学び、あるいは ”That’s where you’ve lost me.”

期末考査二日目。
採点も開始。高2の模試結果も返却。課題は山積。
答案に、

  • harfu

という綴り字を見て、一日中ずっと落ち込んでいました。
平常授業で長期間かけてできなかったことが、冬季課外でどれだけ意識付けできるか。諦めず、でもかなり慌てようと思う。
二台目PowerBook G4でのブログ更新。
動作環境も徐々に整備。クロック数もメモリーも最新型に比べれば劣るが、1.5GHzで1.25GBあれば、私の仕事には十分お釣りがくる。なんといっても、FireWire400が使えてMini DVカメラともHDDレコーダーとも接続でき、重量が約2kgで、iMovieでトレーニングビデオが編集ができて、DVDが焼けて、バッテリーが楽々3時間以上持つ、というのは魅力。校務で使う文書や、学会でのプレゼンなどMS Office系の文書を使わざるを得ないので、バグを考慮し、あえてOffice for Mac 2004をインストール。
締め切りが迫り、やらなければならない大仕事があるにはあるのだが、上述の ”harfu” が気になり、

  • 宮田幸一『教室英文法シリーズ8 発音・つづり・語形成』(研究社、1969年)

を読み返す。基礎基本とは何か?フォニクスで文字を「正しく」読めた段階で安心してはダメということ。英語の音として弁別可能なものとなっているかを少人数クラスにもかかわらず見極め、矯正できていなかったというお粗末さ。
自分の至らなさを恥じるべし。
読み返すたびに発見があるこの本のすごさと、自分の理念や指導の奥底にある課題の大きさに泣きたくなる。
あいまい母音に関して、mixiの某トピにコメントを入れておいた。地に足の着いた考察が議論を広げたり、深めたりするのには大切。先達に学ぶべし。以下は宮田の分類による、中学段階で指導に留意すべきあいまい母音を含む語のリスト。

  • beggar, sugar
  • somebody, collect, conjunction
  • forget, doctor, elevator
  • today, together
  • campus
  • sister, letter, Saturday
  • invite, happy, early, reading
  • before, return, respect
  • enjoy, elephant, pocket, kindness, unless, wanted, roses
  • Sunday, Monday, yesterday, orange, village, mountain
  • student, continent, frequent, holiday

惜しむらくは、このハンドブックは絶版。現在の英語科教育法などの教職の授業では、宮田幸一のみの字も扱われていないことだろうから、「継承」も「発展」もされていかないことはただただ残念。フォニクスでも語連結による音変化でもいいのだけれど、その前に押さえておかなければならない、個々の音(宮田は「ねいろ」ということばをうまく使っています)や音節に関して、日本語母語話者の目線・足場で、日本の英語教師が考えておかなければならないことは多いのです。
明日の広島では、そんなことをお話しできればと思っています。
本日はこの辺で。
本日のBGM: When You Gonna Learn (Jamiroquai)