”What am I?”

GPファイナルは、浅田選手の逆転優勝。
ジャンプの軸が細く、強い。
3+2回ということをことさら騒いでいるが、現時点では諸刃の剣であろう。あの体のどこに、というくらいスタミナのある浅田選手を持ってしても後半に息切れし、他のジャンプの精度が落ちてしまう。ファンとしてはバンクーバーまでに中後半に3Sではなく、単独の3Loや3Fにするとか、コンボでのセカンドの見直しをするなど長い目で成熟を見守ってあげる方がいい気がする。
一方、キム・ヨナ選手は体調を崩しており、やはり精彩を欠いた。誰もがする組み合わせでも誰もできないほどの美しさで跳び、滑るからこその加点である。フリーのオープニングのジャンプもいつになく軸が斜めになっていて、世界選手権までにジャンプの精度を戻せるか気がかりである。
"ゆかり姉さん" はフリーがボロボロだった。調整の失敗か?とにかく残念。今の時点で全日本では浅田の牙城は揺るがないだろうが、世界選手権の出場はなんとしても果たして欲しい。
安藤選手はフリーで、4Sへの挑戦。前向きになってきたことは評価したいが、彼女の本当の持ち味は何なのか?今までできていたことができていないことによるストレスはないのだろうか?
さて、
本日は本業の県ボ理事会。
成年チームの監督として県を牽引するとともに、自分の高校チームも作っていくことになる。競技団体との関わり方とか、意志決定の階層とかまだまだ難問山積だが、国体まで秒読み体制になった以上やるしかあるまい。
来週は強化合宿。高校生は天竜に向けたトレーニングもあるのだが、それ以上に来シーズンに向けての方向付けが正しくできているかのチェックとなるので、基本は1Xである。大学生も新チームでのトレーニングが正しい方向に進んでいるかを厳しく評価されることになる。自分の、チームのゴールまでの足取りを日々の余白にしっかりと刻んでいるかを見直す絶好の機会であろう。日の出、日没や霧など水域のコンディションに影響を受けるのは確かだが、1Xでの練習をしっかりとこなしてほしいと思う。まずは「直進」を徹底することです。

札幌での投野先生講演会は盛況だった模様。
私のもとへも続々メールが寄せられた。聞くところによると、当日別所で、某予備校の東大入試説明会があり進学校の先生の多くがそちらへ出席とのこと。残念である。
このところ音声指導の見直しなどを考えていたので、J.C. Wellsの第三版で気になる発音をいくつか調べ、牧野先生の掲示板のやりとりを眺めたりしていたらあっという間に時間が過ぎた。COBUILDの中級米語辞典のCD-ROMが思いの外重くて難儀。最近の米系の音をしっかりと再生してくれる辞書をご存じの方、ご一報を。

GPファイナルは最終日。エキシビションを見る。
採点のないエキシビションに解説は必要なのか?グランドフィナーレでようやく自然な笑顔があふれ出した選手をほとんど映さず、次回の冠大会のコマーシャルを流し始めたときは本当に怒りを覚えた。こういうスポーツメディアが選手を食い潰してしまうことを危惧する。
仮眠をとって、自分の時間。

  • 安井稔『英語学の見える風景』 (開拓社)

を読む。
第2章「所有形始末記」で思わぬ時間をとられる。そもそも所有形とは何を表すのか、という本質を浮かび上がらせるもの。江川泰一郎氏の著作に詳しいいわゆる名詞構文とかナイダや安西徹雄氏の説く核文変形などばかりに名を向けがちな一高校英語教師にとってきついお灸となった。基礎基本、基礎基本。
お目当ては

  • 第4章「等式型のbe構文再訪」
  • 第9章「等式型be構文の問題点」
  • 第11章「What is the Capital of England?の答え方について」

以前、wh-疑問文で扱った項目で、何を主語にするのか、何を補語ととらえるのかで議論がかみ合わなかった時 (過去ログ参照→http://d.hatena.ne.jp/tmrowing/20081024) に、確か誰かこのことを書いていたなと思っていてやっと辿り着いた次第。買っておいて良かった。もともと、この「等式型」は、私が学生時代にW師匠が、

  • SVCの文型の説明などといって、S=Cなどとやっているけれど、言葉は数式とは違って、常に左辺と右辺を入れ替えられる訳じゃない!

と言っていた頃から気にしていた問題ではある。
第2章の初出は Otsuka Forum, 2006年、 No. 24, 第4章の初出は『英語語法文法研究』2006年、第13号。第9章、11章は書き下ろしとのこと。単行本化にただただ感謝。
さあ、これで、やっと問題と格闘する下地ができた。
ちょっと仮眠をとって、週明けは0限から。
本日のBGM: Who are you? (The Who)