Have we grown any wiser?

この連休の最後、9月15日(祝)に、慶應義塾大学(三田キャンパス)にて、英語教育の明日を占う一大シンポジウムが開かれます。
慶應義塾大学の大津由紀雄先生を中心として、
江利川春雄(和歌山大学)
古石篤子(慶應義塾大学)
斎藤兆史(東京大学)
津田幸男(筑波大学)
三浦孝(静岡大学)
山田雄一郎(広島修道大学)
といった方たちが議論を繰り広げることとなります。
残念ながら私は参加できないので、以下、概要をご覧いただいた多くの方に参加を呼びかけることで、このシンポジウムの成功に少しでも貢献したいと思います。


英語教育の新時代 --- 「『英語が使える日本人』の育成のための戦略構想」を超えて
主催:慶應義塾大学グローバルCOEプログラム人文科学分野「論理と感性の先端的教育研究拠点」
後援:慶應義塾大学出版会
運営:慶應義塾大学大津由紀雄研究室

趣旨:戦略構想の分析と行動計画の評価をしたうえで、今後の英語教育のあるべき姿を議論する。戦略構想の単なる批判に終わるのではなく、生産的な議論を展開し、できるだけ具体的な提言をしたい。

日時:2008年9月15日(敬老の日)午後1時から6時まで
場所:慶應義塾大学三田キャンパス西校舎ホール

登壇予定者:江利川春雄、古石篤子、斎藤兆史、津田幸男、三浦孝、山田雄一郎、大津由紀雄

プログラム:
01:00 - 01:15 開会
第一部:講演(司会:古石)
01:15 - 01:45 大津 お題は「戦略構想」「TOEIC」「小学校英語」
01:45 - 02:15 津田 日本人は英語を使えなければならないのか?
02:15 - 02:45 山田 「戦略構想」と学校英語教育
02:45 - 03:00 休憩
第二部:パネルディスカッション
03:00 - 04:45
英語教育政策の未来
 登壇者:江利川、三浦、古石、大津、斎藤(兼司会)
04:45 - 05:00 休憩
第三部:全体討論
05:00 - 06:00

参加費は無料で、参加資格のようなものもありません。英語教育やことばの教育に関心のあるかたなら、どなたでも参加できます。

プログラム・申し込みはこちらから。↓(できるだけ、事前の申し込みをして頂きたいとのことです)
http://oyukio.blogspot.com/2008/08/blog-post_18.html
大津先生からのメールの一部をご紹介。

あたたかい応援のメッセージをありがとうございました。ブログでの告知もありがたい限りです。これまでのシンポでは参加人数などほとんど気にしませんでしたが、今回だけは、ひとりでもたくさん集めたい。その意味で、こころから感謝します。 大津由紀雄

このブログをご覧の皆さんで、ご都合のつく方、何卒よろしくお願いいたします。

さて、本日の正業。
0限の高1は、オーラル。
生徒それぞれのトピック1での1分間トーク。パートナーは、相づちを打ったり情報を聞き出す表現を使ったりして、スピーカーが1分間持つように協力。ホワイトボードにある表現をスピーカー、リスナー共に活用できたか自己評価し、攻守交代。1ペア終わったところで、2分間マップの修正、構成の確認。自分のマップをバージョンアップしたところで、前回に続いて、新たな繋ぎの小道具をホワイトボードに追加して確認。その後、ペアを変えて、同じネタでのトーク。今度は、片方が終わったところで、分からなかったところをフィードバック(当然、日本語でですけど)。その反省を踏まえて、攻守交代して、同様にフィードバック。机間指導の間に、気になった英語になっていない部分を修正、全体に還元。
トピック1で、ミュージシャン、スポーツ選手、映画など著名人、作品を選択したものへの参考にと、米アマゾンのカスタマーレビューを出力したものを配布。地元の紹介をするものには、私の以前住んでいた政令指定都市の英文パンフレットを持参して紹介。モデル文、モデルフォーマット、さらにはテンプレートとなるものを活用することを推奨。大枠や構成というタテ糸を仕込んでおくことで、個々の英語表現、語順といったヨコ糸の指導に重点を置くことが出来ればしめたもの。あとは、自分の興味関心あるトピックが英語で書かれているということが「読む」動機付けになれば、これはもう「表現ノート」のガイダンスが済んだも同然なのである。
頭に浮かんだ日本語の長い文をそのまま英語にしようと悩むのではなく、最小ユニット(チャンク、なのかね?)を意識して英語で口に出す回路を作ろうという話し。『お助けブック』の活用、『グラセン和英』の活用と、2学期のスピーチは、それだけが目的なのではなく、今後の自分の語学学習をどのように進めていくのかという、もっと大きなゴール、狙いにつながるものであることを大まかに伝えて終了。
高3は、既習ユニットの解説。
音読は呪文にするな。読み終わった時に、イメージが浮かんでいるように。速読を焦るな、という話し。

  • 読めるから速くなる、ただそれだけのこと。トピックセンテンスなるものを探し、その文を読む時に、おやっ、とかあれっと思うのなら、そこでしっかりと読もうとするでしょ。そういう時は、しっかり読むの。読まなきゃダメなの。少なくとも第一段落はそう。その読みは精読と変わらない。なるほど、じゃあ、この次の展開はきっとこうだろうな、とか、こう書いてあるんだから、この次はこういう内容が来ないとおかしいだろ、と予測するのは勝手だけれど、必ず、その予測を検証するために次を読まないとダメ。読んでみて、自分の予測と一致、合致すれば読みは早くなるし、端折っても致命傷にならないけれど、それは次を読むから分かるの。そこをごまかしてはダメ。

もう既に過ぎ去った夏休みの課題文から冒頭の1段落を検証。テキストに付いている解答解説の舌足らずなところというか、隔靴掻痒な部分がよく見えてくる。
で、そこまで確かめてから音読。その後、重ね読みで終了。
高2は、学級文庫に新しく入れる本の紹介。
Politicianとstatesmanを板書し、『ウィズダム』で調べさせる。その後、Adrian Roomの “Dictionary of Confusing Words And Meanings” の定義を紹介。よく考えると、これを買ったのは大学4年の時なのだが、その前に出ていた ”Distinguishables”を買ったのは、1981年。高3の時なのだ。何かを見て(読んで)買ったはずなのだが、それが何であったのかが思い出せない。浦島さんのNorthern Lightsの書評にあったかなぁ?(過去ログに写真がありました→http://d.hatena.ne.jp/tmrowing/20080612
他にも、数冊、表現系を中心に、それぞれの本の「持ち味」を解説。
残り時間で、日本語の本。
斎藤喜博は案の定、誰も知りませんでした。『君の可能性』の目次から、項目を読み上げる。文庫棚の一番上、内省とか人生を考える類の棚に収納。河合隼雄、なだいなだの横に並びました。
放課後は、高3の生徒の志望理由書関連の指導。
この生徒は授業では全く教えていないのだが、スポーツ選手ということで、担任からアドバイスを求められたケース。前回、別な生徒のスポーツ推薦の添削指導もしたので、その指導が評価されたということだと好意的に解釈しておこう。
今回は、全国レベルの大会に何度も出場し、部活でも、クラスでもリーダーシップを発揮した生徒で、とっても真面目に、とっても丁寧に書かれていたのだけれど、とっても大きな弱点が感じられたので、その部分を指摘。

  • これ、すっごく良く書いてあるんだけれど、もし、ここの最初の氏名のところをあなたの部活の他の誰か、ほらいるじゃない、同じように大会で活躍して、学校生活でもリーダーシップとってた人。そう、○○さんに代えても当てはまったりしない?これが、他の誰でもない、私なんですっ!というものがどこかで見えないと。

そこから、3年間を振り返らせたのだが、日本一を目指してやってきた中には当然大いなる葛藤があったのでしょう。目からぽろぽろと涙が…。その思いをもう一度噛み締めて書き直そう、ということで最重点項目の見直し、構成の見直し。大まかな流れまでを作ったところで、担任へ。よろしくお願いします。うまくいくといいなぁ。
夜は同僚と国体に向けての激励会・壮行会という名目で飲み会。楽しい宴でした。

本日のBGM: Nobody Knows My Name (Rickie Lee Jones)