、参考とはいえ劣化コピーはいやでしょ、でも…。

某パーティーで上京。
往路の車中で、『橋本治と内田樹』(筑摩書房)再読。一部を引く、

橋本:今は世の中から、「人のやったことを参考にして自分で何かをする」ということがなくなっているんですよ。
内田:参考にするんじゃなくて、とにかく参加したい。
(中略)
橋本:いまの風潮は、何かに感動して、その本人に会えるといったら即オーケーで、コンタクトをとって、その人の世界に参加することで終わりみたいな風になっちゃうわけですよ。
内田:そうか。そこで満足して終わり。
橋本:そうすると、その人のクラン(一族)というか子分みたいな感じになるだけで、「自分自身は何もわかんないし、つまんないじゃん」と俺は思っちゃう。ステイタスをもらったみたいなもんで、そのステイタスも有効期限が二年で切れるみたいなものかもしれないし。だから、参加したがるという気持ちがまったくわかんないんですよ。(pp.168-169)

mixiや2ch.で顔の見えない者同士が自由に「コミュニケーション」がとれ、愚愚れば、瞬時にその言葉にまつわるもろもろが検索でき、ブログで誰も彼もが情報を発信できる時代。利便性には感謝するものの、情報の新しさを求めたり、情報が集まることを誇ったり競ったりすることを疑うことなく「是」とするには抵抗がある。橋本の、「クラン」というwordingが秀逸だと思った。

パーティーは盛況。知り合いの知り合いとの新たな出会い。それぞれの現場・現実に持ち帰るのは名刺か繋がりか。
2次会は、旧知のT氏と。
カウンターにJuraのボトルが見えたので、久々にシングルモルトにもトライ。今井先生を思い出す。
新課程は何を目指しているか?の流れから、アフリカや中東、モンゴルやロシアの英語教育で、CEFRのような「参照枠」や「can-do リスト」、「パスポート」などをどのくらい整備しているのか、彼我の比較をするなら、そういうところだろうという話を振ってみる。「人のやったことを参考にして、自分で何かをする」なら、そういうところを参考にしたいという想いをぶつけておいた。どの程度具現化するかは未定だけれども…。
「文学」で何かやりたいね、という着地点でお別れ。
パーティから二次会と久々にリラックスできた夜であったが、ホテルに戻って衝撃が!
中野選手、フリーで精彩を欠き、5位。
SPの出来は良かった。ただ、あまりに点数が出たのでフリーにプレッシャーが出なければいいなと、不安は不安だったのだが、まさかの順位。世界選手権出場はならないのだが、その分じっくりと英気を養って欲しい。
ミスなく演じきった村主選手が2位に入り、1位の浅田、3位の安藤の三選手が世界選手権の代表に。五輪枠3つお願いしますよ!
Youtubeで映像を見たのだが、浅田も安藤も中野も疲れています。安藤はSPで久々に「滑れている」という演技だったので本当に残念。
全日本選手権って日本一を決める一番大事な大会なはずでは?TV放映はファンとして本当に嬉しいのだが、年間のスケジュールと位置づけは中央競技団体に見直して頂きたいと思う。それにしても、今季のルールは見ている者にとって楽しめない…。
さて、
今日は夕方まで、東京見物をして帰ります。
本日のBGM: North Country Boy 〜 Early Morning Dead (鈴木博文)