Born Again

連休明けで体調を崩している者チラホラ。
高2は、付帯状況の分詞構文。絶版となっている『ランドマーク』(啓林館)から用例を抜粋し板書、解説。
その後、withの付帯状況と起動相(終動相)の動詞の分詞に関して具体的な用例で解説。動詞の意味特性も含めて基本語彙が身についていないと、文構造に焦点が当てられない典型的な文法事項だと思う。いきおい公式化して暗記に頼るとか、過度の単純化ということになりやすいのだろう。
with his arms folded / with his legs crossed / with his eyes closed というおきまりの3セットを使って、

  • with his arms foldingは英語として明らかにおかしいのに、folding his armsという人がいるわけだが、どんな意味内容を表す時に、この形を用いるのか?

などなど、共起制限を少し補足。
その後、宮沢賢治へ戻り、付帯状況の実例を精査。
高1は、テストに向けて、教科書の英文を読み進める。裏技炸裂で、パート3を飛ばして、パート4を2コマかけてしっかりと読む。文頭のバリエーションを探りつつ、誤読の可能性、頭の働かせ方、など生徒目線での精読。適宜、(代)名詞と動詞の呼応、基本時制と分詞・不定詞・動名詞の識別。ここでも、名詞は四角化で視覚化と動詞の前でとじかっこが基本。動名詞が少しだけ身近になったと思われるのだが、どうだろうか?
あと、今日重点的に扱ったのは、<名詞1+名詞2>が何の繋ぎの語も挟まずに並んでいる時のパターン。

  • 名詞1が形容詞として働き、名詞2を修飾する
  • 名詞1と名詞2が同格
  • 名詞1+名詞2+動詞句+足跡という接触節

のうち、接触節はすでに扱っていたので、最初の2パターンを本文以外にも類例をあげ、丁寧に解説。訳読ではない読解のための文法解説となるのでしょうか?この辺りは持田先生の授業を一度見て学んでおきたいものだ。
7限は、最初にスピーチを1名。今日の生徒のお題は「TV」。中盤の「地デジ対応」で躓きました。宿題です。
残りの時間は同じ流れで、フレーズ訳を頼りにアタリをつけておき、音声を流しては停め、「ここまでだとどうなる?」と解説をしては後に続く語句へと進んで正しい読みを示し、その後音読で確認。2コマでパート4読了。パート2までの主人公の言動とパート4での脇役の言動が被るように書いてあるので内容理解自体には困らない、が

  • なぜ、こんなハッピーエンドな内容で終わったのか、気になるでしょ?じゃあ、家でこの間にどんな展開があったのか、パート3読んで確かめてきて。

とパート3のワークシートを配布して本日終了。決して手を抜いたわけじゃないですよ。

帰宅したら、郵便受けに『英語教育』(11月号)が届いていた。書評掲載号とのことで、『パラグラフ・ライティング指導入門』の書評が載っていた。評者は古家貴雄氏(山梨大学)。丁寧に読んでくれたことがわかる書きかたで、著者としては安堵。書評として取り上げられるのもこの時期だけでしょうから素直に喜びます。
特集は「教員免許更新制度」。行政・小中高大の教員とバランスの取れた執筆陣、ってどこまで保守的な構成なのだろうか?こういう時にこそ、対談・鼎談でしょうに!でも奥住先生の原稿が読めたから良しとしよう。
連載で気になるのは、日本英語教育史学会「日本の英語教育200年」研究グループによる「学びやすさを求めてー教科書の歴史からー」(pp.60-61)。執筆は、小篠敏明/田邉祐司の両氏。
これの倍はページ数の欲しい内容だ。「文法・語彙積み上げ方式」が「TEFLハイテク技術」だったという指摘はこの学会ならでは。

  • 欧米からの「借り物教材」が主流だった明治中期おいてこれは画期的な試みでした。(p.60)

という一文は耳に痛い。では、今は?「教材」は自前だとしても、「教授法」「研究法」は借りっぱなしではないのか?
「おわりに」(p.61) の2段落の意図が、英語教育の歴史に疎い若手教員だけではなく、教科書を執筆してきたようなベテラン、精鋭にも届くことを願う。
新刊では、研究社『ライトハウス和英(第五版)が基本語重視の改訂とか。早く実物を見てみたい。三省堂の『エースクラウン英和』(投野由起夫編)は12月刊行とのこと。こちらは巻頭カラーの学習ページで私も関わっていますので宣伝をば。
夕飯は、にらたっぷりのチヂミを大蒜醤油で前菜代わりに、白菜豚鍋。これで風邪をもらったりしないでしょう。娘が生の白菜好きであることを発見。あの歯ごたえが好きなのか?あまりに「シャクシャク」いい音を立てて食べていたので、

  • 釈由美子の生まれ変わりか?

と聞いてみたが、その質問の面白さが娘にわかろうはずもない。オヤジギャグと言わば言え。

本日のBGM: Feels like home (Randy Newman)