも、文法の形態素を左右する「語彙」そのものの習得順序は、まだはっきりとわかっていませんからっ!!

って、ところまではメモが書いてあったのに、結局お披露目されなかったのは、「xx斬り」「残念」ってところのオチが思いつかなかったんだと思う。ああ、情けなや。
III. どのくらい辛抱するか?
では、さらなる問いかけとして、

  • 辛抱って、生徒に?同僚に?

と辛口というより、半人前振りを露呈。40歳過ぎたら、「青い」とか言っていられないし、友達なくすね、これじゃ。
この発表から4年。
何を捨て、何が残ったか?
少なくとも、23年前のチラシが捨てられない人間に問うものではないな。

本日のBGM: Something to believe in (Curtis Mayfield)