Show me the breakthrough you’ve made, or give me a break.

tmrowing2008-11-12

高1のオーラルは、英語でのスモールトークから、都はるみの『北の宿から』の冒頭を歌い、和文英訳を課す。

  • The weather got colder day by day.
  • It is getting colder down here.
  • How’s everything going?
  • Is everything all right with you?
  • Do you usually sleep well?

などを確認。 大津先生のエピソードなどを雑談にて。次は私の好きな石川さゆりでも。
残りの時間で、Obama氏の続き。インターネット接続が適わないので、PowerBookを持ち込み、TVにDVI接続で再生。「接続詞+従属節で切れ目を予測し、主節を待つ」という頭の働かせ方をリハーサル。今回のスピーチだと、anyoneとwhoの間の out thereという修飾語句で躓くレベルのもの、whoの並列を処理するレベルで躓くものなどが混在しているのでスクリプトで確認。並列になっているということは、裏を返せば、その要素間での類推をする手がかりを作れるということでもある。英語ということばを理解する時の基本の頭の働かせ方を身につける。それが文構造レベルの文法。
もっとも、この単純な文構造がなかなか使いこなせないのが高校生なのだ。
現に、今日の高2では、対面リピートで、

  • When A and B are given C, such as D, B tend to use E to complete C.

という大枠が掴めないまま、呪文のように音読をして、結局覚えきれないという者が続出した。

  • 意味を確認して、語彙・一文レベルの文法を確認して、音声を確認して、その英文を丸ごと自分のものにする。そのための努力を惜しまないこと。

言うことはいつも同じ。

  • 自分の目の前に適切な英文素材がある時に、自分にはそれを消化吸収するために何が出来るのか?

という自分の道具を揃えて、磨かないのに、コミュニケーションスキルだけが伸びていくわけがない。
昼休みは生徒の進路相談というか所信表面の確認。頑張って欲しい。
午後の高3はasの用法の英文読解課題解題。途中で脱線し、高校時代の雑談。高3の文化祭の騒動。忘れようにも忘れられない思い出。往々にして美化されてはいるのだが…。
職員室の机のまわりを少しだけ整理。(写真参照)
放課後、生徒の作文に目を通し生徒指導部へ提出。
先日、ある先生のお子さんに、英語学習のアドバイスを求められ、音読や文字・単語の縦書きなどいくつか留意点とヒントを伝えたのだが、それが思いの外上手くいき評判となったようで、今度は別の先生から、県内の公立中学校の定期試験の問題をお借りすることができた。優秀なお子さんのようでほとんどが正解で、一部誤りがあり、その訂正をしっかりと書いている。これは正解がついていないくても、どのような指導がなされているかが窺い知れるので、地元の中学校での英語授業の実態を推測するのにとても役に立つ。特に1年生の1学期中間試験がその学校の(その先生の?)授業内容を如実に語るものである。
帰宅後、江利川春雄著『日本人は英語をどう学んできたか』(研究社)を読む。
出来得る限り一次資料にあたり語る、ということの意味、重さ。『現代英語教育』(研究社)でも連載のあった「図像学」という切り口の持つ鮮やかな語り口。
その一部だけを引くことは、この書の場合余り意味がないのだが、いくつかに触れておきたい。
青木常雄氏の吹き込んだ暫定英語教科書、『高等科英語』準拠のSPレコードが昭和22年(1947年)に発行されていたということに驚いた。呻る。呻るしかない。
p. 150 で示された三つの「英語教科書と英語教育の未来のための前提条件」は、メジャーな英語教育誌で是非とも議論して欲しいテーマである。
随所に挿入された「英学雑談」も痛快である、などと人ごとのように読んではいられない。
「小学校英語教員養成史の謎を追って」(pp.201-203)を読めば、今まさに同じことが問われていることがわかる。

  • こうして振り返ると、心に残る本はみなハウツーものの対極にある。すぐ役に立つ本は、すぐ役に立たなくなる。(p.261)

このブログのタイトルにも掲げているが、日本の「英語教育」を語るのであれば必読書であることは間違いない。英語の実態がわからずに英語を教えることはできないが、英語教育の歴史を学ばずして英語教育を語ることもまたできないのだとあらためて実感した。

妻が明治堂のシュトーレンが食べたいとネットで検索し、電話で確認したのだが、地方発送はやっていないとのこと。流石だ、明治堂。地域に密着した老舗のあるべき姿がここに。思えば、東京にいた時分、年末年始はここのシュトーレンをずっと買っていたのであった。今度上京した時に買ってくる余裕があるだろうか?

S社、B社など仕事関連でのメールの確認などを済ませ、読売オンラインで「教育ルネサンス」を読み溜息。

  • 語学強化 外大に委託

とあったので、また母校がGPをとってきて現場の教員が悲鳴を上げているのでは?と思ったのだが、別の大学の話だった。江利川先生の本をすぐにでも読んで欲しいと思った。
夜は『相棒』。プロット、伏線の張り方などやや切れ味に欠けた。今シリーズのオープニングとは、監督が代わった模様。次週に期待。

本日のBGM: Chicago (クラムボン)