私、清水ミチコ、嫌いじゃないですから。

フォーラムの余韻を引きずりつつ、自分の現実へ。
出勤して管理職に挨拶。同僚からは声を掛けられる。
読売新聞の21日付け朝刊、山口地域ページで、フォーラムが取り上げられた。西部本社は、九州全域と山口県あたりをカバーしている模様。地元でどのくらいの「一般の方々」「世間の人たち」が読んでくれただろうか?参加された方のメールもいくつか寄せられていて、それを見ると反響は確実にあったと実感。
新聞記事をよく読んでみて、取り上げてもらったことは非常に嬉しいのだが、注文がひとつだけ。最後を県教委の方のコメントでまとめられたのは、主催者としてはいささか、というより、極めて不本意である。

  • 興味深く、刺激的な内容だった。指導者同士が交流の場を持つことで、英語教育が活性化することを期待したい。

という談話でこのフォーラムの総括をしてもらっては困るのだなぁ。これが、地元の大学で英語教員養成を担当している大学の先生が残したコメントであれば、まだ納得も行く。しかし、今回のフォーラムは文科省も県の後援も受けていない、地域の一教員の発案から生まれた研究会でありフォーラムなのであるから、その評価も中学校であれ、高校であれ、参加された現場の一教員の率直な声が聞ければ、主催者側はそれで満足。お墨付きなどを誰も求めてはいないのだから。
でも、結局地元で英語教員養成を担当している大学からは参加者ゼロ、その付属の学校からもゼロなんですよね。広大の柳瀬先生の掲示板やブログで告知して頂いたり、県内の締めきり後に、EFLJのメーリングリストで流してもらったりした直後に、福岡県や大分県など九州の大学関係者から申し込みが何件かあったことと比べると複雑な心境。研究室宛にメールも送らせていただいたのですが…。まあ、まだまだこの地では知られていないということでしょうから、焦らず地道に、地元の方たちに認知してもらえるように活動を続けたいと思います。

授業は時間割変更の嵐。教務泣かせの1日だったことでしょう。
高2は、週末に行われた高3のベネッセ・駿台共催マーク模試の第2問、語彙・語法問題から。今までの学習で、言葉に対する姿勢ができていれば、模試や入試過去問演習であっても、必ず自分の学びとなり、英語力の伸張、言葉の豊かさに繋げることが出来る。『グラセン和英』の巻末文型一覧の活用。もう、キレイに切り離してハンドブック化している者もいた。今日伝えたのは、

  • 辞書や教材の閉じた例文を自分で生きるわけだから、生きにくかったり窮屈だったりしたら、書き換えなさい。その時に初めて自分で語彙と文法を求めるから。

ということ。
高3こそ、マーク模試の復習から発展で、自然な英語を使いこなすところまでやろうと思って用意してきたのだが、約1名、発熱で受験できなかった者が放課後やることになっているとかで、見送り。英文読解のテキストで復習シリーズに。第一段落で主題を掴み切れないまま、後続段落の冒頭部分だけを繋いで読み進める、似非パラグラフリーディングに警鐘。例として、慶應大のSFCで1500 wordsを2題、計3000語の出題だとしても、1分間に100語読めれば、本文だけで30分あれば読み切れるという計算。大切なのは、ただ先を急ぐ読みの「粗」読ではなく、音読スピードで読み終わった時に理解が出来ている「即読即解」であること、そしてそのための語彙力であることを強調。
高1は『短単』のリピーティングのバリエーションから。さっそく実践でアレンジ。日→英でスピードを要求したドリルも適宜入れながら、基本の確認に戻る。語順下敷きを活用し、疑問文作りの答えを確認。
担任としての諸手続、国体出張時の授業の変更などバタバタと。
明日は、自習課題作りでおそらく終始します。

『英語教育』増刊号を読む。加藤京子先生も書いている活動集をチェック。田邉祐司氏のあげた“必読書”をなんとか入手しようと思った。伊村元道氏の「時評」は安心して読める。指摘や問題提起に安心しちゃイカンのだけれど。柳瀬先生の「収穫・厳選12冊」。改善協の「…要望書」は、お上にも世間にも、はたまた市井の英語教師たちにもちゃんと届いているか?
遅ればせながら、『英語青年』10月号(研究社)を入手。
トム・ガリー氏の連載「言葉の価値」。第2回の今月は「言葉のコスト」(pp.24-25)。これは英語教師必読ですね。

  • それでも我々は、外国語学習が実際にペイするかどうか、ほとんど計算していない。
  • 外国語学習はいくらかかるだろう。これはもちろん、簡単な質問ではない。
  • ここでは、ある普通の外国語学習者のケースを検討する。彼は4年制大学を卒業したばかりの23歳の新入社員である。名前はタロウとする。高校では入試のための英語しか勉強しなくて、大学に入ってからも英語の授業に最低限しか出なかった。英会話もできないし、簡単な読み書きも忘れかけている。が、就職先で昇進コースに乗るには海外支店で数年間勤務する必要があると聞いて、今こそ英語をものにしようと決意している。このタロウ君の英語が上達するにはどのぐらいのカネが必要だろう。

無茶苦茶な条件設定とは思わない。この後、タロウ君の奮闘が原価計算されていく。そして、三日坊主でも、3か月で辞めてしまうのでもなく、5年もその努力は続けられるのである。その結果、

  • 5年間、英語学習に投資した合計金額は6,947,180円となる。

えええっっ!どんな計算なの?果たして、それはペイするのか?などと色んな疑問が頭に浮かびませんか?そんな方は、是非、購入してお読み下さい。
『あんどーなつ』本日最終回。ナレーションは小朝だったのね。
来週からはナレーションの締まらない時代劇シリーズです。

本日のBGM: ひとつだけ(矢野顕子)