中国大会で岡山入り。
レースは土手で観戦。
我がチーム(選手)は予敗オチ。俗に言う「イチコロ・ハイコロ」である。女子よりも遅かったのがなんとも凹む。
先日、始まりの始まりなどと書いたが、まだ始まってもいないではないか。
中国地区の指導者たちとの懇親は収穫ではあるが、That made me feel small.
あぶられたスルメか、しゃぶればしゃぶるほど味わいを感じられるあたりめか。
幸いにして私は歯が丈夫なので、噛み締める悔しさは固くても大丈夫なのが救い。
例によって、比喩に逃げてみたが、形容詞というものは奥が深い。
日本語の表現で自明のようで複雑な関係を持っている語句がある。
- 先がない
というときと、
- 先払い
というときは同じ意味ではないというのはわかるだろう?
さらには、「さき」という語が、
- 先
- 前
という漢字で表される。
- お先(さき)に
- それは後(あと)でね
というときのそれぞれの意味と、
- 後先のことを考えずに
というときの意味は同じか?
以前、教室で、
- そのセーター後ろ前だよ。
- そのセーター前後ろだよ。
のどちらの言語環境で生活しているか問うたこともあった。
英語でも、
- back to front / front side back
- inside out
- upside down
- the other way round
とか、大佛次郎的知識にはことかかない。
そんなことを考えながら、英語の形容詞の働きについて考えていた。
- カスタマー・レビュー
「カスタマー・レビュー(customer review)」は英語としても用いられているので、名詞1+名詞2の原則で、名詞1は形容詞として名詞2を修飾する。ここまでは高校生でも理解しているだろう。では、その場合の形容詞の意味と働きは?
- a review by a customer
- a review for a customer / customers
- a review of a customer / customers
(リンカーンの演説の ”of” については過去ログで中野好夫氏の一節に言及したことがあるので、検索などご随意に。)
パラフレーズした後も腑に落ちているかどうか、意外に説明に困る。
- PG(= parental guidance)
などというイメージしやすい形容詞であればすぐにわかりそうな働きも、名詞が形容詞として用いられる傾向にある現代の英語では注意が必要だ。「やさたく」だけでは行き詰まる好例ではないだろうかと思う。
ちなみに、私もtmrowing名義でレビューを書いているが、「商品」または「作者」についてのレビューを書いている。絶賛にしろ酷評にしろ、そのレビューに自分の思いを込めることはあるが、”a review of the customer who did a review of the same product” のようなことはやっていない。自分が気に入った商品を酷評する人がゆるせないのは、ファン心理のようなものなのだろうが、reviewということばの意味をはき違えてしまうとそうなってしまうのかと淋しく思うことがある。これはUSのカスタマーでもUKのカスタマーでも同じなのだなぁ。レビューするのであれば、「他の商品」「他の作者」との対比をこそするべきだろう。
『ユリイカ』で中原中也賞発表。選者の1人、荒川洋治の言葉が心に残った。引用はしない。
本日のBGM: この愛ははじまってもいない(真心ブラザーズ)