Now You’re Talking.

火曜日は朝から、今ひとつの体調。妻の薦めで、熱い味噌汁をあびるように飲んで出勤。
学校に着いてからも20分ほど気持ち悪かったのだが、下痢をして、スッキリしたらすっかり良くなった。これが野口晴哉氏の言う「風邪を経過する」ということか?
教室も職員室も暖房が入ったので喉・鼻の調子には気をつけないと。教室では、咳をしている生徒に「マスク」の着用を薦めておいた。
出直し要約塾では、過去完了という時制の必要性を示す。関係詞と準動詞も導入が済み、仮定法は「今月の歌」で充分すぎるくらい扱っているので、アウトプットに必要な大工道具は概ね揃ったことになる。あとは適材適所で、語彙・表現の問題。グループで要約し明日の提出を指示する。
普通科は小テストとその見直しのための対面リピートで授業終了。

水曜日は、高3センター対策から。物語文終了。木村明著『英文法精解』(培風館)から中間話法の例文 (pp. 476 - 478) を抜粋。こういう時には便利で懇切丁寧な参考書である。
次回は、07年入試から始まった「新傾向」問題とやらへ。
高2はSeeds of peaceの続き。Dictoglossもどき。聴き取りの範囲でsentence repetitionとshadowing。その後でメモ加筆修正。間を飛ばして学生二人のエピソードを書き取る。このエピソードを番組ホストが途中で簡潔にまとめてくれているので、

  • センター試験の「議論の司会者が要約する」読解問題と同じ視点で分析できるから、そのつもりで。もっとも、センター試験の出題では、なぜディスカッションなのに、リスニングでやらずに読解問題でやっているのか?

と指摘しておいた。スクリプトの確認と合わせて、聴きとって理解したパートとパートの間にある英文を読解で処理。メリハリ、メリハリ。
高2生には、

  • 英語 II や、readingなどの読解系の授業でも、「要約」「パラフレーズ」という意識を持つことが重要である。最終的に英語での要約ができなくとも、そのために語義を考えたり、上位概念を想定したり、文をつないだり、解凍・圧縮を繰り返したりして精読することに意味がある。精読を経た後の、音読・暗誦は血肉化に繋がりやすい。

という認識が育つことを願う。高1,高2は先取りなどといって試験対策に汲々とするのではなく、英語力を正面から捉えて地道にトレーニングをすることこそが必要である。(パラフレーズの功罪のうち「罪」に関しては、過去ログ参照 http://d.hatena.ne.jp/tmrowing/20061228
普通科は疲労困憊。為す術なし。意欲溢れる数人を確実に活かすことをまずは心がける。溜息をついたりして邪気を吸い込まぬように気をつけないと。

倫太郎さんのブログで知ったニュース。
誰が再生させたのか知らないが、教育再生会議がまた愚かな政策提言をしている。
誰が得をするのか?誰の被害が軽減するのか?高校の教育を充実させようと思ったら、それぞれの高校の好きにさせることだ。その上でsink or swimと突き放せばよい。共通一次からセンター試験と30年近く統一した試験を続けてきて、国公立大学(独立行政法人)学部学科の序列、高校の序列が明らかになった以上にどんな生産的な成果があったというのか?「まずは魂を洗え」だ。
高校の出口でいくら新たに資格試験を課したところで、またその資格試験の模擬試験を作り偏差値に一喜一憂するのがオチ。
そんなことをしていたら、大学全入といわれる今の時代、高校の教科書は皆「高卒学力テスト兼大学受験資格認定試験準拠問題集」「高卒学力テスト兼大学受験資格認定試験予想問題集」になってしまうだろう。

  • え?今だって、同じじゃないか?

いやあ、「大学入試の過去問でできた教材をゴリゴリやることが、高校の教育だ」とか「学力をつける優れた教授法だ」、とか「そういう教材を上手に教えることができる技術が教授法や指導技術、専門性だ」などと考えている人は流石にいないでしょう。
でも、ちょっと考えれば、満遍なく全教科で合格点をとれずに大学受験資格を得られないような学力の生徒がそれまでは志願していたであろう大学にとっては、このテストが実施されれば、志願者がいなくなるわけですからそれこそ「死活問題」なのだと思うのですが、それでもいいのでしょうか?

本日のBGM: Let’s make this precious (Kevin Rowland & Dexys’ Midnight Runners)