跳ぶ前に見よ

本日より夏期課外補習の後期日程が開始。
自分のクラスは模試の返却。近年では英語の平均点も一番いいようなのだが、突き抜けている生徒は1、2名。まだまだこんなもんじゃないですから。成績(いわゆる全国偏差値)の推移をグラフで表してくれるのだが、これを見たら、中学校の先生はビックリするでしょうね。でも、偏差値を伸ばすよりも、まずは英語をことばとして学ぶ意識を伸ばすことの方が大事。『宝島版・藤本ムック本』が終わった人は『ケネスの…速読』シリーズを1日1冊ペースで読み進めてスラスラ感を維持しておき、受験用の素材に移行してもいいだろう。ギミック満載の劣悪教材に惑わされず、本正弘(故人)の『英文直読Try Again(CD2枚付き)』(語学春秋社;実況中継・初級コース(上・下)を一般向けに1冊に再編したもの)あたりで十分。この本はまともですよ。
三年生の出直し英語塾。片方のペアは一通り教材をカバーできた様子なので、「四角化で視覚化」の意味、汎用性を明示的に指導。どのように、文型・語順へと進めるかの方向付け。もう片方のペアは、取り組みが甘すぎるので、出直しの出直し。作業しかしていないのでいつまでも学習にならない。自分が、この教材に対して、思い入れとか思いこみとかが全くなく、やらされているだけ。本物を見た時、本物に出会った時に、心が動かないと!まずは自分の感性を揺すぶること。教材のことばのひとつひとつに自分で魂を吹き込みなさい。
明日からは二泊三日で学習合宿。自分を勉強漬けにできるか、一人一人の課題である。
二日目の午後には、特別講演として、地元国立大学の医学部部長さんに講師をお願いしている。今では進学校なら、自分の高校に大学関係者を招いて、説明会を開いたりすることはポピュラーになっているだろう。しかしながら大学の説明会に出かけたり、オープンキャンパスに参加した際に直接話をする機会がある、というのではなく、合宿の場に学部長クラスの大学関係者にわざわざお越し頂いて、身近な空間で濃い時間を共有できるチャンスはそうあるものではないだろう。分野は何であれ、その分野のトップの方が持つオーラも感じて欲しいと思う。今回の講演もオアーズマン繋がりで実現したものである。本当に有り難いことだ。
Rowing最高!

さて、
昨日のコメント欄で触れた記事に言及しておきたい。
Web翻訳で得られた原語から英語に直されたものを私が日本語に訳しているので、二重に不正確な訳・誤訳の可能性があることを予めお断りしておく。

男子・女子2X決勝後の談話を載せた記事は彼の母国のボート協会でも紹介されている。

GPはギリシャの選手のボート競技での記録に満足を隠せない様子だった。この競技のテクニカルアドバイザーである彼は、報道陣の前に笑みを浮かべて立った。談話の中で彼は、男子2Xの偉業だけでなく、この五輪に参加したボート競技全体の卓越したパフォーマンスを取り上げた。
「男子2Xだけでなく、女子2Xの結果にも満足している。銀メダルは本当に大成功である。しかしながら、女子の達成した6位も同様に重要であり、成し遂げることの難しいものである。男子1Xにも満足している。(以下、1Xへのコメントの英語翻訳は意味不明)
今回の男子2Xのレースで、実は最初にとても小さなミスをしている。それがなければ彼らはもっと速かっただろう。でも、それがオリンピックでのレースなのだ。男子の2Xでは既にアテネ五輪で銅メダルを取っていたので、北京ではそれ以上を求めていた。今回は銀メダルを彼らに取らせることができた。私の薫陶を受けた選手たちはみな責務を果たしただろう?」と彼はいかにも同意を促すかのように語った。
GPは今後の彼の去就については明らかにしたがらなかった。ロンドン五輪でのポストを要請されるか否かは政治が決めることだと言いたげであった。「ロンドン五輪は今から4年後であり、これ以上先に進めるか、つまり金メダルが取れるかどうかは何とも言えない。何しろ、私がそこにいるかどうかもわからないのだから」、と彼は付け加えた。

7月の日本(田瀬湖)合宿前の記事にはこうあった、

ボート競技のギリシアチームは、そこに7月26日まで滞在し、その後北京に戻ることになっている。テクニカルディレクターのGPはこういった。「我々が日本に行くのは、北京での劣悪な環境に影響されるという危険を冒さずに、高いレベルでトレーニングをするためである。その後、約2週間残されているので、その期間に…(ここは不明;現地の環境に慣れるというようなことらしい)。我々男女2Xの最低限の目標は決勝進出である。1Xに関しては、まず、Bファイナル進出が目標である。この競技はとても難しく、彼にはまだ高いレベルでの試合経験が足りないから。けれども、チームはここまでとてもよく準備ができているので、我々にはみな良い結果がでるという楽観的なムードがある。」

これを読んで、GPが日本チームを率いて北京五輪を戦った仲間だと信ずることができるだろうか?我々の代表をもっともっと高みへと到達させられるようなチーム編成やサポートもできたのではないだろうか?

このような背景の中で、最後まで戦った五輪代表の四人にはあらためて敬意を表したい。ロンドンへの課題はとてつもなく大きい。しかしその課題は、協会だけでなく、我々この世界の住人、一人一人の課題でもある。

本日のBGM: Waiting for the great leap forward (Billy Bragg)