「高名の木登り」

高一は倫太郎さん作成のレメディアルシリーズもほぼ終了。最後は一文のなかでの分析なので、ようやく自力で英語の文に取り組むための、初めの一歩ができたところといえる。
今日は、read & look upから、flip & writeへ。何のことはない、見て音読して、顔を上げて同じ文を言って、すぐさま裏に書くというだけの活動である。作業の合間に今月の歌をBGMで流す。綴り字の誤答を見ると、フォニクスが身についていないものがチラホラ。二重母音にあたる文字を見て発音するのはできても、発音から文字を書くのは難しいのだなあ。フォニクスは中間テストまでにどこまで進めるか…。
そうそう、クラスで聞いてみたのだが、今の1年生は昨年度まで(中学生の時に、ということ)「NHKラジオ基礎英語」や「レベルアップ英文法」を先生に薦められたことがなかったのだそうだ。

  • 中1のはじめで「基礎英語1」も、何も言われなかった?

と聞いたら、”No.” の答え。この地域はそういう文化なのかね?
ということで、昨年度の「レベルアップ英文法」の8月号、「夏期復習シリーズ」をテキストとCDとセットで、高1のクラスに一つ、高2のクラスに一つ貸し出す。中学校段階で身につけるべき(とされる)英文法の最も大事なところがカバーされているので、再入門にはこの8月号が最適と思う。このレベルをバカにしてはいけないのだ。入試ばかりを気にして難しい問題ばかりに取り組んでも、簡単なところと自分が思っているところで犯している大きなミスに気がつかないままだと空回りである。中学校の入門期だからこそ、木登り名人のように、ちゃんと声かけをすることが大切なのだ。
動機付けと言うわけではないが、太田洋先生や講師の方たちの陽気な語りをCDで聞かせてチャレンジを促しておいた。今年の阿野先生の「基礎英語3」はスパイラルに進んでいく感じなので、毎月ちゃんとやるのが最も良いのだろう。高校1年生はテキストを使って、高2以上なら、テキスト無しでやってみると力がつくでしょうね。私は東後勝明先生の「ラジオ英語会話」の時代に聞いていましたが、中3から高1までの1年間はテキストを使って、その後はテキスト無しでチャレンジしてました。後にも先にも「英会話」の練習をしたのはこの時くらいです。
高3は、物語文が一つ終わったので、話型と副詞句・副詞節など物語文特有のつなぎ語を一覧にして解説。続いて、良質のフィクションとして最適の70年代のSSWの巨匠、ジャクソン・ブラウンの曲を歌詞付きで。1980年作品の”Of missing persons”。話型としてはテキストで読んだ物語文とパラレルなのに、曲の内容やテーマを理解するには難しすぎたようで、この理解の難しさは語彙力の無さ、構文力の無さだけではないのだろう。散文に触れる経験と韻文に触れる経験のギャップが埋まらないのかもしれない。難しいものだ。
昼休みから5時間目まで丸々一時間、留学生の部活動についてのお悩み相談会。顧問の先生も交えてスケジュール確認や参加の形態に関して通訳。日本の「ブカツ」のストイックさはなかなか理解できない模様。もっともストイックさを理解できないのは、日本の生徒も同じなのだが。コーチングの難しさだな。以前、G大を一時期離れる時に後任の相談で、阿部さんに「コーチ業は情熱があるだけではダメだ」と言われたことを今噛み締めている。
遅れに遅れた自分の担当原稿を一応書き上げて送る。「一応とは何だ!」とか怒られそうだが、世に問うためにはこの後が勝負。全部並べてみて初めて分かることもあるので、推敲の段階、修正加筆で頑張ります。

本日のBGM: Tree Climbers (木村カエラ)