the City of Brotherly Love

更新儘ならず。
昨日は、授業担当者会議で放課後の部活は見られず。
こういうときに、上級生のいない部活は厳しいとは思うが、それもまた世の常。こうしてクオリティが下がるうちは何度でもふりだしに戻ればよい。
普通科はテスト範囲が終わったので、復習シリーズ。単位修得の見込みが危うい生徒に対応したものなのだが、そういう生徒ほど取り組まない。これも世の常か?
進学クラス1年は関係副詞と前置詞+関係代名詞の整理。2文連結ではなく、英語による語の定義を用いて、名詞句の限定表現のみで攻めてみた。

  • aquarium/ factory / hospital / laboratory / museum / zoo

この6語に対して定義は18。各種英英辞典より抜粋、修正。当然、複数の定義が該当するので、繰り返し関係副詞と前置詞+関係代名詞を読むことになる。今回、いつものMED, Cambridge Learners Dictionary(英英和版)、COBUILD, OEDの他に、久々にISED(開拓社)を使って見た。やっぱり面白いなこの辞書。あと、Longman Junior English Dictionaryも。
この後は、幼年期、少年期、思春期(青年期?)、成年期の定義で関係副詞 whenの確認。
最後は、

  • high school / library / jail / summer holidays / prime time

の定義をグループで作る課題を用意。3月の『レベルアップ英文法』は仮定法と関係詞の丁度いい復習になる。必聴!
高3生もぼちぼち私立大の合格通知を持ってくる。関西大と立命館の両方に合格して、悩んでいるようでは来週の国公立本番でスパークできないので気を引き締めて臨んで欲しいものだ。
今日の高2のオーラルは会話必須表現の読み合わせから例文補充。
"misunderstand" とビッグワードを使わなくても良い例として、

  • Don’t get me wrong. / You got me wrong.

を。iTunesにThe Pretendersの曲が入っていたので、その場でさわりだけ聴かせる。
続いて、I don’t see what you’re getting at. のget atなどに見られる「会話の目的(=ゴール)」を「目的地」「到達点」の比喩で切り取る例として、

  • Sorry, you’ve lost me there.

を補充。残り時間で、Kingのスピーチのクライマックス。Pennsylvaniaの解説で若林氏は独立宣言と合衆国憲法が成立した地である Philadelphiaに着目している。ここまで進めてきて、やはり、北米の地理の理解、歴史の理解がないと充分に味わうことができないテクストだと痛感。”from every hill and molehill” の解説を加える。参考表現として、辞書で make a mountain out of a molehillを確認しておいた。大山鳴動ではないが、大きな山もモグラの土盛りも等価なのである。バカにするわけではないが、小学生には分かるまいて…。
調べものをしていて、繙いた大修館のQuestion Boxシリーズ(1961年)に ”Taishukan BOOKS” というリーフレットが入っていた。今まで気にしてなかった。「家庭におけるわが子の英語教育 [アンケート]」というページがある。江川泰一郎、古川緑波、串田孫一、村野四郎など回答者の顔ぶれも内容も興味深い。二三、言葉を引いておく。
鈴木力衞氏(学習院大学教授・仏文学)、

  • 子供は三人おりますがいずれも勘が悪く、自分で教えていると腹が立ち、イライラして、ぶんなぐりたくなるのですべて家庭教師に委せました。こちらはよそのお子様に語学を教えるのに精一杯なので、とてもうちの子供までは手が廻りません。それぞれの学校でよろしくやっていただきたいと思っております。

高橋源次氏(明治学院大学学長)、

  • 放任主義。理由--- 中学の先生のいうことをよくきかせるため。英語に限らず、どの学科も内で何か彼や教えぬことにしている。

お受験情報百花繚乱の今のご時世とはあまりに違う。もっとも、親が大学教授などという「文化資本」のある家庭で育つ子供、という要因は忘れてはならないだろう。時代が違うと言って片づけてはいけないように思う。(そうそう、この辺りの視点でいうと、「学問無宿」の自由堂さんが、『白い巨塔』を引いて面白い記事を書いていました。ちなみに私の家は父が青年学校卒、母が中卒、兄は工業高校卒で、親戚で大学に進んだものはほとんどいない「文化資本」です。)
今時、Question Boxシリーズの古い語法談義で何を有り難がっているのだ、というなかれ。言葉の根幹はそんなにすぐに変わってしまうものではない。
たとえば、薬袋義郎著(2003年)、『学校で教えてくれない英文法 --- 英語を正しく理解するための55のヒント』(研究社)で取り上げられている<〜ing as I do …の用法>に関して、このQuestion Boxシリーズでは第5巻『動詞・助動詞』の、pp.87-88で適切な用例をあげて扱っている。最近の学習参考書を読んでも痒さが残るところにも昭和30年代に既に手が届いているのである。「〜と思っておられるかも知れませんが、実際は…」という展開の巧さに、この項の回答者は江川泰一郎氏かと思いきや渡辺藤一氏であった。脱帽。
戦略(?)会議が午後にずれ込み、予定していた仕事ができず。カリキュラムの見直し、シラバスの見直し、とやることは尽きない。おまけに人事も絡むので最終的には天命ではないが管理職・理事の意向次第なのだな。
帰宅後は原稿書き。少し形になってきたがまだ枠が整った位。残り時間は僅か。しっかりと立たせなければ。
夕飯はとろろご飯。麦ではなく、玄米混じりで。
夕飯を準備する間に妻がCDをかけたのだが、その曲が、

  • Streets of Philadelphia (Bruce Springsteen)

だった。King繋がりか?

今晩こそ『相棒』が息抜きになりますように。
明日は0限から。
本日の失われたBGM: Part of the dance (Matching Mole)