ジョニーにはなれないけれど…。

土曜日は雪交じりの中朝早く湖に向けて出発。
高校が一つ雪で来られないという連絡のすぐ後で、成年チームの母体となる大学生が午後からしか来られないという連絡があり、しかたなく高校生の6000mタイムトライアルをカタマランから見る。午前中は、辺りの天気からは想像できないくらい絶好のコンディション。12月合宿から随分と成長した選手もいて、高校生の可能性をあらためて感じた。エントリーがもっさりしないのは、この県の選手の大きな強みとなるだろうと思う。午後からは、コーチも合流し、丁寧な指導を見学。一人一人を本当によく見ているのだなぁ。選抜まで秒読みになってきたが、まだまだ速くなる要素はある。高校での競技生活を終え、大学進学後もこの競技を続けることが決まっている高三生も二人参加。久しぶりのトレーニングということで感覚を取り戻すまでに少し手間どっていたが、モーション後半ではかなり良い感じが出ていた。
午後のモーションを終え、宿へ移動。待望のお風呂から上がってきたところで妻からのメールに気が付いた。かなりの積雪が見込まれるとのことで、すぐさま携帯で予報を確認。当初は翌朝早く帰るつもりだったのだが、積雪と道路の凍結を勘案し、急遽帰ることに。闇夜の降雪で、辺り一面真っ白の中、安全運転で帰ってきました。途中、長い下り坂が続くので数台が連なり20kmに満たないくらいの速度で走っていたのですが、大きなカーブのところで1Boxカーが1台、完全に道路から外れて脇の藪に突っ込んでいました。運転手が無事だったことを祈ります。
この土曜日の帰宅時でおおよそ、10cmの積雪。明けて日曜日朝には20cm弱の積雪でした。午前中はまだ雪の舞い落ちる中、終日模擬試験監督の後帰宅。
さて、
根がしつこいので、類義語の話の続きを。
例によって、「自分に馴染みのある扱いは妥当」というご都合主義ですので、その程度なんだな、という寛容な態度でお読み頂くことが肝要かと。
2008年に出た、

  • Oxford Learner’s Thesaurus --- a dictionary of synonyms (Oxford University Press;日本では旺文社からペーパー版の『英語類語活用辞典』が発売されています。私もそちらを買いました。)

でセンターにも類義語扱いのあった、crucial〜importantの一連の語をあたってみました。
まず、crucialが扱われているエントリーが essentialであることを確認して欲しいと思います。類に呼ばれた友はこちら、(p.251)

  • essential / vital / crucial / decisive / indispensable / imperative / pivotal / of the essence

この類語グループへの簡単なコメントは、

  • These words all describe sb/sth that is extremely important and completely necessary because a particular situation or activity depends on them.

essentialの定義は、

  • extremely important and completely necessary, because without it sth cannot exist, be made or be successful

crucialの定義は、グループの最初に示されたコメントの英文と同じです。crucialとcriticalの違いは、

  • There is no real difference in meaning between these words and they can be used with the same range of nouns and structures. However, there is sometimes a slight difference in context.

として簡潔に説明されています。

  • Critical is often used in technical matters of business or science; crucial is often used to talk about matters that may cause anxiety or other emotions.

多くの「英英辞典」でcrucialのパラフレーズに使われる、decisiveに関しては、

  • of the greatest importance in affecting the final result of a particular situation

という定義だけでなく、

  • Decisive is NOT USED simply to mean ‘extremely important’. It is used when you are making a judgement that sb/sth was or will be the most important fact affecting the result of a particular past or future situation.

のように太字と大文字を使って注意を促しています。個人的には、この「最上級感覚」がとっても大事だと思います。

ちなみに私の授業を受けた人には「なんだよ、またかよ」というくらい「耳タコ」でしょうが、私の普段の授業では、

  • main, major, chief, leading

の4語を足がかりに、最上級感覚の形容詞(principal, top, basic, foremostなど)をその都度おさえて行きます。表現においても、理解においても最重要語彙という位置づけですが、説明は英文の用例と日本語の解説、または「日本語を視覚化した」図解です。


今回のセンター試験が苦もなく読めて正答が得られるような学習者・受験生の皆さん、どうせa “find-the right-word” dictionary を選ぶのなら、こういう辞書を選んでみてはいかがでしょう。センター試験の作問者(あるいはライター)も、もっと早く、この辞書をご覧になっていれば、より良い英文にすることが出来たことでしょうに…。

高校生や受験生にそこまでの感覚を求める必要があるのか?と訝る人がいるかも知れませんが、今時の単語集といわれるものであれば、この辺りは押さえていると思いますよ。
今、私の手元にあるのは、昨年、山岡憲史先生から送って頂いた、
『アクティブ英単語2100』(学研、2008年)
ですが、このエントリーの1900番が”crucial”です(p.310)。そこで示されている訳語は、

  • 欠くことのできない、決定的な

例文は、

  • Isolation of the patients is crucial to preventing the spread of the infection. 伝染病の蔓延を防ぐためには患者の隔離が欠かせない。

となっています。流石に、山岡先生や米原高校のSELHiチームが精魂傾けて作った単語集です。この示し方であれば、essential のグループに括るのはそれほど難しくないと思われます。

妻が娘と散歩に出かけている間に、試験監督の合間に検索で見つけたLeni Damの講演 (2007年のIATEFL Learner Autonomy SIGのイベントにて)を聴く。

久々に聞くRichardの声。懐かしいね。この時のイベントにはDavid Littleも来ていて、CEFRとEuropean Language Portfolioの話をしている。資料はこちら、

Richardは、Warwickに行っても、着実に大切なものを育てているのだなぁ。Richardと一緒に始めたNEWはG大の府中移転で実質FEWとなり、今では休止してしまったようだけれども、志だけは持ち続けていようと思う。高校でも英語科などで潤沢な予算のある方は、最新の理論に傾注するのもいいでしょうけれど、思い切ってこちらを購入されてみてはいかがでしょうか?私?流石に個人では無理です。お持ちの方はご一報を!

本日のBGM: Irish Blood, English Heart (Morrissey/ Live at Earl's Court)