「帯広コネクション」

札幌から、スーパーとかちで約2時間半で帯広へ。11時前に着。近くなったものだ。駅まで迎えに来てもらった上に、兄からJoy English Academy (English House Joy) の浦島久さんに連絡を入れてもらい、直行。
私の方は浦島さんが編集発行していた、”Northern Lights” の創刊号を通じて高校を卒業する間際に一方的に知っていたし、久保野雅史氏がJoyでのイベントに参加したことを契機に、浦島さんとはこれまでもメールでのやりとりはあったのだが、直接お会いするのは初めて。私よりも、私の兄が仕事での付き合いが長く深いということにビックリした。今回の接点を作ってくれた兄に感謝。
私も一応、英語教育の世界に身を置いているので、この業界の様々な方とお会いするのだが、「帯広出身です」というと、「じゃあ、浦島さん知ってるでしょ?」「Joy通ってたの?」と聞かれることが本当に多いのだ。これで、やっと質問に答えられると一安心。
日曜日ということで、教室はお休みのところ、時間を割いて頂き、気がついてみると1時間以上もお邪魔することに。著書の最新刊と30周年記念の冊子をいただく。記念冊子には英語教育関連の著名人が名を連ねる。いやあ、「帯広コネクション」を実感しました。前日の研究会に参加されていた先生が「こんなにコミュニケーション能力の高い人はいない」というような形容をしていたのがよく分かる「生」浦島氏でした。
30年も帯広の地で英語教育に携わり続けてきた先達のオーラを浴びて、リフレッシュ。奥の手(?)も惜しげもなく披露していただき、本当に感謝。浦島さんも最近ライティング関連の書籍を上梓されたばかりで、ライティング教材作成の難しさを共有しただけでなく、

  • いつか一緒に仕事をしたいね

と声を掛けて頂きました。私もいつの日か「帯広コネクション」に名を連ねられるように地道に活動を続けていきます。
午後は兄夫婦のところに寄って、両親の仏前に座り近況報告。
ゆっくりする間もなく、とかち帯広空港へ。北海道を後にする。
羽田で乗り継ぎの合間に夕食を済ませ、山口まで。途中、赤ん坊の泣き声と、おむつを替える臭いとに挟まれながら、機内放送の落語で気を紛らしていました。バス最終便で新山口駅。妻に迎えに来てもらい、無事帰宅。
北海道イベントでお世話になった方々にメールをして、就寝。
明けて今日、月曜日の試験は高1、高2のオーラル二本。ライブ・リスニングテストなので、口慣らしをして、巡回待ち。2クラスともとりあえずは大きな失敗もなく読み上げ終了。これで、担当科目の5種類全て答案が出そろったことになる。あとは採点と成績提出。厳しい日程だが、なんとかなるでしょう。

「つながり」といえば、数研の「チャートネットワーク 11月号」でピアレスポンスに関して、藤枝豊氏が寄稿していた(http://www.suken.co.jp/subject/eigo/cnw/54/54-3.pdf)。コンパクトにまとまった良い小論だと思う。北海道イベントの分科会でも指導事例の発表に続いてpeer responseの活用について質疑応答があった。私もコメントしたのだが、ESLやEFLでの諸外国の事例をそのまま日本の高校英語教室に当てはめても上手くいかないことが多い。ほとんどのresearchは大学生以上の学習者を被験者としていること、多くの授業者はライティングのみを教えている教師であることなどは割り引いて考えねばならない。後期中等教育段階の日本の高校生を指導する場合と、大学に附設する教育機関での授業が多いとはいえ高等教育の段階とではあまりにも環境が異なるからだ。(レメディアル教育の必要な大学生の英語力とSELHi等で濃密な訓練を経た高校生の英語力が逆転現象を示していることはここではひとまず置いておく。このブログの過去ログでも、ピアレス(peer response) 、ピアフィードバック(peer feedback) で検索してもらうと、高校段階での指導事例がヒットするので、お時間のある方は是非どうぞ。)
こういう部分こそ、単に研究発表を聞いたり、論文を読んだりするだけではなく、国内の中学高校の実践例を突き合わせ摺り合わせる価値があるのだと思う。その意味では、「追試」の繰り返しや「他人の褌で相撲を取る」ことだって大切な初めの一歩。まずはとにかく、実践の記録を残し、振り返ることから自分の授業を揺すぶってみることです。Peer responseに興味を持ったら、まずは、それを実践している人とコンタクトを取ることから。雑誌であれば、編集部に問い合わせ、紀要であれば学会や学校に問い合わせれば著者まで辿り着くのはさほど難しいことではないでしょう。地理的に近ければ、実践を見せてもらうことも可能かもしれません。
私の場合は現任校のカリキュラムに「ライティング」という科目が設置されていないので、今しばらくはお待ち頂かないとライブでお見せすることは適いませんが、優れた実践を続けている人と、その実践から学ぼうという人同士を繋げる手助けはできるかも知れません。何かあれば、ご一報を。
帰宅すると、広島大の柳瀬先生と筑駒の久保野先生からメール。沖縄での「ゆかいな仲間達」も盛会だった模様。流石、濃い面々ですな。
週末の県庁でのライティングワークショップの資料(=自分の控え)を印刷し、流れを確認。通してリハをやってみるとやっぱり、神奈川イベント用に撮ったDVDの方が構成が分かりやすい。何とか、早いうちに、あのDVD用の資料を再編しておきたいものだ。Yさん、Dさん、よろしくお願いします。今回は、夏のELEC協議会で上手くできなかったところをきちんと持っていくのが課題。柳瀬先生は都合が着かず今回もお会いできず残念だが、鹿児島からはkarishimaさんが駆けつけてくれるそうなので、ここでも新たな拡がりが。 今回の参加者には、私の資料でファイルのあるものは全てコピーを差し上げます。Pay it forward!

本日のBGM: JOY [Album version] (綿内克幸)