A pious hope of mine

課外を終え、高3の英作文と、高2の英文日記の添削を終え、床屋へ。
駐車に手間取った(戸惑った?)。
襟足に元気がないとのこと。

  • 気苦労があったり、神経を使うことがあったりすると、こいうところに出てくるもの。

というお気遣いを受ける。深謝。

mixiで、ライティングに関して真っ当な意見交換ができてなんだか嬉しい。
この方の周りに集まる方は、誠実で実力のある方ばかりなので自分とスタンスの違う意見でも聞いていて清々しいところがよいのだ。ライティング関係をいろいろ調べていたが、とあるサイトで、先行研究のレビューに出くわして、調べものどころでは済まなくなった。(一応リンクを示しておくので、興味を持たれた方はご自分で全体のご確認を。http://sugiura3.gsid.nagoya-u.ac.jp/sugiuraken/litreview/
あまり快い感想は持てなかった部分を抜粋。
S. Fukushima and T. Sato (1989). The effectiveness of teaching transition words in EFL composition class.
『関東甲信越英語教育学会研究紀要』No.3, pp.29-39.

  • 概要: 日本人英語学習者 (大学2年生) に接続語句について授業で解説する1週間前と1週間後に英語で説明文を書かせてJacobs et al. (1981) のESL Composition Profile で評価した。その結果、接続語句の学習後の作文のほうが統計的に有意に優れていた。授業では、適切な接続語句を選択させる課題、穴埋め問題、英文を与え接続語句を用いて後続の文をできるだけたくさん産出させる課題、学習者自身で接続語句を介した2文を産出させる課題を与えた。作文の評価項目の中では、"organization"に関する得点の伸びが顕著であった。被験者のクラスは全体としては中級レベルの英語力を有するクラスであるが、細かく観察すると上級レベルに近い学生よりも中級レベルの学生の作文において伸びが顕著であった。
  • コメント:接続語句の学習前後の英作文(1例のみ)が論文の最後に掲載されている。確かに接続語句の使用により構成面で格段に良くなっているのがわかる。が、大学2年生でこの程度の英文しか書けないのかとがっかりした。

私は、この論文の著者とも、このコメントをした研究者とも面識は全くない。最後のコメント。いくらなんでもこれはないでしょ。このような形で先行研究を切り捨てていくことが、「アカデミックな」世界の作法だとするならば、私は興味を持てないし、自分の教え子にその方面へ進ませようとは思えない。有能な研究者であり、教師であり、おそらく、悪意がないだけに途方に暮れてしまう。私は、自分の教えている生徒なら、授業や課題でのお粗末なパフォーマンスをどれだけ罵倒しようとも、自分で抱えていくのだから、その叱責・罵倒は自分自身への叱責・罵倒なのだ。人様の教えている学生(とそのパフォーマンス)に対してこんなことは口が裂けても言えない。リサーチデザインの不備や、検定の方法を批判したり非難したりするのはいいだろう。百歩譲って、この研究で示された指導手順にしたがって書かれたものが、実は英文の質・量ともに悪くなってしまっている、つまり著者たちの大いなる勘違い、大間違いである、というようなことであれば、そこを指摘・指弾・糾弾すればよいことだ。でも、そのリサーチの被験者となった学習者・学生に何の罪があろうか。

Suzanne BratcherとBruce Speckと最所フミを読んで寝る。
本日のBGM: なし