What’s in a name?

週明けはどんよりした天気。案の定、雨になった。
高3は図表読解問題に一段落つける。次回は、長文対話文問題と、物語文・小説・随想問題。今月終わりで、新傾向問題の復習をして、リスニング特講へ、という流れか。
高1は、模試の出来がボロボロだったそうで、大まかに解説し、取り組みの指針を与える。
語彙語法問題だと、「知識」の有無で解答できるか否かが決まる「大佛次郎」タイプの出題が多いのだが、学校の授業と、模試対策、入試に向けての勉強、そして英語力そのものの向上は矛盾するものではない、ということを実感しているかが大切。
リスニングはどうだったか、と訊くと「単語の意味がわからなかった」という者多し。

  • でも〜、裏を返せば〜、音は聞けたってことですから。 安心!

今学期に高1(たまに高2)でやっているマッピングも、音の識別で躓くレベルの素材文では効き目が薄い。同様に、語彙レベルや、構文の複雑さが学習者のレベルと一致しないと「要点を落とさず聞く」ことはできない。Selective attentionとか、selective listeningなどというbuzzwordは、もっともらしく聞こえるのだが、実際には、その英文を聞きながら「教師や問題作成者が予め選んでおいた語句・情報を聴きとっている」に過ぎないことが多い。本文中にある語句をそのまま聴きとらせ、書き取らせることが目的なら、まず、「極限まで塗りつぶし作戦」で、本文を修正ペンか黒ペンで塗りつぶして、どの語句を削ったら、推測不能で全体像や主題を把握できないか、という確認をしてみるのが良いだろう。過去ログで写真をつけているのでご参考までに(http://d.hatena.ne.jp/tmrowing/20070920)。私の授業では、素材文を高校入試問題として語彙・構文のレベルを落としておいてマッピングを導入している。また、その前の段階で、段落を構成する文整序の活動を、一人一文担当でグループ内のメンバー相互で聴き取りのみで整序完成させるという形で、理解できた断片から繋がりを見出し全体を復元する活動が行われている。
良く聞き取れる学習者のメモとの比較、教師自身のメモとの比較、聴解後のマップと読解後のマップの比較などを通じて学習者自身のselectionを促す活動を必ず入れることが鍵。中嶋洋一氏の実践も参考になるだろう。
昼休みは高三の生徒が入試の英作文を解いたので見て下さい、ということで指導。半分は出直してこい、というレベル。もっとも、「ライティング」という科目がカリキュラムに存在しないまま高三になっているので、いきなり入試演習は厳しいのはよく分かる。
日本の慣習を説明する内容で、「名前」「名字」という語を英訳する必要のある問題があったのだが、姓名の順序そのものが問題になっているので、 first name, last nameなどという名詞は誤解を招くと思われる。ただ、高校生のどのくらいが、 given nameとか surnameという語を知っているかは疑問。授業で扱うのはいいだろうが、テストするとなるとテスティングポイントは何になるだろうか?
普通科は、can / may / mustの棲み分けを中心に。それなり。
放課後は寮の当番まで職員室で仕事。その後、寮に移動し夜9時まで当番。点呼を済ませ、宿直者と交代。
帰路は雨の中、ゴアテックスで自転車。
長い一日でした。
帰宅後、身体が冷えたので、みそ汁を所望。利家とまつか?
教材で扱った、except forとexceptの語法に関してコメントで質問があったのだが、最近の辞書の用例、解説も含めて日を改めて言及してみたい。
本日はこの辺で。

本日のBGM: Me and You and a Dog Named Boo (Lobo)