戻るときこそ前向きに

中間試験、1年生のOCも終了。
試験監督をしながらのライブリスニングテスト。時間を計ったように(というか実際計って作ってるんだけど)、50分できっちりと終了。読み上げは2回。
出来は「うむむっ」という感じ。やはり、基本語の綴り字が書けていないのだなぁ。授業で音読まではできるのだが、そこからの筆写(視写・暗写)ドリルをどうしたものか。

  • 縦書き用ドリルノートでも作るか?

大文字・小文字の練習から、ストローク練習、さらには文字のjoiningを経て、中学必修基本語習得まで。どうですか?誰か一緒に作りませんか?
ブロック体、活字体、筆記体などと称して訳の分からない文字指導・書写指導をしている教師は今では少数派だと信じているが、こうも高校入学者の文字が脆弱だと、入ってくる前になんとかしなければ…。田尻先生、久保野先生、阿野先生が指導する大学生はきっとこういうところもきちんとやってくれるのだろうと信じている。かつてW先生が指導したG大生(若手教師もだな)は今現在、英語教師として日本各地でしっかりとした指導を続けているんだから。

  • 君はね、自分が英語ができると思っているでしょ。そういう人には中学生は教えられないよ、入門期が一番大変なんだ!

今でも鮮明に覚えている、W先生の言葉。学生当時は反撥し、「じゃあ、僕は高校教師になります。」といって卒業して高校教師になり、その後も顔を合わせるのが辛くて、素直に語研に行けばいいのにそちらは横目で見つつ、でも英語教師としての研鑽は積みたくてELEC(同友会)に頻繁に顔を出すようになったのだった。最終講義で師匠にご挨拶できた時は、勘当を解いてもらったような気がしたものだ。

  • 初歩と基礎とを混同するなかれ

というのは私が肝に銘じている久保野語録。
基礎というのはbase / foundation // basics / fundamentals / ということなので、「築く」ものなのだと思う。試験明けからまた出直し英語教室だな。行き詰まったら引き返す勇気も大切。こういう時こそ、「はずれくじ10枚理論」の実践だ。『中学英語の指導技術』(ELEC) を読み返していて、単語の記憶に関してあれこれ思案していたのだが、語彙の指導と定着に関して、理論と実践の両方で信頼を置いているおかじゅんにアドバイスを求める。独りよがりにならないように、専門家の意見を聞いておくことは大事。やはり、一度に100語というのは負荷が高すぎるのだと納得。せめて、20x5と分割提示してspaced rehearsalということか。まずは、書き殴らせないようにノート指導あたりから。
2年生用に『P単』を注文。お急ぎ便で今週中には届く予定。週明けにはドリルのスタート。以前、女子校で教壇に立っていたときにも『P単』をやっていたのだが、「この解説の時間だけ毎週やって欲しい」という生徒がいて、本気で「語彙指導」というコマを作ろうと思っていた時期がある。今のクラスでは本当に必要かも知れない。関連語彙の提示を避けた指導に取り組むのは自分(とこれまでの自分の実践)に対する挑戦でもある。
帰宅すると、サイドリーダーが届いていた。とりあえず、初歩レベルの24冊。いくら古書とはいえ懐は寂しくなるが、生徒の英語力がつくことを思えば心は温かい。1年後くらいにはライブラリーになっているだろうか?学年にこだわらず、「読みたい」と思ったときにすぐに手が出るような環境を整えられないものか。本は私が自分で買うから、英語科の準備室とか資料室を学校でなんとかしてくれないかなぁ。
最初の勤務校では、準備室の書棚一杯に1500冊くらい揃えたんだったか。もう15年も前の話しだから、やはりY先生の慧眼だな。予算を獲得するために、いろんな研究指定を引き受けて、年中報告書を書いていたような記憶があるが、そんなこと、あんなことをY先生にいただいたWorld Book Dictionaryを引くと思い出す。
初心は忘れないが、原点に戻ってばかりもいられないのだ。
本日のBGM: Dead End --- Love Flowers Prophecy (Godiego)