timed writing再考

期末考査の採点と成績処理が一応一段落。明日が答案返却と成績提出。
高2の期末は範囲が短かったので筆記試験での差がほとんどつかなかったが、中間との総合に加えて、グループプレゼンでの評価も加味されるので成績処理にはやはり苦労するものだ。
高3ライティングは、中間では配点が20点だった「ライティング」問題記述部分が今回は2題で40点の配点になっているので、上位層、下位層に少しばらつきが出てきた。短文の和文英訳が25題あるのだが、授業で扱った(これが重要!)40題弱の英文から25題を選びそのまんま出題。穴埋めではなく一文を全部(一部書き出しを指定)書かせる出題で別解を全く認めていないので、ほとんど条件反射的に1問30秒程度で書かないとライティング問題の解答時間が無くなるというわけである。この出題にはテスティングの理論的な裏付けなど全くありません。言いたいけど言えなかった表現は言わずにすませる、という回避ストラテジーではなく、「こういう表現を使うのだなあ」という学びを強化することもライティング授業の大きな役割でしょう。生徒は自分の守備範囲の外にある英語表現をいったいいつ覚えるのか、という教室内の英語学習のジレンマを解消するには、今回のテストのような力業も有効です。
また、テストの際には限られた時間の中で自分で実際に英文を書かなければならないのに、授業中にtimed writingの課題をさせていない教師は意外に多いのではないでしょうか?エッセイ的な出題も、TOEFLのように300語以上書かせるのであればまだしも、100語程度の文章を1題しか書かせないのであれば、下書きを準備してくればほとんど書けてしまうことになりかねない。また、timed writingになると文字が判読できないような答案を書く者が意外に多い。普段から「速く・丁寧に」という躾が必要になる。特に、高校2年生くらいまでに十分な手当をしてあげないと、高3の2学期間だけでは時間が足りない。
SELHiが広がり、学習者コーパスの構築を見据えて、PCの利用でライティングをさせている高校も増えてきたように思うのだが、定期考査では生徒は相変わらず「手書き」で答案を作成するのではないだろうか。だとしたら、timed writingの課題を段階を踏んできちんと設定する必要があるはずである。目先の利便性にとらわれて学習者の目線での学び、教室に於ける学びの特質を見失ってはならない。ライティング指導の第一歩は文字指導・書写指導から始まるのである。