『誰も寝てはならぬ』

高3のハンドアウト印刷のため7時過ぎに出校。長文対話文問題対策のために、98年に作成した情報構造で対話文を分析するハンドアウトを加工してみた。10年前の素材文分析をもとにした資料なので古さが気になったが、素材文自体は当時の私大難関校の方が難しい。例として早稲田・一文のクレーマーの話を取り上げる。
テキストのセンター対策問題は、あまりにもつまらない問題。リスニングテストが導入されたのに、なぜ未だに内容のない対話文を読ませるのか?一刻も早く止めるべし。一人のターンでいきなり発話量が増えるところ、あまりにも短いターンテイキングの応酬のあるところが設問になっている。テスティングポイントなど無きに等しい。こんなものに時間を費やすくらいなら東大のリスニングの2問目、3問目のスクリプトを「読む」方がよほど面白いと思う。
いわゆる第6問の物語文で必ず問われる、内容真偽・一致問題の選択肢の分類の観点も一緒に印刷。選択肢の英文を主題と題述に分け直して、合非正偽をマトリクスで見ていくやり方。もともとは立命館の出題に見られるような、「本文からだけではT/Fを判断できないもの」を自信をもって選ぶために作ったものであったが、センターの第6問も今年のように、読むに値しないどうでもいいような英文になるとこんなに面倒な対策は不要だろう。
語句の整理として以下の項目をまとめた。
<断定を表す助動詞・動詞・形容詞・文修飾副詞>
is to 原形の変種

  • be going to; be about to; be bound to; be liable to; be apt to
  • be able to; be willing to
  • be sure[certain/ likely/ possible] to/ that節
  • be necessary to
  • be probable that節
  • be apparent[clear/ evident/obvious] that節
  • be believed[considered/ assumed/ thought/ doubted/ imagined] to /that節  
  • be expected[supposed] to/ that節
  • be arguable[questionable/debatable/conceivable] that節

助動詞的文修飾副詞(possiblyなど)

  • apparently; evidently; hopefully; seemingly; supposedly; most likely(☆副詞句によるバリエーションに注意すること→ without doubtなど)

動詞  

  • call; declare; designate
  • ask; command; demand; direct; forbid; invite; order; prohibit; require
  • advise; advocate; suggest; warn
  • allow; permit; rule
  • guarantee; promise; swear; undertake; vow

<all; every; some; always など全体・部分に関わる表現(『否定・肯定の4つの枠組み』参照)>

高2オーラルは、前回授業で紹介したTOEIC対策の単語集について補足。CDRで作っているのか、コピープロテクトなのか、マックでは認識せず音源を取り込めなかったため、前回はiPodでは音声が聴かせられなかったのだが、CDプレーヤーでは再生可能だった。当たり前か?この教材、CDの音声が英音・米音に対応しているかのような腰帯のコピーが羊頭狗肉。一つの問題を英音バージョン、米音バージョンと2回収録しているのではないし、米音話者と英音話者との対話を収録しているわけでもない。テキストの英文の吹き込みで、米音話者の吹き込む文と英音話者の吹き込む文とがただ分かれているだけ。同じ語句や文を英音・米音で聞き比べるものではないのだ。前回は「こんな、英音・米音のサンプルをただ聞くだけだったら、podcastingで内容のある話を聞いていた方が余程いいだろう!」と単語集を教卓にたたきつけて帰ってきたので、今回は実際にpodcastingの番組で米音・英音・豪音・加音・南ア音を聞いてもらった。その後、リスニングタスク。
普通科の授業は「特記事項なし」。
昼休みになったと思ったら、体操着姿の生徒が現れ「出直し英作文塾」。前回よりは少々改善が見られた。

  • やっぱり、日本文を日本文に言い換える練習をたくさんやった方がいいのでしょうか?

という質問を受けたので、「和文和訳とか言う人は多いのだけど、まずは『誰が誰に言っている文なのか?』『その文を言う目的はなんなのか?』を考えて、自分がその文にリアリティーを持つことが大切。今回のだと、ここと、ここ。この二点が主題なのだから、ここを抜き出してまず自力で文を作る。そこから。ああでもない、こうでもないと、日本語をいじり回して、結局主題を抜き出せないのでは本末転倒!和文和訳に悩むのはまだ先の話。」と回答。昼飯もそこそこに5時間目の準備。6限が空いていたのでそこで昼食。3年の担任の先生が、「最近、あいつよく来てるね」と「出直し英作文塾」の生徒の話。

  • 体操服のまま来てたってことは、体育の後でも「昼休みにお願いします」と言った以上、すぐに行かなきゃ、っていう意識だけは出てきたってことかね。

と、担任。生徒に関するこういう情報交換がとっても大切。
放課後は湖へ。1Xで並べて高強度UTのはずだったのだが、あまりにも志が低く、撤収してきた。「中途半端に乗艇するなら往復1時間分も含めて、エルゴ漕いでた方がましだろう!」と激!納艇時に先頃の国体で現役生活にひとまず区切りをつけた大学の選手が来ていてご挨拶。東京のR大の選手も一人(遊びに?)来ていて「Sコーチ門下生?」と聞いたら、「1年のときからずっとSコーチに見てもらっていました」とのこと。これからも長くこの競技に携わって欲しいと思う。
帰宅後、シブケンにエルゴメニューのご相談。丁寧な回答をいただく。深謝。
最近の学参に目を通す。

  • 望月正道著『ライジング英文解釈』(桐原書店)
  • 竹岡広信著『大学受験のための英文塾考 上』(旺文社)

精読教材、ということなのだろうか?それにしては教材が薄い。竹岡氏のものは『下』も出るということなのだろうが。内容は、といえば、結局「英語を読める人はこういうふうに読んでいるんですよ」というもの。英語を英語のまま理解する、とか速読速解とか、パラフレーズとかサマリーなど流行に敏感な昨今の英語教育の成果で、

  • 「こう読んでしまって泥沼の人は?」「なぜこういう読みにはならないのでしょう?」「ここがわからなかったとしたら、どう切り抜けますか?」「なぜ、ここではこういう英語にはなっていないのでしょう?」「この部分を能動の形に置き換えてみると?」「この部分を別の英語で言い換えると?」

などということを高校英語の授業でやらなくなったということなのだろう。伊藤和夫氏が生きていたらなんと言うだろうか?
首都圏在住の方は、こんなイベントがあるのでご参考までに。締め切りになっているかどうかはお問い合わせを。

一流校の英語の授業を拝見!「私の授業、公開します〜コミュニケーション教育から受験指導まで〜」(http://www.alc.co.jp/event/07/1118/#
2007年11月18日(日)13:00〜17:00
会場::アルク本社地階 イベントホール
定員:100名
講師:木村達哉(灘中学・高等学校教諭)、久保野雅史(筑波大学附属駒場中・高等学校教諭)、玉置全人(河合塾講師)
料金:3,000円(税込)
対象:高校、または中高一貫校の英語教師

木村氏、玉置氏はともにアルクから学参を出しているので、久保野氏も新刊が出るということなのだろうか?今度あったときにでも聞いてみよう。

先週睡魔に負け録画で見た『相棒』だったが、今週もリベンジならず。凹む。HDD様々。
気分直しに、パバロッティのトゥーランドットをYouTubeで見る。
明日は0限から。「全国縦断…」企画、いよいよ山口入り!
週末までに英音修行もこなしておかねば…。
本日のBGM: それはちょっと (小沢健二)